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【医師監修】朝食抜きってどうなの?食べないことで起こる体の変化

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朝食抜きダイエットを実践している人も多いと思います。
しかし痩せるどころか効果がなかなか表れず、便秘や貧血など、健康面で影響、弊害が出たことはありませんか?

朝食抜きで起こる体内の変化やそのメリット・デメリット、正しいやり方などを見ていきます。
Coffee cup on a day window background

朝食を抜くといっても人によって理由はさまざま

全国の20歳以上の男女604人に実施した朝食に関するアンケートでは、全体の10.1%の割合で毎日朝食を「食べない」と回答しています。

朝食を抜く理由は以下のようにさまざまです。

  • ギリギリまで寝ているから  40.4%
  • 時間がないから        27.3%
  • 朝は気分が悪いから     25.5%
  • お腹が空いていないから  18.2%
  • 1日2食で十分健康だから 14.5%

参考:http://www.asahigroup-holdings.com/company/research/hapiken/maian/201603/00585/

皆さんの中にも、上記のような理由で朝食を食べないという人は多いのではないでしょうか。

とくに、20代から30代の若い男女においては、他の年代に比べて朝食を食べない割合が多いことが厚生労働省の「平成29年国民健康・栄養調査報告」で発表されています。

◆朝食欠食率の年次推移(一部抜粋)
(%)年次推移
30代に入ると減るものの、20代では3~5人に1人は、朝食を抜いていることが分かります。

これは冒頭のアンケート結果で示した理由によるものの他、若い年代では「痩せたい」という気持ちが少なからずあるのかもしれません。

ダイエットにはさまざまな方法がありますが、それらの多くは特別な器具やサプリを必要としたり、普段の生活スタイルを調整して時間を取ったりする必要があります。

しかし、朝食抜きダイエットなら何も必要とせず、しかも時間がない人に取り組みやすいことから、人気のダイエットのひとつですが、身体には悪い影響も起きているのです。

朝食を抜くと体内でどんな変化が?

Healthy eating concept, weight loss
手軽に実践できる朝食抜きダイエット。
しかし、自分の体にどんな変化・影響があるかを知っている人は案外少ないのでは?

ここでは朝の食事を抜くことで起こることを紹介したいと思います。
朝食抜きにはリスクも多いので、しっかり確認してくださいね。

空腹が長く続くとインスリンが大量分泌、かえって太りやすくなる

朝食を抜いて空腹時間が長く続くと、ついついドカ食いをしてしまいます。
それは次の食事までの時間が長くなればなるほど、血糖値が低い状態が続くので、脳が強い飢餓感を感じて、食欲のコントロールができなくなるためです。

この状態でたくさん食べてしまうと、下がっていた血糖値は一気に上昇してしまい、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されてしまいます。
インスリンは脂肪を合成させる働きもあるため、朝食を抜くとかえって太りやすくなってしまうのです。

実際、1日3食摂る人と朝食を抜いて昼と夕の2食しか摂らない人では、後者の方が、昼食を食べた後の血糖値が上がりやすくなるという研究結果もあります。

体温が低下しエネルギーを燃焼しにくくなる

体温は食事を摂ることで保たれるので、食事を抜くことで体温が低めになります。
たとえば人間の身体は、体温が1℃低下するだけで基礎代謝が約13%も下がるといわれています。

つまり食事を抜くと、身体は省エネモードになり、脂肪が燃えにくい身体になります。

とくに起きてから時間が経っていない朝は体温が低くなりがち。
それにもかかわらず朝食を抜いてしまうと、体温を十分に上げることができなくなるため、エネルギーが消費されずに、身体に脂肪がためこみやすくなってしまうのです。

エネルギーをとらないと筋肉量が減る

three different sized portions of food on plate

朝食を抜いて空腹時間が長くなると、脳に糖分を送ることができないため、肝臓で蓄えられたグリコーゲンが使われます。

そして、この肝臓のグリコーゲンが尽きると、次に筋肉をエネルギーに使うよう指示するようになり、筋肉量の減少が起こります。

筋肉は身体の中でエネルギーとして脂肪を使用する、ダイエットには必要不可欠な部位。
筋肉量が減ってしまうと基礎代謝が低下するため、今までと同じ食生活をしていても太ってしまうようになります。

そこで太ったからとまた朝食を抜くと、さらに筋肉量が減ることから悪循環に。

実際、筋肉がエネルギーに使われるのはかなりの飢餓状態になってからですが、日頃のダイエットなどで栄養が不足していると、朝食を抜くだけでも筋肉に影響を及ぼしてしまうので注意です。

病気のリスクが上がる

朝食を抜くことはいくつかの病気のリスクを上げてしまうとある研究で証明されています。
そのひとつが脳出血。

強い空腹はストレスを感じさせ、そのストレスによって交感神経が刺激され、心拍数や循環する血液量が一気に増えて血圧が上がります。
血圧が上がると、血管に負担がかかりやすくなり、脳出血のリスクを上げてしまうのです。

また、先に述べたように、朝食抜きはインスリンの大量分泌を起こしやすく、すい臓に負担がかかり糖尿病を招く原因にもなります。

脳出血リスクや糖尿病まで重症にはならなくても、朝食を抜く生活が続くと、貧血や便秘などを起こしやすくなります。

食べ過ぎた翌朝はエネルギーが残っている

前日の夜に食べ過ぎた場合は、朝になってもまだエネルギーが残っています。
そのため、「食欲がない」「食べたら気持ち悪くなりそう」と感じて朝食を抜く人も多いでしょう。

しかし、やはり食べない時間が長くなり過ぎるのはおすすめできません。
食欲のない朝も、フルーツなど軽めのものでも良いので、何か食べるようにはしましょう。

そして、痩せることを目標にしているのなら、そもそも夜にたくさん食べ過ぎるのはNG。
朝食を抜くことを考えるよりも、まずは夕食などふだんの食生活を見直すようにしましょう。

大切なのは三食バランスよく食べ、適度に運動をすること

ダイエットのためと思って朝食を抜いても、かえって太ったり、病気のリスクを上げたりと、デメリットが多くなります。
やはり大切なのは、3食バランス良く食べ、適度に運動をすることです。

朝食には、血糖値が保たれやすく、腹持ちの良いご飯がベストですが、忙しい時や食欲のない時には軽めのパンやヨーグルトだけでもOK。
特にヨーグルトには腸内環境を整える効果があるので、できれば毎日摂るようにしましょう。

さらに、ダイエットのために運動を取り入れるのなら、起床後や通勤時などに簡単に始められるウォーキングがおすすめです。
毎日の食事は3食にして適度な運動を取り入れることで、健康的で太りにくい理想の身体を手に入れることができるでしょう。

朝食抜きは簡単にカロリーオフができるダイエットとして取り入れる人が多いですが、実はダイエット効果がないだけでなく、健康にも弊害が出ることがわかっていただけたのではないでしょうか。

健康的に美しく痩せたいと思うのなら、朝食を抜くのではなく、規則的な生活に変え、バランスの良い食事を3食摂り、適度に運動することが大切です。できることから少しずつ実践してみましょう。
 

からだの時計

この記事の監修

工藤 孝文
日本内科学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指医
福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学、帰国後、大学病院で糖尿病、肥満症などの生活習慣病を専門に修業、現在は、自身のクリニック工藤内科で診療を行う。2017年よりスマホ診療を導入し全国規模でダイエット治療・漢方治療を行っている。

テレビ番組の出演・医療監修、書籍、雑誌やヘルスケア情報サイトの監修など、メディア活動多数。

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