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「1日1万歩」は必要ない?8・2の法則で健康的なウォーキング!

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「健康のために1日1万歩歩こう」という話をよく聞きます。
これは、以前に「1日1万歩歩こう」というスローガンが世界中に広まったことがきっかけで、最近では「健康・ダイエットのためのウォーキング目安として1万歩は適切ではない」と見直されはじめています。

そもそも、毎日、1万歩歩くのは、意外と難しいですし、それで運動効果が感じられなかったら、続かないですよね。
歩数にこだわり、長距離を歩きすぎることで免疫が下がる場合もあるといわれています。

今回は、ウォーキングの歩数や距離について、「やってはいけないウォーキング(SB新書)」著者のウォーキングの専門家である青栁幸利先生にお話しを伺いました。

そもそも1万歩は距離と時間にするとどのくらい?

1万歩を距離にすると、身長165cmの人がゆっくり歩いた場合約7.5km、早歩きでは約8kmくらいだといわれています。
時間にすると、普通の速度で歩いた場合の目安は1時間半くらいだといわれています。
【参考:歩数と距離の計算式】
距離=「歩幅」×「歩数:1万歩」
ゆっくり歩いた場合 「歩幅」=「身長」×0.37
普通に歩いた場合 「歩幅」=「身長」×0.45
早歩きの場合 「歩幅」=「身長」×0.50

歩数・距離よりもカギとなるのは「早歩き」

ウォーキングの歩数と健康の関係を調査した「中之条研究」の発表では、この1日1万歩は意味がなく、ウォーキング時の「歩数」と「速歩き時間」のベストな組み合わせを維持することが大きなポイントだと発表をしています。

※「中之条研究」とは群馬県中之条町に住む65歳以上の住民5,000人を対象に、青栁幸利先生が15年以上にわたり身体活動と病気の関係を調査した研究。

健康のためなら8,000歩でも効果は同じ!重要なのは20分の早歩きタイム

健康維持には1日8,000歩・速歩き20分

メタボ解消には1日1万歩・速歩き30分

ウォーキングの歩数と健康の関係を調査した「中之条研究」では、「1日1万歩・速歩き30分」している人と「1日8,000歩・速歩き20分」している人の健康状態を比較しました。
その結果、メタボ解消以外の場合の効果は1万歩も8,000歩も変わらないということがわかりました。

すでにメタボになってしまっている人にとっては、「1日1万歩・速歩き30分」の方が効果的だったものの、メタボでない人の健康維持には、8,000歩ほどで十分なのです。

また、歩き過ぎてオーバーワークになると、逆に免疫力が下がり、体調を崩しやすくなったり膝や腰を痛めたりする確率も高くなります。

「歩数だけ」、「早歩き時間だけ」の達成じゃダメ?

では、「1日8,000歩」だけ、「速歩き20分」だけでは効果が薄れてしまうのでしょうか。

健康に重要なのは、運動の「量」と「質」です。

「量」が歩数で、「質」は運動強度となります。運動強度とは、歩くときにどれくらいの強さで地面を踏んだかという刺激の度合いを指します。
同じ距離や歩数で歩いたとしても、ゆっくり歩くか速歩きなのかで「強度=刺激」が変わります。そして、もちろん速歩きの方が刺激は高くなります。

つまり、歩数と速歩きのバランスを取ることがとても大切だということなのです。

ただし、まとめて歩かなくてもOK

ウォーキングの時間を確保して、その時間内で8,000歩と考えると、それでも少し大変に感じられますが、実は24時間の生活の中の歩数の合計が8,000歩で十分なのです。
日本人の1日の平均歩数は男性が約7,000歩、女性が約6,000歩といわれているので、今より1,000~2,000歩多く歩けばいいということです。

1,000歩だと普通の速度で15~20分くらい。
これくらいならば、なんだかプラスできそうな気がしませんか?

まずは自分の歩数を知ること

通勤以外はほとんど歩かない…平日はほとんど歩かない…
人によって生活習慣は様々です。
また、身長や歩幅によって、8,000歩の距離は異なります。

最適なウォーキングを続けるためには、まず何より、自分の歩数や歩く速さを知ることが大事です。

スマートフォンの歩数計アプリや、ウェアラブル端末などで、簡単に測定できるので、まずは自分の歩数を知るところから始めましょう。

ドコモ・ヘルスケア社の調べでは、自分の想像している歩数より、実際の歩数は2,000歩ほど多いという結果が出ました。

1日の歩数を正しく測ってみたら、意外と歩いているかもしれません。
そこから、8,000歩まであとどのくらい歩いたらいいかを計算することで、効率のよいウォーキングができます。

続けるために欠かせない「達成感」

ウォーキングで目標にすべきなのは、単に距離や歩数を多くすることではありません。

健康のために一番大切なのは「続けること」なのです。
しかしこれが一番難しいことだったりしますよね。

毎日ただ何となく続けるのではなく、小さな目標を設定し、少しずつ達成していくことが重要です。

平日に通勤の時だけは早歩きを心がけてみる。
目標を達成した日にはカレンダーにシールを貼ってみる。
目標達成するとご褒美がもらえる歩数計アプリなんかもおススメです。

小さな達成感を得ることが日々の積み重ねにつながります。

毎日達成できなくても大丈夫!平均でOK!

1万歩ではなく1日トータルで8,000歩でいい。
1,000~2,000歩の速歩きを生活にプラスすればいい。
とはいっても、忙しくて歩く時間が取れなかったり、体調やお天気によって難しくなったりという日もありますよね。

毎日できないと、ウォーキングを習慣にすることを諦めてしまう人もいるかもしれません。しかし、もし毎日達成できなくても、「8,000歩・速歩き20分」という平均値を保てるように調整すれば大丈夫です。

例えば、平日なかなか歩けない場合は、週末のお休みを利用して1週間の平均で調整するといいでしょう。お天気の悪い日が続くなら、1カ月の中で調整すればいいのです。

また、夏の暑い時や冬の寒い時に歩く量が少なくなってしまっても、気持ちよく歩ける春や秋に歩数を増やし、1年間の平均で「1日8,000歩・速歩き20分」を達成するというやり方でもOKです。

まずは週単位から始め、慣れたら月単位、習慣ができたら1年単位で調整期間を延ばしていきましょう。

まずは1日からでも!今回ご紹介した「1日8,000歩・速歩き20分」をぜひご自身で試してみてはいかがでしょうか。
 


 

この記事の監修

青柳 幸利
医学博士(筑波大学卒業、トロント大学大学院医学系研究科博士課程修了)
東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チーム 副部長
1962年 群馬県中之条町生まれ 群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民5,000人を対象に、十数年にもわたり、身体活動と病気の予防の関係についての調査(中之条研究)を実施。 高齢者の運動処方ガイドラインの作成に関する研究に従事し、様々な国家的、国際的プロジェクトに主要メンバーとして携わる。
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