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排卵障害とは?排卵しない原因や症状と治療方法を知ろう

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「生理があるから、排卵もあるはず」と思っていたら、実は排卵していない、というケースがあるのをご存じですか?排卵の有無は、生理だけでは判断することはできません。また、排卵していない「無排卵」の状態を放置すると、妊娠しにくくなってしまいます。
排卵のメカニズムから、「排卵障害」が起こる原因や症状と治療方法までを紹介します。

排卵が起こるメカニズム

排卵は、「視床下部→脳下垂体→卵巣」の3つが連携してホルモンを分泌させることで起こります。ホルモンの司令塔である脳の視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」が分泌されると、これを受け取った脳下垂体から、卵胞の発育を促す「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と、成熟した卵胞に排卵を促す「黄体形成ホルモン(LH)」が分泌されます。この2つのホルモンが、卵巣に働きかけることで、卵胞が成熟して、排卵が起こるのです。

女性ホルモンが分泌されるしくみ

生理があっても排卵していないことも

毎月生理があったとしても、毎回正常に排卵があるとは限りません。排卵に関わる視床下部、下垂体、卵巣のうち、どこか1つにでも不具合が生じると、排卵が正常に行われなくなるのです。これを「排卵障害」といいます。

排卵障害が起こる原因は?

排卵障害は、様々な原因によって起こります。その原因を探っていきましょう。

視床下部に原因がある場合
排卵障害の中で最も多いといわれ、無理なダイエットによる急激な体重減少、やせ過ぎ、ストレス、激しい運動のし過ぎなどが原因で起こります。

下垂体が原因の場合
下垂体が腫瘍に圧迫されて、機能障害が起こる「下垂体腫瘍」や、出産後の大量出血で下垂体が壊死・梗塞して機能低下する「シーハン症候群」などがあります。

卵巣に原因がある場合
卵巣の卵子が枯渇することで生じる排卵障害で、18歳を過ぎても初潮が起こらない「ターナー症候群」や、通常よりも早く閉経する「早期閉経」などがあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵胞の育成が進まず、なかなか排卵されない未成熟な卵胞が、卵巣内にたくさんできている状態。生殖年齢の女性の5%から8%にみられ、生理不順、無月経、不妊、肥満などの自覚症状がある。

高プロラクチン血症
排卵を抑制するホルモン「プロラクチン」が過剰に分泌され、排卵が起こらない状態。

甲状腺ホルモンの分泌低下
新陳代謝を活性化させる「甲状腺ホルモン」の分泌が低下すると、排卵障害が起こる場合がある。

排卵障害はどんな症状が現れるの?

無排卵の多くは、生理不順や無月経の症状が現れて、基礎体温は低温期と高温期の二相に分かれない状態になります。
正常な生理周期は25日から38日間で生理日数は3日から7日とされますが、排卵障害の場合は生理周期に次のような症状が現れます。

生理周期に現れる症状

  • 稀発月経…生理周期が長く、39日以上3カ月未満
  • 頻発月経…生理周期が短く、24日以内
  • 過長月経…生理日数が長く、8日間以上続く
  • 過短月経 …生理日数が短く、2日間以内で終わる
  • 無月経…3カ月以上生理がない状態

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排卵していない可能性のある基礎体温
低温期と高温期の二相に分かれず、低温期が続く場合は排卵が起こっていない可能性があります。

排卵していない可能性のある基礎体温表

排卵している場合の基礎体温の目安

  • 低温期と高温期があり、その温度差が0.3℃以上
  • 低温期から高温期へ移行する日数が3日以内
  • 高温期が10日以上
  • 高温期の途中で急な体温低下がない
  • 生理周期は25日から38日以内

排卵している場合の基礎体温表

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生理周期が、51日以上の稀発月経の約30%、19日以内の頻発月経の約60%は、無排卵であるともいわれています。また、正常な生理周期・日数であっても、排卵がない場合もあります。毎月の生理周期や長さをチェックするだけでなく、基礎体温をつけて、排卵の有無を確かめましょう。
排卵障害があると思われる症状がある場合は、不妊の原因にもなるので、生理のトラブルや基礎体温が二相にならないことが、目安として2、3周期続いたら、 婦人科を受診しましょう。

排卵障害の検査や治療方法は?

生理不順や基礎体温の異常を、「よくあるもの」、「仕方ないこと」などと長期間見過ごしたり放置したりすると、深刻なホルモン異常を見過ごすことになりかねません。前述した通り、気になることがあれば早めに受診することが、排卵障害の発見と早期治療につながります。

排卵障害の主な検査

ホルモン検査
採血をして血液中に含まれる様々なホルモンの値を調べる検査。障害が起こっている部位を特定する。

卵巣の超音波検査
超音波機器を腟内に入れ、卵巣の状態を確認する検査。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断に役立つ。

子宮頚管粘膜検査
排卵日近くに分泌量が増加する「子宮頚管粘液」を調べる検査。受精に適した状態に変化しているかどうかを確認する。

排卵障害の原因別の治療方法

視床下部、下垂体の機能障害
排卵誘発剤の内服薬や注射薬を用いて「卵胞刺激ホルモン(FSH)」の分泌量を増やし卵胞の成熟を促す。

多嚢胞性卵巣症候群
排卵誘発剤の内服薬や注射薬などを用いて、卵胞の成熟を促す。肥満がある場合は、まず減量することをすすめる。自然排卵を促すために、レーザーメスなどで卵巣に小さな穴をたくさん開ける腹腔鏡手術をする場合もある。

高プロラクチン血症
視床下部や下垂体、甲状腺機能低下などが原因で起こるため、検査をして原因に応じた治療を行う。

甲状腺ホルモンの分泌低下
甲状腺ホルモンの補充を行う。

最後に

「排卵」は目に見えないため、無排卵であっても気づきにくいのが特徴です。基礎体温の計測を続けて、毎月きちんと排卵が起こっているかを確認しましょう。

生理や基礎体温などで気になることがあれば放置せず、すぐに医師に相談することが、早期発見・早期治療につながります。

この記事の監修

宋 美玄 (ソン ミヒョン)
丸の内の森レディースクリニック 院長 医学博士
日本周産期・新生児学会会員
日本性科学会員
2児の母であり子育てと産婦人科医を両立。テレビ・ラジオ・雑誌連載などメディアへの積極的露出で“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓発活動を行っている。

丸の内の森レディースクリニック
https://www.moricli.jp

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