健康経営の導入事例丸井健康保険組合 様

オンライン禁煙の手軽さときめ細かい医師のアドバイスの融合により
丸井グループの禁煙成功率アップ!

導入サービス

  • オンライン禁煙サービス

取材日:2020年9月

取材日:2020年9月

担当者の写真

丸井健康保険組合で取り組んだオンライン禁煙サービスで
禁煙成功率&継続率アップ

丸井グループが目指す「ウェルネス経営」の基盤であるヘルスケアを支え、先進的な健康推進の取り組みが注目される丸井健康保険組合。
数年前からオンライン禁煙プログラムを実施する中、今年からは医師のアドバイスがオンラインでもしっかり受けられる点に着目し、NTTドコモが提供するオンライン禁煙サービスを導入。
成功率93%と高い実績を上げ、参加者からもその周囲からも喜びの声が上がっています。

社員の健康と幸せを願って健康保険組合を設立した創業者の精神を引き継ぎ、健保加入者の健康サポートを推進してきた丸井健康保険組合。
禁煙についても15年程前から禁煙チャレンジのキャンペーンや助成制度などを構築してきました。
さらに、2016年厚生労働省研究班による受動喫煙リスク実態の発表を受け、たばこの有害性を喫煙者だけでなく、非喫煙者にも告知する必要性を感じたことから、取り組みを強化しています。

その中で、新たに強化推進の実効性ある施策として取り入れた「オンライン禁煙サービス」について、禁煙支援士・健康マスターでもある矢倉摂さん(保健事業担当課長)と小倉剛志さん(保健事業担当チーフリーダー)にお話しを伺いました。

先進的な健康推進の背景にある 受け継がれてきた「健康を大切にする文化」

一般的に「健康」というと病気予防のイメージが強く、「健康は個人の問題」と捉えがちですが、丸井グループでは、「病気の人」「リスクが高い人」だけでなく、すべての人が今よりもっと活力高く、しあわせになることと位置付け、インクルーシブな健康経営である「ウェルネス経営」を目指しています。

このウェルネス経営の基盤となるヘルスケアを担うのが丸井健康保険組合です。

「今の私たちの活動のベースには、創業者が提唱した“働く人の体と心の健康を第一”にという理念が根付いているんです。その風土があるからこそ、自前の健保会館を有する健康保険組合を作り、健康管理は健康保険組合が担うという仕組みがありました。他の事例を見ても、単一の健保が医療施設を保有しているのは珍しいかもしれません」(矢倉さん)

矢倉さん

その理念通り、社員のかかりつけ医として自前の健保会館、医療施設、医療スタッフを抱え、丸井グループ従業員の健康診断の実施から健康管理までを一手に受託。会社と健康保険組合が一体になった体制は、丸井グループの目指す「ウェルネス経営」において最大の武器になっています。

この仕組みにより、人間ドック対象者の受診率は約7割。毎年自前の医療スタッフが健診を担当することで、社員と健保がお互い顔の見える関係になり、正にかかりつけ医のように個別に健康指導や経過観察が丁寧にできることも心強いところです。

さらに、健康保険組合の有志が参画する「保険者機能を推進する会」にも所属し、課題ごとに分かれた研究会(たばこ対策研究会、女性の健康研究会、シニアの健康研究会など)にも積極的に参加。他組合と双方で事例の研究と対策を強化し、働く人の健康サポートに余念がありません。

また、全社員の内、女性の占める比率は半分以上。平均年齢が40歳を超え、女性の健康対策にも力を入れてきました。
その取り組みの一つとして、女性がイキイキと生涯働き続けられるよう、2014年からは各事業所で女性のウェルネスリーダーを1名、合わせて約50名を選出し、様々な女性特有の課題に取り組んでいます。
「女性特有の病気やがん検診の重要性などの課題は、健保や会社からの指示ではなく、職場の仲間から仲間に伝えていった方がリアルにスムーズに伝わると考えました。さらに現場の課題を吸い上げてもらい、リーダー会議で共に考え、対策を構築しています」(矢倉さん)

受動喫煙のリスク発表に伴い たばこ有害性の周知活動を強化

小倉さん

こうした先進的な取り組みが進む中で、丸井健康保険組合で近年積極的に実行しているのが禁煙プログラムです。2005年には「禁煙マラソン」という禁煙チャレンジキャンペーンの実施と共に、事業所の禁煙に対する環境整備も行われると、4年間で400名以上が参加し6割が目標を達成。さらに禁煙外来通院や禁煙補助薬に一定額を補助する制度の拡充も行ってきました。

しかし、小倉さんが着任した2016年頃には、その制度がほとんど利用されなくなっていたと言います。
「それはたばこの有害性が加入者に理解されていないというよりも、健保として担当者としてきちんとお伝えできていなかっただけ。ちょうどその頃、厚生労働省研究班より受動喫煙が原因で亡くなる方が国内で推計年間15,000人に上るという衝撃的な発表があり、吸う人も吸わない人も皆でたばこの有害性を考えることが必要だと思うようになりました」(小倉さん)

また、男性の喫煙率は全国平均程度なのに対し、女性は倍以上という状況にもあり、何か手を打たなくてはと頭を悩ませていたそうです。

そこで、広報の担当でもあった小倉さんは、翌年2017年から5月31日の世界禁煙デーと禁煙週間に合わせて、たばこの有害性を特集した広報誌を発行するようになりました。

広報誌

「まず喫煙者の方にしっかり読んでもらえるように、喫煙者・非喫煙者のアンケートに対する生々しい声をそのまま表紙に載せたり、漫画を多用したり、また両者に受動喫煙の害が伝わるよう色々工夫しながら情報発信を続けてきました」(小倉さん)

シフト制勤務の壁の突破を期待して オンライン禁煙プログラムを実施

取り組みの結果、禁煙への関心が事業所内で高まる様子が見られ、健康保険組合が主催する年2回の健康づくりキャンペーンでも、各事業所独自の禁煙の取り組みが主体的に行われるように。
さらには、各事業所の事例を他の事業所が取り入れるなど、横軸での展開も見られるようになりました。

こうした動きに合わせて、健保として禁煙希望者をサポートする実効性のある施策を検討していた折に、タイミングよく打診があったのが厚生労働省データヘルス推進事業の助成事業でした。この流れで他の健保と連携し、トライアルでオンライン禁煙プログラムを検討することになったのです。

「事業所によってはシフト制という働き方もあり、今までの禁煙外来などの補助制度を拡充しても実施に限界があると感じていた頃でした。さらになかなか禁煙に取り組めない層へのアプローチに課題があったのでオンラインなら手軽さが引きになるのではと期待したのです」(矢倉さん)

予測通り反響があり、このプログラムへの応募数は当健保の参加枠を大きく上回りました。小倉さんも矢倉さんも喫煙者が申し込みさえすれば、あとはオンラインで自動的に禁煙成功!というイメージを持っていたと言います。

「ところが、スタートすると受診者が次の予約を取らなかったり、受診スケジュールに遅れたりする人が少なくありませんでした。理由は薬が合わない、吸わずにいられない等。脱落させないために電話やメールで支援することになり、かなりの時間を要することになりました。禁煙は細やかなサポートが大事であることを痛感しました」(小倉さん)

禁煙プログラムの課題解決の鍵は 細やかなサポート体制

小倉さん2

助成事業でトライアルをし、翌年には本格導入も視野に入れていたオンライン禁煙ではありましたが、第1回を終えてみると、課題も見えてきました。

参加者終了時のアンケートからも受診のしやすさ、アドバイスやサポートの充実など、多くの改善を期待する声が寄せられつつ、着手できずにいた時にプレゼンを受けたのがNTTドコモのオンライン禁煙サービス。

小倉さんは、NTTドコモのサービスを導入した理由を3つ挙げてくれました。

①禁煙の専門知識を有する医師が初回だけでなく、毎回しっかりと時間をかけて診察すること。また女性の受診者でも相談しやすい同性の医師がいること。
②禁煙プログラムの募集の際、毎回、参加人数が減少している課題に対し、参加を促すセミナーや動画コンテンツなどのオプションメニューの提案があること。
③パートナーとして同じ目標に向かい、推進体制の提案や改善に真摯に向き合う企業姿勢が感じられたこと。

「せっかく禁煙しようと決意しても、いざ始めると精神的なことも含め、様々なサポートが必要になります。そのため、心のケアも重要視する禁煙治療に精通した医師がいることは大きな安心につながりました。また当健保の場合、女性の参加者が多いことから、相談しやすい同性の医師がいることも心強く感じました」(小倉さん)

「予約、受診、処方、フィードバックをオンラインでできる利便性をそのままに、初回で上がっていた課題の解決にもなると思い、急遽導入を進めることになりました。従来であれば、そうしたケースは少ないのですが、サービスの内容に魅力を感じ、導入する価値があると考えました」(矢倉さん)

成功率93%。スムーズさに驚いた NTTドコモのオンライン禁煙サービス

そして、今年初めに導入したところ、以前苦労した受診スケジュールの再調整や受診者からの問い合わせもなく、参加者全員がほぼスケジュール通りに終了。さらに成功率もこれまでで最高の93%という結果になりました。

「スタートして、そのスムーズさにとにかく驚きました。以前のように受診者へのサポートをこちらが行わなくても、本サービスにお任せした状態で、成功率もアップ。担当者としても大助かりですが、何より一人でも多くの方の禁煙をサポートできたことが嬉しく、本サービスを利用し、本当に良かったと実感しています」と小倉さん。

参加者からも、医師との面談で初回に禁煙へのモチベーションがぐっと上がり、毎回15~30分程の診療時間に自分の話しをしっかり受け止めてもらえたという声が多かったと言います。

心理的な治療とセットで行われる本サービスの特徴が際立っていました。

また、以下のような参加者の声も。
「自力での禁煙は何度か失敗していたが、30年以上続いた悪習慣を是正できたことが何より嬉しい」(50代男性)、
「自信はなかったが意外とすんなりやめられた。ヘビースモーカーでも軽い気持ちでチャレンジしてみてください」(30代男性)、
「辛い想いをせず禁煙できた、もっと早くプログラムに参加すれば良かった」(40代女性)など。

また、直近の募集では、コロナ感染による影響が多く見られたことも特徴的でした。
「オンラインなのでコロナでも安心して受診できる、喫煙によるコロナ感染の重症化を予防したいといった方や、在宅勤務の増加や、喫煙所の閉鎖などで吸いにくい環境になり参加する方も増えています。」(矢倉さん)

潜在的な禁煙希望者にオンライン禁煙の良さを伝え続けたい

矢倉さん2

当健保のアンケートでは、喫煙者の3割はやめたい気持ちがあると回答。潜在的に禁煙したいと感じている人はまだまだ多いと推測しています。

また、今年度から、禁煙に成功した場合の自己負担金のキャッシュバックを会社が負担するなど、丸井グループとさらに連携する動きも出ています。

こうした今後の課題、動きに対して、小倉さんは「喫煙者の人数に対して禁煙プログラムの参加者はまだ多くはないので、プログラムの参加数を増やしていくことが今後の課題です。参加者からの声にもあるように、このサービスがいかに手軽で便利で楽に、そしてお得に利用できるかをしっかり伝えていきたいと思います」と力強く語ってくれました。

また、矢倉さんは温かな眼差しで「禁煙することで、もっと自分にプラスになる世界がたくさんあるので、そのあたりの啓発や情報提供を継続していきたいですね。今すぐでなくても、一人一人どこかのきっかけで禁煙を決意するタイミングがあると思うんです。だから伝え続けていくことが大事だと考えています。働く仲間や家族のためだけでなく、何より自身の豊かな人生のために禁煙プログラムを活用いただけると嬉しいです」と語ってくれました。

まとめ

ウェルネス経営を通じてすべての人が「しあわせ」を感じられる社会を作っていくことを目指す丸井グループ。そのヘルスケアを支える丸井健康保険組合では、禁煙プログラムに対しても参加者の心のケアや禁煙のその先にある豊かな人生に着目し、より良いサポートを試行錯誤しているところが印象的な取り組みでした。そして、コロナ禍においてもオンライン禁煙サービスは時代の流れに則したプログラムになり得る事例としても益々注目されることでしょう。