健康経営の導入事例合同会社 S-WORKS島根オフィス様

生産性向上のカギは「健康」、ウェアラブル端末を活用した実証事業の結果が示す可能性

導入サービス

  • ムーヴバンド3
  • WM(わたしムーヴ)アプリ
  • 健康サポートLink
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<導入・実施の効果>

■導入前
・島根県における高齢化と医療費の課題を、企業で働く従業員の健康増進から解決したい
・健康増進施策を、地域企業の生産性向上につなげたい
■導入後
・ムーヴバンドの健康データと「WM(わたしムーヴ)アプリ」などで健康状況の把握が可能に
・従業員の健康意識や活動量が向上
・地域企業の労働生産性向上への貢献も期待

活動量計によるデータの可視化が生産性向上のきっかけに

高齢化率が全国3位、実績医療費では全国1位という島根県。こうした問題を解決するためには、住民の健康寿命を伸ばすこと、生活習慣病を予防すること、日頃の健康管理を推進することなどが求められます。

その解決策のひとつとして2016年、合同会社S-WORKS島根オフィスとドコモ・ヘルスケア株式会社、株式会社NTTドコモ中国支社の3社が連携し、ウェアラブル端末を活用した企業向けの健康増進実証事業が実施されました。(実施期間:2016年11月から2017年1月)

ウェアラブル端末としては、ドコモ・ヘルスケアのウェアラブル活動量計「ムーヴバンド3」が、そしてそのデータを可視化するツールとして「WM(わたしムーヴ)アプリ」が使用されました。

実証実験は2017年1月に完了しましたが、この結果、参加者の健康意識にポジティブな変化があったといいます。

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ウェアラブル端末で健康データを自動取得

島根県では「健康」をキーワードに、企業やNPO法人が主体となって行政、医療・福祉団体、教育機関などと連携した先進的なビジネスモデルとなりうる取り組みを公募する「島根発ヘルスケアビジネス先進モデル構築支援事業」を行っています。
2016年度は、S-WORKSがドコモ・ヘルスケア、NTTドコモ中国支社とともに提案した健康増進実証事業が採択されました。同事業には、雲南市、出雲市、松江市の地域企業等13社、44人がモニターとして参加しました。 S-WORKSの渡部敬太氏は「雲南市に相談したところ、さまざまな企業に声をかけてくれました。そのおかげで、多くのモニター事業者に参加してもらうことができました」と話しています。

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合同会社S-WORKS 島根オフィス 渡部 敬太氏

モニターの内容は、ドコモ・ヘルスケアのウェアラブル活動量計「ムーヴバンド3」を着用し、毎日の健康データ(歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠時間、睡眠状態など)を計測するというもの。計測データは、ドコモ・ヘルスケアの健康データプラットフォーム「WM(わたしムーヴ)」へ自動的に転送されます。参加者は健康データ管理アプリである、「WM(わたしムーヴ)アプリ」から、各数値の推移をグラフなどで確認し、自分の健康状態を把握できるようになっています。また、モニター実施前と実施後には、血圧や血糖値、中性脂肪などの血液状態、体重・体脂肪率も測定します。
蓄積された健康データは、ドコモ・ヘルスケアの法人向け健康データ管理サービス「WM for business(2017年4月に「健康サポートLink」にリニューアル)」から、S-WORKSのデータベースへと提供され、S-WORKSが分析したうえで、それぞれの事業所へと提供されます。このデータを、各事業所における健康経営の推進に役立てていくというのが、この事業の趣旨です。

実証事業への参加で、職員の健康意識に変化が

実証事業への参加事業所のなかでも最大となる10人が参加したのが、島根県雲南市、奥出雲町、飯南町の1市2町を事業エリアとするJAしまね 雲南地区本部です。きっかけは、自らの運動不足について日常的に課題感を抱いていた同組合の企画総務部 企画管理課の課長代理、大島裕司氏が、ドコモ中国支社の営業担当者よりモニター協力を相談されたことでした。大島氏が職場の人たちに声をかけたところ、すぐに希望者が集まりました。
期間中の職場では、お互いの一日の歩数や睡眠時間などが日々の話題としてあがるなど、健康増進を目指した行動を、組織内で切磋琢磨する状況が生まれました。たとえば、ほかの参加者よりも少しでも多く歩数を稼ぐために昼休みに歩くという職員もいたとのことです。その職員は、実証事業を通じて約3kgもの減量に成功しています。
ほかにも、駐車場から事務所まで、あえて遠回りして歩くことを習慣づけた職員が増えるなど、職員の健康意識に明らかな変化が現れました。そのため参加者のほとんどは、事業終了後の今も「ムーヴバンド3」を着用し続けているようです。
大島氏は、「日頃どれだけ歩いていなかったのか気づくことができました。これを機に、職員はもちろん、組合員の方々の健康向上にもつなげていければと考えています」と話します。

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JAしまね 雲南地区本部 企画総務部 企画管理課 大島 裕司氏

「車社会」島根に適した運動とは

実証事業を実施するにあたって欠かせない役割を担ったのが、雲南市の健康政策シンクタンク「身体教育医学研究所うんなん」です。
同研究所は実証事業において、アドバイザー的な役割を担っています。たとえば、参加者がモニターに無理なく取り組むために、具体的にどのような運動を行えば良いのかというアドバイスを、S-WORKSを通じて行います。

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身体教育医学研究所うんなん 運動指導士 若林 巧貴氏

実証事業の参加者の1人でもある、運動指導士の若林巧貴氏は、島根という土地を考慮したうえで、参加者にアドバイスを行ったといいます。

車社会が進んでいるという地域事情を踏まえると、いきなり通勤手段を車から徒歩や自転車へと切り替えるのは、現実的ではありません。職場の駐車場の場所を少しだけ遠くにしたり、駐車場から職場までのルートを遠回りにしたりといったことを提案しました

「身体活動」が明らかに向上

今回得られた健康データや各種調査結果、測定結果は、S-WORKSによって分析が行われました。その結果、「身体活動」の項目において、事業前よりも数値が向上する結果になりました。アンケート調査でも、44名のうち27名が「事業前と比べて身体を動かすようになった」と回答しています。

またアンケートでは、参加者の68.2%がウェアラブル端末(ムーヴバンド3)をほぼ毎日着用していると回答しており、さらに参加者の同84.1%が、今後も健康管理サービスを利用したいという意向を示しています。

参加者に行動変容を促すことができたのはとても大きな成果だと受け止めています。今後は、健康データの蓄積を促進しながら、マーケティング戦略を駆使したサービスの提供によって、地域の企業の労働生産性の向上に寄与していくことを目指しています

※本記事は2017年3月時点の取材を基に執筆・掲載しています。

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