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宋美玄先生監修コラム
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マカ、ホットヨガ。妊活ビジネスに注意

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間違いだらけの妊活としてよく見聞きするのが「冷え」ですが、ほかにもトンデモな妊活は巷にあふれています。

たとえばサプリメント。
マカという南米原産の高山野菜が、女性の妊活にも男性の精力アップにも効くサプリメントで売られています。妊娠を考える女性向けメディアにかぎらず、いろんなところで商品の広告を見かけるので、身近に感じられ、手が伸びる人もいるかもしれませんが、このマカにかぎらず、何かひとつの食品や栄養素を集中的に摂取したからといって、妊娠しやすくなったり精子が活発になったりということはありません。

卵子の老化が気になる女性をターゲットとしたサプリもあるようですね。
外来で、女性が「ミトコンドリアを活性化させるサプリを飲んでいます」と話すので詳しく訊いたところ、卵子を若返らせることを目的としたものだと教えてくれました。お肌のエイジングケアするのと同じ意識で、「卵子もケアすれば若返る」と考えたのでしょう。
第12回でお話しましたが、残念ながら現時点で卵子の老化を食い止める方法はありません。理論上、技術上は可能という話もありますが、実用化されるまでには相当な時間がかかり、待っているうちにみなさんの生殖年齢は終わるでしょう。

効くと信じて飲むことが、おまじないのように心にプラスとなることはあるかもしれません。ただ、妊娠の可能性には何のプラスももたらさないので、ほんとうにそれが自分にとって必要なのかどうか、よく考えてください。特にサプリメントは食品なので、妊娠には関係がなくても体のほかの器官に影響を及ぼす可能性はあります。どうしても摂取したいのであれば、事前に医師に相談しましょう。

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漢方や鍼灸などについても、同じことがいえます。骨盤の歪みを正せば妊娠しやすくなるという説もありますが、これも根拠はゼロです。第一、誰もが多かれ少なかれ骨盤に歪みを持っています。また、ヨガ教室で妊活への効果を謳っているところもあり、気になっています。ヨガは健康維持のためにも気分転換のためにも一定の効果があると思われますが、妊娠とはまったく関係ありません。

特に室温を高くして行うホットヨガ。そのインストラクターをしている方から、週に何コマもこなすインストラクターほど、体調を壊したり生理が不順になったりして、仕事量を減らしているという話を聞いたことがあります。高温で、湿度の高い部屋で指導しながら運動するのですから、体、特に心臓や肺に過剰な負担がかかっていることは十分に予想されます。あまり頻繁に行うと体がまいってしまうでしょう。
そこまでハードなスポーツが、妊娠につながるとは思えませんよね。

こうして女性誌などのメディアで発信されている妊活について、あれは効かない、これは妊娠とは関係ないとズバズバ斬っていくと、「じゃあ、一体なにをすればいいの!?」と混乱されるのではないでしょうか。妊活中は「妊娠のために、何かをしている」という実感を得たいものですよね。そうした行為のひとつひとつが、まだ見ぬ赤ちゃんをぐいぐい引き寄せているイメージでしょうか。

けれど、妊活とはみなさんが思い描いている以上に地味なものです。目先の効果を追いかけるものではありません。近道はないけれど、遠回りになる道はたくさんあります。そこに迷いこまないよう注意してください。どうせ引き寄せるなら、妊娠した後のイメトレをしましょう。特に、「つわりがツラくて働けなくなったとき、どうするか」「出生前診断をどう考えるか」などは、妊娠してから考えるのでは遅いです。それについても、今後、お話していきますね。

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この記事の監修

宋 美玄 (ソン ミヒョン)
丸の内の森レディースクリニック 院長 医学博士
日本周産期・新生児学会会員
日本性科学会員
2児の母であり子育てと産婦人科医を両立。テレビ・ラジオ・雑誌連載などメディアへの積極的露出で“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓発活動を行っている。

丸の内の森レディースクリニック
https://www.moricli.jp

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