健康経営の導入事例大阪府柏原市、奈良県三郷町、南都銀行 様

「地域の魅力を知って歩きに来て欲しい」ウォーキングアプリを使った新たな観光誘致とは?

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官民協働で龍田古道の魅力を発信。ウォーキングアプリ「歩いておトク」とのコラボで、バーチャルからリアルへ

奈良県三郷町と大阪府柏原市では、両市町をまたがる龍田古道を日本遺産に登録しようという動きを活発化させています。
そうした中、知名度を高める取り組みとして、ドコモ・ヘルスケア株式会社が提供するウォーキングアプリ「歩いておトク」を活用し、龍田古道の見どころを紹介するバーチャルツアーを展開しました。
さらに、JTBと連携して龍田古道へのリアル旅行ツアーを用意し、観光誘客に直につながる取組をすすめています。

奈良県と大阪府を結ぶ龍田古道。
聖徳太子との縁も深い貴重な古道ではありますが、全国的な知名度アップが一つの課題となっています。

そこで三郷町と柏原市では、龍田古道の魅力を広く知ってもらうため、様々な取り組みを展開。
その一環として、観光スポットをバーチャルで巡るドコモ・ヘルスケアの「歩いておトク」とのコラボを実施しました。

今回は、取り組みの背景や今後の施策なども踏まえて、三郷町から水口洋司さん(三郷町 環境整備部ものづくり振興課・課長)と荒木貢さん(同・主事)、柏原市から森口秀樹さん(柏原市役所市民部・次長兼産業振興課長)と田中明彦さん(同産業振興課にぎわい推進係・係長)、そして地元企業の立場から地域活性に注力する南都銀行の森本貴吉さん(南都銀行三郷支店・支店長)にお話をうかがいました。

龍田古道を日本遺産へ 三郷町・柏原市・南都銀行が協働

ウォーキングアプリ「歩いておトク」は、歩いた分だけdポイントを獲得できるだけでなく、歩きながら世界各地の名所をバーチャルで巡って旅行を楽しむことができ、名所によっては企業や自治体が提供する特典をもらうことができます。

企画担当者の写真

「歩いておトク」の中でバーチャルツアーが組まれた「龍田古道」は、三郷町と柏原市にまたがる観光スポット。
聖徳太子が整備に関わったとされ、日本で最初の官道ともいわれるなど、由緒ある古道です。

「三郷町と柏原市では、龍田古道を日本遺産に登録するための取り組みを協働して行っています。
今後、日本遺産登録の申請を行い、来年5月頃に結果が出るのですが、 その間ただ、結果を待っているだけでなく積極的に龍田古道の魅力をPRし、認知度を高めていこうと、情報発信に力を注いでいます」(水口さん/三郷町)

この活動では、自治体だけでなく民間企業も協力しながら取り組んでいるのも特徴。
中でも中心的役割として活動を牽引しているのが、近畿圏を地盤とする南都銀行です。
バーチャルツアーで獲得できる特典に協力してくれる地元企業を探すなど、活動をより充実したものにするために尽力しています。

南都銀行の森本さんは
「地域経済が活性化しお金の流れが生まれることは、地方銀行にとって喜ばしいことです」 と話し、今回の「歩いておトク」とのコラボをはじめ、地域振興につながる取り組みを三郷町や柏原市と共に考えていると言います。

全国に発信できることが強み リアルツアーも大きなメリットに

今回の龍田古道を巡るバーチャルツアーのコラボは、森本さんが三郷町に「歩いておトク」を紹介したことがきっかけでした。

「2017年に生駒郡(奈良県)でウォーキングイベントとコラボしたバーチャルツアーを『歩いておトク』で行ったところ、約14万人がコースを利用し、そのうちの約6万人がアンケートに回答しました。
そうした参加者の反応も併せて三郷町さんにご提案したところ、日本全国に興味を持ってくれている人がいることを認識していただき、今回の取り組みがスタートしました」(森本さん/南都銀行)

最初に「歩いておトク」の話を聞いた印象として、
「アプリを日常的に使っている人の多さや、全国に利用者がいる点などに魅力を感じました」
と三郷町の荒木さん。
龍田古道の魅力を広く発信し、全国の人に認知してもらいたいと考えていた三郷町と柏原市のニーズに、アプリの特徴がうまく合致していたと話します。

柏原市の田中さんは、特に「歩いておトク」利用者のアンケートの回答数に驚いたそうです。
「これほど多くの人から意見をいただけることは、地域の活性化を目指す上でとても貴重なことだと思います」。

またバーチャルツアーと同時に、JTBの協力のもと、実際に龍田古道へ旅行するツアーが組まれました。
つまり「歩いておトク」でバーチャルツアーに参加し、行ってみたいなと思ったら、簡単にツアー申し込みができ、リアルに龍田古道を体感頂けるということです。

「2017年の生駒郡とコラボしたバーチャルツアーのアンケート結果では、回答した6〜7割もの人が『その観光地に行ってみたい』と答えていました。
JTBさんと連携したリアルツアーは、そうした人たちを実際に誘客できる、非常にメリットのある取り組みです」(水口さん/三郷町)

思わず来たくなるような自然の美しさをアピール

三郷町と柏原市は、「歩いておトク」でのバーチャルツアーを3年間で計6回行う予定です。
第1回目は2018年10月からの約1カ月間実施。利用者数は20万人超と滑り出しは好調です。

「第1回目が終了後、遠方の人からの龍田古道に関する問い合わせが増えている他、リアルツアーの申し込みの報告も上がってきています」(荒木さん/三郷町)

着実に成果に結びついている状況に手応えを感じているそうです。

今回集計したアンケートに関しても、
「観光やグルメなど、ユーザーが何に興味を持っているのかを分析した上で、今後取り組んでいくべき政策の方向性を決める大事な指標にしたいと思っています」(荒木さん/三郷町)

『万葉集』でもその美しさが詠まれるほど自然豊かな龍田古道。
バーチャルツアーでは、観光スポットや写真にこだわり、季節によって変わる龍田古道の表情を紹介していく方針です。

「第1回目は紅葉が写真映えするスポットを重点的に選びました。写真を見た人が『来たい』と思ってもらえるように、季節ごとの美しい景色を紹介していきたいです」(田中さん/柏原市)

観光客だけでなく、地元の人たちにも、「こんなスポットがあったんだ」と改めて龍田古道の良さを感じてもらうきっかけになるのではと期待を寄せています。

「柏原市はブドウの名産地で、100年を超えるワイナリーもあります。
そういう優れた生産品も知っていただき、味わいに来ていただけたら嬉しいです」(森口さん/柏原市)

龍田古道を中心とした「3幸プロジェクト」を展開

今回の取り組みでは、幅広く地域活性化につながる取り組みとして、地方創生推進交付金(※)を活用していることも特徴です。

「地方創生推進交付金を使う事業では、観光客が増えればいいというわけではなく、政策間の連携も重要となります。
例えば今回の場合は、『歩いておトク』でアピールすることで観光促進になるだけでなく、地元の人が使えば歩くきっかけになり健康にもつながります。
さらに観光客が増えてお金を使ってもらえば、地域が活性化し、雇用も生まれてくるなど、観光や健康、地域振興と政策間の連携がとれるという期待が持てます」(水口さん/三郷町)。

そのような特徴から、三郷町と柏原市では今回の取り組みを「観光」と「健康」と「産業の振興」の3つの「こう」を、「幸せ」とかけた「3幸(さんこう)プロジェクト」として位置付け、3カ年計画として結果を出すべく、精力的に取り組んでいます。

「今回のコラボ企画においては、補助金事業ということもあり、3年の事業期間が設けられています。ただ、大切なのはその後です。三郷町と柏原市に住んでいる人たちが取り組みを引き継ぎ、自分たちの力によって継続していけるかどうか。3年の間にその仕組みをしっかりと作り込んでいくことも、私たちの役割だと考えています」(森本さん/南都銀行)

龍田古道を起爆剤とし 目指すゴールは移住・定住

さらに両市町は、今回の龍田古道のツアーを中心としながら、周辺の観光地や施設なども広くアピールしていく考えです。

「例えば、柏原市には『サンヒル柏原』という観光施設があるので、龍田古道の事業を進めながら、市内の施設の有効活用なども検討しています。
現在、柏原市には宿泊施設がないため、宿泊に関しては三郷町さんにお任せというプランにはなっていますが、今後は柏原市の中でも宿泊に対応できるようにしたいです」(森口さん/柏原市)

また、JTBと連携してリアルツアーを行うにあたって、課題の一つとなっている三郷町と柏原市を結ぶ交通手段の対策も講じていきたいと話します。

「山間部という地域性もあって、スムーズな移動の仕組みが確立されていないのが現状ですが、柏原市には自転車メーカーが数社あるので、電動自転車の活用なども考えています」(田中さん/柏原市)

「三郷町としては、最終的な目標はやはり移住・定住を目指しています。
観光によって地域が活性化すれば店舗が増え、雇用ができ、その結果移住・定住につなげていければ。
もちろん、すごく大変なことではありますが、それが最終的なゴールなんです」(荒木さん/三郷町)

「龍田古道を盛り上げる」という一つの目標に向かって、異なる県の自治体が手を組み、さらには民間企業とも協力しながら取り組んでいく姿に、地域活性に向けた緻密な計画と情熱が感じられます。
展開次第では観光誘客の一つの雛形となる可能性もあるだけに、今後の施策の試金石としても「歩いておトク」を活用した龍田古道の取り組みに注目が集まります。

※地方創生推進交付金
2014年から開始された制度で、地域創生を支援するため国から交付される交付金。地方公共団体の自主的・主体的で先導的な取り組みを複数年度にわたり安定的・継続的に支援することにより、地方創生の深化を促すことを目的としている。

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