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【管理栄養士監修】健康診断前日の飲酒や喫煙、食事・運動が結果に与える影響を知ろう

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健康診断前日は食事の時間厳守や、飲酒・喫煙などのルールがあるのはご存知でしょうか?「忘れてうっかりお酒を飲んでしまった!」そんな方もいらっしゃると思います。禁止事項だけでなく、前日の食べ物や飲み物、激しい運動がどのような影響を与えるか、選ぶべき食事や過ごし方を管理栄養士が解説します。

健康診断前日に禁止されていること

健康診断の前日に禁止とされているのは、飲酒です。尿検査や血液検査に影響が出る可能性があるため、前々日からお酒の暴飲は避けた方が良いでしょう。

また、午前の検診の場合は約12時間前、午後の検診の場合は6時間前までに食事を済ませることが基本となります。カフェインを含む飲み物、清涼飲料水などの甘い飲み物、喫煙、薬なども食事と同様の扱いとなります。服薬されている方は飲んで良い薬か、医師に確認するようにしてください。水は制限がありませんので、こまめに摂るようにしましょう。

飲酒と血液検査・尿検査の関係

それでは、何故飲酒が前日に禁止されているのかを、詳しく説明していきます。
以下は飲酒によって影響がある項目一覧です。

【影響が出る可能性のある項目】

  • 尿タンパク(尿検査)
  • 尿糖(尿検査)
  • 尿pH(尿検査)
  • 尿酸値(血液検査)
  • 血糖値(血液検査)
  • 中性脂肪(血液検査)

尿検査に関しては、アルコールが直接影響するというよりも、「アルコールを摂りすぎることによって脱水になり、尿が濃縮し尿タンパクが陽性になる」、「糖分を多く含むアルコール飲料を飲みすぎることで尿糖が出やすくなる」、などの結果が出てしまう可能性があります。
血液検査でのγ-GTPと尿酸値は、前日の飲酒よりも普段から頻繁にアルコールを摂取している方が高値になる指標です。血糖値と中性脂肪に関しては、アルコールとともに摂取される糖分の影響が強く出ます。

うっかり飲んでしまったときの対処法

血液中のアルコールが分解されるには約数時間から半日かかるといわれています。少量であれば影響が出ないことの方が多いのですが、血中のアルコールの分解速度は人によって異なります。健康診断の前にアルコールが分解されていれば問題ありませんが、それには個人差があるためできれば飲まないことが好ましいといえるでしょう。
うっかり飲んでしまった場合は、気づいた時点ですぐにやめて、水分を摂るようにしましょう。糖質の多いジュースなどのソフトドリンクやカフェインの多く入ったお茶も検査に影響を与えるので、できるだけ水かノンカフェインのお茶を摂取すると良いでしょう。
前日に飲み会がある場合は、健康診断の日をずらすことをオススメしますが、どうしても難しい場合はアルコールは乾杯の1杯にとどめておき、検査時間の12時間前(朝9時からの検査なら、21時まで)には飲み終わるようにしてください。

食事時間と健康診断の関係


午前の検診の場合は約12時間前、午後の場合は6時間前までに食事を済ませるようにしましょう。これは、胃や血液の「空腹時の状態」を検査するため、確実に消化できる時間を考慮して設定している病院やクリニックが多いのです。ただし、検査内容によっては、5時間前までに食事を済ませれば良いという場合もありますので、事前に渡される案内書をしっかりと確認し検査前は暴食を避け、軽めの食事を心がけましょう。

うっかり指定時間以降に食べてしまったら?

万が一検査前日の指定時間以降に食べてしまったら、検査が正確に行えない場合がありますので、日にちまたは時間を遅らせるなどして空腹でのぞむのが理想です。特に胃カメラ・腹部レントゲン(バリウム)などの検査をする場合は食事時間を必ず守ってください。血液検査の場合は、血糖値に影響が出るため、最低でも3時間前までには済ませておくべきでしょう。

風邪薬などの市販薬・処方薬、サプリメントなどは制限時間内ならOK

風邪薬などの市販薬やサプリメントは、食事と同様で指定時間以内でしたら摂っても問題ありません。10時間も経過すれば、サプリメントに含まれる成分も消化吸収されるので、検査に影響することはほとんどありません。ただ、大量のビタミン剤(ビタミンCなど)は尿検査に影響が出ますので、毎日服用している場合は、2〜3日前から中止、また医師に量を相談してから検査を受ける方が良いでしょう。

禁止ではないけど…正確な結果を出すための食事と運動・生活法

検査項目の中には、前日の食事が数値に影響してしまうものがあります。普段はあまり食べていないのに、たまたま今日はこのメニューだった、という食べ物が血液検査に影響を及ぼすことも…。前日に注意しておくべき点を確認しておきましょう。

焼肉・ラーメン・ピザなど脂っこい食事


焼肉・ラーメン・ピザなどの脂っこい食事は、中性脂肪が高く出る可能性があり、脂質異常と診断されてしまうかもしれません。特に、脂質と糖質を一緒に摂ることで、脂肪分の消化がさらにしづらくなることから、脂っこいラーメンやピザはやめておいた方が無難です。焼肉を食べるときは、レモンをたっぷりかけて消化を促し、シメの炭水化物は摂らないようにしましょう。

【影響が出る可能性のある項目】

  • 中性脂肪(血液検査)

ケーキなど甘いもの


前日の夜にケーキバイキングに行く、甘い飲み物を多く摂るなど、大量に甘いものを摂取することが血液検査や尿検査に影響を与えることがあります。中でも血糖値は「空腹時血糖」といって、食後10時間以上、水以外何も摂取しない状態で測る必要があります。

検査前日は、時間内にフルーツを食べる程度にとどめておくことをオススメします。

【影響が出る可能性のある項目】

  • 血糖値(血液検査)
  • 中性脂肪(血液検査)
  • 尿糖(尿検査)

喫煙

タバコを吸うことにより検査結果に影響が出る可能性があります。胃の検査をする場合は、タバコの煙で正しく描写されない場合があります。また、喫煙には血管を収縮させる作用があるため、血圧に影響が出ることもあります。
前日や当日の喫煙によって、血液検査に大きな影響はありませんが、長期にわたる喫煙では血液中のコレステロール値など影響を受けるものもあります。
食事同様、できる限りタバコも検査前日から吸わないようにしましょう。

【影響が出る可能性のある項目】

  • 血圧(血液検査)
  • コレステロール(血液検査)

激しい運動

激しい運動によって検査値に影響が出て、健康であるはずなのに病気の疑いありと結果が出てしまうことも。運動による筋肉の疲労がある場合には、血液検査でCK(CPK)や肝機能の指標であるAST(GOT)・ALT(GPT)が高値になることがあります。肝機能に問題がなくても、運動による筋肉の炎症で、肝機能障害と診断されてしまうこともありますので、前日の激しい運動は避けましょう。
激しい運動で、全身の筋肉が血液を必要とすると、腎臓に血液がいかなくなります。それに加え汗をたくさんかくので、体内の水分量が減少してしまい脱水状態になります。これにより、尿タンパクが陽性になる場合があります。運動による腎機能の低下は一時的なものなので、すぐに回復はしますが、検査結果に影響が出てしまう可能性があるので注意が必要です。

【影響が出る可能性のある項目】

  • CK(CPK)(血液検査)
  • AST(GOT)(血液検査)
  • ALT(GPT)(血液検査)
  • 尿タンパク(尿検査)

過度な長風呂

過度な長風呂をすると、身体が温まることで全身の血管が拡張し、腎臓に血液がいかなくなります。また、お風呂で脱水状態になり、検査に影響を及ぼすこともあります。

【影響が出る可能性のある項目】

  • 尿タンパク(尿検査)

不安がある方のための、健康診断前日の過ごし方

普段通りが一番なので、特別な食事や生活をする必要はありませんが、不安がある方は、検査前日には予定はできるだけ入れずに、ゆっくりと過ごすことをオススメします。
食事は、睡眠の3時間前には終えるようにして、定食スタイルの和食などで、腹八分目を心がけると良いでしょう。運動は、普段毎日やっている方も激しい筋肉トレーニングなどは控え、軽いジョギング程度にしておきましょう。
睡眠は十分にとることをオススメします。睡眠時間が不足してしまうと、心身の健康が損なわれるため、日頃から睡眠時間をしっかりととることが大切です。睡眠不足のまま健康診断に臨むと、血圧が高く出ることがあります。睡眠不足の状態では、身体にムチをうつために交感神経の働きが活発になります。このため血圧が上昇しやすくなり、脈も速くなります。

このように前日だけの行動で検査に影響が出ることが多くあります。普段と大きく変える必要はありませんが、正しい診断結果を出すために、案内書によく目を通し、前日の過ごし方に気をつけていきましょう。
 

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園部 裕美
管理栄養士、スポーツ栄養士、予防医学士
病院栄養士、飲食店、トップアスリートの実業団チームの専属栄養士と、様々な人と食・栄養に関わる仕事で経験を積む。現在では、すべての人に共通する「予防栄養」を実践しやすく伝えるため、オーダーメイドの栄養コンサルティング、セミナー、トップアスリートの栄養サポート等、活動している。また、日本の発酵食品の素晴らしさを身近に取り入れてもらうために始めた、「発酵らいふの会」を主催。
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