健康経営の導入事例株式会社薬王堂 様

ドラッグストア業界の異端児が東北から仕掛ける アプリ「歩いておトク」を活用した"健康×IT"戦略

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ゲーム感覚で歩いた分だけ、クーポンでキャッシュバック!「薬王堂」が業界初のサービスを開始

株式会社 薬王堂(以下薬王堂)は、ドコモ・ヘルスケア株式会社(以下ドコモ・ヘルスケア)と株式会社DeNAライフサイエンスが提供するアプリ「歩いておトク」を薬王堂版にカスタマイズしたアプリ「歩いてマイル(利用無料)」を、2018年1月よりポイント会員向けサービスとして提供開始しました。

歩くことでマイルが貯まる「歩いてマイル」の導入は、ドラッグストア業界初となる試みです。
歩いて貯まったマイルは薬王堂公式アプリ内でクーポンに交換できるため利用者がおトクにかつ楽しみながら運動を続けられるだけでなく、定期的なアプリの起動や公式アプリ訪問により顧客との接点強化につなげる狙いです。
その画期的な取り組みに込める想いと、今後の展開について、西郷孝一さん(経営企画部長)に伺いました。

過疎と高齢化が進む地域で「電子マネー」と「アプリ」を導入するワケとは

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薬王堂(本社:岩手県紫波郡(しわぐん)矢巾(やはば)町(ちょう))は、岩手県を中心に東北6県で239店舗(2018年2月末日現在)を展開するドラッグストアチェーン。
過疎化と高齢化が進む東北地方にあって、調剤薬局業務の他、医薬品や日用品だけでなく衣類や家電に至るまで幅広い品揃えで、東北トップのシェアを誇ります。
2013(平成25)年の東証第二部上場から、わずか1年足らずで第一部銘柄の指定を受け、2018(平成30)年2月期には売上高と最終利益共に最高を更新するなど、めざましい躍進を遂げています。

「ここ5年は地固めの時期だった」と語る西郷さんは、大手化学メーカー勤務を経て薬王堂に入社、店舗と営業企画部を経験した後、平成25年から商品部長、平成27年からは業務改革部長として、販売の仕組みや労働環境の整備に取り組んできました。
そんな中、2017年1月には、電子マネー付きポイントカード「WA!CA(ワイカ)」を発行。競合の少ない小商圏にあって、あえて導入コストの高いハウスカードを発行することで、顧客ロイヤルティを強化する戦略です。

導入から10カ月で会員数が2割増加しただけでなく、来店頻度や利用額の増加にも結びついたといいます。

西郷さんが「ここからは店舗数を一気に増やし、その勢いに更なるデジタル戦略を乗せる」と話すように、2018年は27店舗、2019年にはさらなる新規出店を予定する中、2018年1月、満を持して公式アプリをリリースしました。
シニアの薬局利用者が多い中で電子マネーとアプリの導入に踏み切った経緯について、西郷さんは次のように語ります。

電子マネーとアプリは、今後確実に普及が見込まれるもの。利用する電子マネーカードやアプリの数は限られるため、やるなら早い方がよいという判断
正直、公式アプリだけで大手との差別化ができるか疑問でしたが、ドコモ・ヘルスケアのアプリ『歩いておトク』を知り、健康軸に特化することで大手他社との差別化が図れることを確信。
公式アプリのリリースと同時に、『歩いておトク』を薬王堂版にカスタマイズしたアプリ『歩いてマイル』を導入することを決断しました」

"分かりやすさ"が決め手!東北の「歩く」を応援

『歩いてマイル』導入の土台になった、ドコモ・ヘルスケアのアプリ「歩いておトク」は、スマートフォンを持ち歩いてアプリを起動するだけで、毎日の歩数に合わせて日本各地や世界中の観光名所を巡るバーチャルツアーができ、各ツアーのゴールにたどり着くとdポイントが付与される、というもの。

これを薬王堂版にカスタマイズした「歩いてマイル」は、アプリを起動すると歩いた分だけマイルが貯まり、一定数に貯まると薬王堂公式アプリ内でキャッシュバッククーポンと交換できる、という仕組みです
バーチャルツアーを楽しみながらゲーム感覚で歩くほどおトクになるので、自然と運動が続けられ、利用者の健康増進に役立ちます。

「これまで薬王堂は“小商圏バラエティ型コンビニエンスドラッグストア”という独自のビジネスモデルを構築し、食品から家電まで何でも安く売っていることが強みでした。しかし一方で“健康”軸が弱かったのも事実です」

ドラッグストアの役割であるセルフメディケーションの推進を『見える化』するために必要なのが「分かりやすさ」だった、と西郷さんは言います。

「“歩いてトクする”というアプリのコンセプトは非常に分かりやすく、薬王堂のブランディングツールとしても最適でした」

冬が長く車社会でもある東北では、歩く機会が少なく運動不足の傾向。
そんなところにも「歩く」というキーワードがマッチしたと言います。

さらに「歩いてマイル」導入の決め手となったのは大きく3つとのこと。

①アプリのクオリティ
②ポイントが貯まるというインセンティブがあること
③ツアーを選べること


「お客様に毎日使っていただきたいものだからこそ、使い勝手だけでなく、暖かみのあるデザインや色味などを含めたアプリのクオリティは大事。
そして歩くことでポイントが貯まるのは、これまで運動するきっかけがなかった人にとってよい動機付けとなります。
さらに、国内外の観光地のバーチャルツアーを選べるのがいいですね。東北の人は皆さん謙虚で地元のよさに気付かない方が多いのですが、将来的にはアプリ内で紹介される東北の観光地が増えて、県内外にアピールできれば東北の活性化にもつながるのではないかと考えます」

「アプリ・クーポン・運動」の連動で、顧客との接点も強化

公式アプリでクーポンを配布するドラッグストアは多くある中で、運動を連動させるのは、ドラッグストア業界では初となる画期的な取り組みです。
毎日の歩数の確認や、貯まったマイルのクーポンへの交換などにより、定期的なアプリ起動や公式アプリ訪問回数が増え、顧客とのコミュニケーション機会の創出にもつながっています。

西郷さんによると、アプリ導入に当たり社内からの反対はほとんどなかったそうです。

健康を軸としたコンセプトを立てたこと、ドコモ・ヘルスケアと一緒に何かしたいという潜在的な想いが社内にあったこと、ドコモ・ヘルスケアという信頼あるブランドであるため将来的な安心感を共通認識としてもってもらえたこと。
これらはクーポンを提供する商品のメーカーからの理解と協力を得るためにも非常に役立ちました」

利用率50%の好調な滑り出しに、業界内やメーカーも注目

現在「歩いてマイル」の利用状況は好調で、毎日50%以上会員が利用しています。
西郷さんはお客様から「毎日使っています!」と声を掛けられることもあるのだとか。
さらにこの取り組みは業界初の事例として、業界内だけでなく、メーカーの営業担当者、マーケティング部、広告宣伝部などからも注目を集めています

今後は、「できれば自治体と絡めて地域活性化につなげたい」と西郷さん。

薬王堂本社のある矢巾町は、盛岡市南部に位置するベッドタウンで、過疎化が進む岩手県において数少ない人口増加中の町。
平成31年には岩手医科大学附属病院が盛岡市から移転する計画が進む中で、健康を軸とした地域貢献に「歩いてマイル」アプリを役立てたいと言います。

「例えば一定の歩数を歩いたら矢巾町からプレゼントを贈るという施策をする場合、物流コストや手間がかかりますが、アプリを使えば、販促と連動してコストをかけずに様々な取り組みができるはずです」

健康ビッグデータを活用する、新・薬王堂モデルの確立にも邁進

薬王堂は現在、医療系ベンチャーのセルスペクト株式会社(岩手県盛岡市)が開発する血液検体測定装置を用いたドラッグストア店頭での健康チェック(無料)にも乗り出しています。
将来的には、健康チェックから得られた情報に匿名化した消費情報を加えたビッグデータを蓄積・解析し、自治体や企業に提供。
健康寿命延伸や医療費削減の取り組みの他、商品・サービス開発に活用するという、海外展開も視野に入れた事業を計画しています。

「これは世界で僕たちにしかできないこと」と、西郷さんは胸を張ります。

健康チェックは、採取した1滴の血液から血糖値やコレステロール値、肝機能数値であるγ-GTPなど全8項目が10分程で分かるというもの
現在は実証実験を進めており、2018年10月にはサービス開始予定。
順次、薬王堂店舗に導入するだけでなく、薬王堂以外のドラッグストアや調剤薬局にも無料で提供します。
健康チェックを店頭で行うドラッグストアはありますが、1項目500円から複数項目では1000円から4000円程かかります。
これを無料にすることで、年1回の健康診断より頻繁に検査でき、利用者の運動継続や健康管理に役立てるだけでなく、より多くのデータ収集につなげる狙いです。
現在、店頭で測定可能なのは8項目ですが、今後はさらに項目を増やし、他にも口内環境チェックや肌状態のチェックも実施する予定です。

「将来的には、これらの健康データに歩数データも絡めていけたらいいですね」

まとめ

薬王堂の大躍進の陰にあるお客様の健康への想いの深さ、絶え間ない経営努力と尽きることのないアイディア、そして小売業にとらわれない柔軟な発想には、驚くばかり。
更なる活用の可能性を秘めるアプリ「歩いてマイル」の、今後の展開にも注目です。

歩いてマイルについて

薬王堂が提供するスマートフォン向け公式アプリです。
歩いてアプリを起動すると、薬王堂が提供する「わいわいマイル」を貯めることができ、貯まったマイルは薬王堂公式アプリで店頭での買い物に使えるクーポンに交換できます。
・開始日:2018年1月16日(火)
・対象者:薬王堂のWA!CA(ワイカ)ポイント会員
・アプリ利用料金:無料

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