女性のライフステージに合わせた情報をお届け

生理
公開日 :
更新日 :

PMS(月経前症候群)とは?生理前の症状と対策をチェック

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「生理が近いから、なんだかイライラしちゃって」「ワケもなく悲しくなるの」「お腹がドヨ~ンと重い感じ」「胸が張って痛いくらい!」……多くの女性にとって、こうした会話は“生理前あるある”ではないでしょうか。あまりに頻繁に見聞きするため、それが当たり前だと思っている女性も少なくなさそうです。

PMSはいつから始まってどのような症状なの?

生理が始まる3~14日前に身体と心に訪れる不調を「PMS(PreMenstrual Syndrome、月経前症候群)」と呼ぶことはだいぶ知られるようになってきました。症状や、その重さには個人差が大きいものの、多くの女性が生活に影響を及ぼすレベルの症状に悩んでいるといわれています。

以下に、よくいわれているPMSの主な症状をご紹介しましょう。

身体の不調

  • 乳房が張る、痛い
  • 下腹部や腰が痛い
  • 頭痛
  • のぼせる
  • むくみやすくなる
  • すぐ眠くなる、倦怠感がある
  • ニキビが出る
  • 食欲増進 など

心の不調

  • 気分が沈む
  • 特に理由もないのに悲しくなる
  • イライラする
  • 怒りっぽくなる など

「生理は病気じゃない」といわれます。痛かろうがつらかろうが、そんなに大げさにとらえることなく、多少の不調は我慢しなさいという意味でしょう。生理中ですらそういわれるのですから、PMSはなおさらです。

しかし、不調にフタをして、いつも通りに過ごそうと努力する必要はありません。学業や仕事に集中できず、かといって休むわけにもいかず……そうやって毎月のうち何日かを不調に耐えながら過ごすのは、実にもったいないことです。

生理中、生理前の体調は、10人の女性がいれば10通りあります。この時期の不調を総称して“月経随伴症状”といいます。まずは自分にどんな不調が出るのかを把握した上で、少しでも快適に過ごせるよう対策したほうが、よほど充実した日々を送れます。そもそも生理前、生理中につら過ぎて何もできないのが「普通」だと思っているのなら、その認識は改めたほうがいいでしょう。

関連記事:
生理周期の数え方って?長い・短いの基準と心と体の変化を解説します

PMDD(月経前不快気分障害)とはどのような症状?

最近ではPMSより精神面での不調が強く出る「PMDD(PreMenstrual Dysphoric Disorder、月経前不快気分障害)」も知られるようになってきました。

著しい抑うつ気分、絶望感、強い不安感やイライラ、極度の緊張……こうした心の状態をコントロールできず、自分でもまるで別人になってしまったように感じる人もいます。他人に当たり散らすなど攻撃的になるケースでは、自己嫌悪も重なって精神的な苦痛がさらに増すばかり。しかし、生理が始まるとその数日間がウソだったかのように落ち着くのです。

事情を知らない人から「ただのワガママ」「極度の気分屋」「面倒くさい人」と思われることもあり、家族や友人、恋人、職場の人たちなど人間関係に支障をきたすこともあります。PMDDもPMSと同様に社会に広く認知してもらい、それによって誤解を解いていくことが求められています。

PMSとPMDDの原因と対策を知ろう

ゆっくり休みをとって心穏やかに過ごせばつらい時期を乗りきれるという人もいます。が、PMS、PMDDの原因はプロゲステロン(黄体ホルモン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量と関係しているといわれています。つまり「気持ち次第でなんとかなる」ものではない場合が多いのです。

生理前・生理中に生活の質(QOL:Quority of Life)が低下するのは、何よりも自分のためになりません。近年はPMSに効果があるとされる市販薬も販売されていますが、それよりも一度、婦人科で相談してみましょう。PMS、PMDDともに治療の対象として認められています。

症状に合わせた対策を

病院では、ピルなどホルモン量を安定させるなど、ひとりひとりに合った治療を提案されるでしょう。抑うつ気分が強く出る人には抗うつ剤の一種の薬(SSRI)が処方され、腹痛や頭痛がつらい人には鎮痛剤、むくんでしまう人には利尿剤……といったように、それぞれの症状別に薬を処方されることもあります。漢方薬での治療も選択肢のひとつとして考えられています。

関連記事:
きちんと知ろう!低用量ピルの効果と副作用

基礎体温から症状がでる時期を把握しよう

PMSやPMDDへの対策としても、基礎体温を付ける習慣は大いに役立ちます。体温がアップダウンする時期と、自身の調子がいい時期・悪い時期を照らしあわせてみてみましょう。そうすることで毎月のリズムがつかめれば、生理が始まる数日前から仕事をスローペースにしたり、人と会う予定を減らしたりという具合に、可能な範囲で調整ができます。

また、病院を受診する際にも、基礎体温を記録しておくと診察がよりスムーズに進みます。ホルモンバランスが整っているか否かについての情報が基礎体温には詰まっているからです。

関連記事:
基礎体温の正しい測り方、グラフの見方・妊娠しやすい時期について

日本では我慢することこそ美徳とされる傾向がありますが、生理に関しては我慢をしてプラスになるようなことはほとんどありません。生理前も生理中も、本来はアクティブに過ごせる時期なのですよ。

カラダのキモチはこちら

この記事の監修

宋 美玄 (ソン ミヒョン)
丸の内の森レディースクリニック 院長 医学博士
日本周産期・新生児学会会員
日本性科学会員
2児の母であり子育てと産婦人科医を両立。テレビ・ラジオ・雑誌連載などメディアへの積極的露出で“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓発活動を行っている。

丸の内の森レディースクリニック
https://www.moricli.jp

※本記事の無断転載及び複製等の行為は禁止しております。
※本コラムに記載されている一切の情報は、その効能効果、安全性、適切性、有用性、完全性、特定目的適合性、最新性、正確性を有することを保証するものではありません。詳細については、「サイトご利用にあたって」第4項をご確認ください。