あなたの生活をちょっと健康に。

睡眠
公開日 :
更新日 :

春に眠いのはなぜ?原因と対策【医師監修】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1年のなかで「最も眠くなりやすい時期」といわれている春。「寝て寝ても眠たい」「昼間に睡魔が襲ってくる」といった経験は、誰にでも1度はあるのではないでしょうか。
春に眠くなりやすい原因や対策をしっかりと知り、日中の活動力向上につなげましょう。

春は眠い!なぜ?

春は寒さから解放され、心身の緊張が緩んで心地よい眠りに誘われやすい季節です。
春の眠気は、季節特有のさまざまな条件が重なって引き起こされていると言えます。その原因を以下にご紹介します。

自律神経の乱れ

人の身体のなかには、内臓の働きや代謝、体温などの機能を調節する「自律神経」があります。
この自律神経は「交感神経」「副交感神経」の2種類があり、1日のなかでそれぞれが切り替わりながら機能しています。この2種類の自律神経がどのように作用するかによって、身体や心の調子は変化します。

    • 交感神経:昼間に活動的に心身を活動的に導く自律神経。
    • 副交感神経:夜や安静時やリラックス状態に導く自律神経。

日の入り・日の出の時間の変化や、睡眠に影響を与える体温の変化などさまざまな要因で、季節によって睡眠のリズムは1年の中でも変化します。気温の低い冬は「交感神経」優位になりやすい状況です。しかし春になって暖かくなると今度は「副交感神経」がだんだん優位になってくるため、眠気を感じやすくなります。

春先は低気圧と高気圧の入れ替わりが激しく、自律神経の調整が難しくなるため、交感神経と副交感神経のバランスが乱れがちになります。そうすると、日中の活動しなければいけないときに「眠くなる」といった状況も起こりやすくなります。

また、春は進学や引っ越しといった環境の変化が多い時期です。慣れない環境下ではなにかとストレスが溜まってしまいやすく、そのような精神的ストレスが自律神経の乱れにつながることもあります。

メラトニンの分泌時間

睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」は、夜になると自然な眠気を誘発させるホルモンです。

この「メラトニン」は、春になると、だんだんと早い時間帯に分泌されるようになります。そうすると、目覚めるべき時間も早まっていきます。実は、人間の睡眠時間は、冬が一番長く、春になると段々短くなっていくのです。

しかし、春になっても冬の睡眠リズムのままでいると、朝の目覚めがなんとなくすっきりせず、昼間の眠気にもつながる場合があります。

春の暖かさ

冬場は厳しい寒さゆえ、「なかなか寝付けない」なんて日も少なくありません。
しかし、春になると徐々に気温も上がるため、つい気持ちよくて二度寝してしまったりするものです。

花粉症などの影響

春は花粉症の薬を服用しているという人も多く、薬の副作用によって眠気が誘発されてしまう場合もあります。
特に、くしゃみや鼻水の抑制に使用される抗ヒスタミン剤の中には、眠気を引き起こすものもあることが知られています。

眠いだけじゃない…身体への影響

春はさまざまな影響によって「眠くなりやすい季節」といえますが、その他にも春特有の影響があることをご存じでしょうか。
ここでは「春に患ってしまいやすい症状」についてまとめてみました。

冷え

春春は気象の変化が激しく、寒暖差も大きくなります。
暦的には春であるのに対して、実際の気温は冬並みに寒いという日も少なくありません。

春は冬が終わった反動からか、薄着になりやすいという傾向がありますが、それこそが身体を冷やしてしまう原因ともいえるでしょう。
身体が冷えてしまうと様々な不調にもつながります。春こそ、身体を温める意識が大切です。

「春うつ」症状

春先は、「だるい」「イライラする」などの症状が気になるという人も少なくありません。

春は寒暖差や環境の変化など、身体的、精神的ストレスが多くなります。そうすると、自律神経が乱れ、体調不良だけではなくメンタルにも影響も与える可能性があります。

春の眠気対策

春の眠気の原因が温度の上昇や気圧の変化にある以上、自分自身で眠気をコントロールすることが難しい場合もありますが、自律神経を整えたり、睡眠の質を向上させたり、様々な工夫をすることはできます。
ここでは、春の眠気対策として効果的な方法をご紹介します。

適度な運動でストレス発散

ストレスが蓄積してしまうことで自律神経のバランスが崩れるので、適度な運動を取り入れてストレス発散を心がけましょう。

      • ランニング
      • ウォーキング
      • エアロバイク
      • 踏み台昇降

上記のようなリズム運動を一定時間続けることで、ストレス緩和に役立ちます。

規則正しい食生活

朝日を浴び、朝食をしっかりと摂ることは、身体のリズムを整えるために、とても重要です。

また、朝食だけではなく、3食規則正しく食事を摂ることが、身体のリズムを整え、朝の寝起きのだるさ解消につながります。

コーヒー(カフェイン)の効果的な摂取方法

眠気覚ましとして知られているカフェインですが、摂取の仕方を間違えると効果がないだけではなく、健康に危害を与えることにもつながります。カフェインを摂取する場合には、必ず適切な摂取量を守ることが重要です。

安全なカフェインの摂取量は、1日に400mg以下とされています。(ただし、妊娠中の女性は除く)

参考までに、一般的な飲み物に含まれるカフェインの含有量は以下の通りです。

      • コーヒー1杯200mL:80mg
      • 紅茶1杯200mL:44mg
      • 緑茶1杯200mL:30mg

つまり、1日の推奨摂取量の上限は、コーヒーの場合5杯、紅茶の場合9杯、緑茶の場合13杯となります。

また、カフェインを摂取するタイミングも大切です。カフェインの覚醒効果が表れるまでには、摂取してから15分~1時間ほどかかると言われています。眠ってはいけない場面の少し前に、カフェインを摂ることが効果的であるといえるでしょう。

眠気の効果的なツボ

中衝(ちゅうしょう)

場所:中指の爪の生え際の中心から、人差し指側へ約2㎜のところ
押し方:反対の手の人差し親指でつまみ、強めに指圧する
リラックス効果も期待できるため、イライラ解消にもなるとされています。

労宮(ろうきゅう)

場所:手を握ったときに中指の先端があたるところ
押し方:手首から指先の方へ向かって、親指で強めに指圧する
労宮には自律神経の働きを整える効果があるため、疲労回復も促してくれます。

晴明(せいめい)

場所:目頭から鼻側へ、やや斜め上の位置の小さなくぼみ
押し方:気持ちいいと感じる強さでやさしく指圧する
目の周りの血流を改善し、目の疲れにも効果があります。

「春眠暁を覚えず」といわれるように、春はしっかりと寝たはずなのに日中も眠くなりやすい季節です。
今回ご紹介した自律神経を整える方法を始め、自分に合った眠気対策を取り入れていきましょう。
 

ムーヴバンド3

 

この記事の監修

工藤 孝文
日本内科学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指医
福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学、帰国後、大学病院で糖尿病、肥満症などの生活習慣病を専門に修業、現在は、自身のクリニック工藤内科で診療を行う。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模でダイエット治療・漢方治療を行っている。

テレビ番組の出演・医療監修、書籍、雑誌やヘルスケア情報サイトの監修など、メディア活動多数。

※本記事の無断転載及び複製等の行為は禁止しております。
※本コラムに記載されている一切の情報は、その効能効果、安全性、適切性、有用性、完全性、特定目的適合性、最新性、正確性を有することを保証するものではありません。詳細については、「サイトご利用にあたって」第4項をご確認ください。