働き方改革

2018/04/05

働き方改革実行計画のポイントと、実現へ向けた企業のアプローチとは

「働き方改革実行計画」とは、一億総活躍社会の実現に向け、政府が力を入れる計画の一つです。長時間労働の是正、賃金引上げと労働生産性向上、ワークライフバランス実現などを目的に働き甲斐のある職場を整備することは、企業の魅力を高め有能な人材の集まる会社へと転じる良いきっかけとなるでしょう。

「働き方改革実行計画」とは、一億総活躍社会の実現に向け、政府が力を入れる計画の一つです。
長時間労働の是正、賃金引上げと労働生産性向上、ワークライフバランス実現などを目的に働き甲斐のある職場を整備することは、企業の魅力を高め、有能な人材の集まる会社へと転じる良いきっかけとなるでしょう。

働き方改革実行計画はなぜ必要なのか?

労働力不足や生産性、長時間労働などに関する問題はニュースでも取り上げられ、論議される問題です。まずは働き方改革実行計画が必要とされる背景について見ていきましょう。

労働人口が減少している

少子高齢化が急速に進む日本では、労働人口が減りつつあります。
出産などをきっかけに離職する女性も多く、労働力不足がますます深刻化することが懸念されています

正社員と非正社員に処遇の差が生じている

企業の中には、契約社員・派遣労働者・アルバイトといった非正社員と正社員で評価や待遇が異なるところも多く見られます。
正社員と同じような仕事をしているのに処遇に差があると、非正社員は「正当な評価が得られていない」と感じ、働く意欲が向上しません。
不合理な溝を埋めないことには、非正社員のモチベーションを上げるのは難しいでしょう。

長時間労働が蔓延している

長時間労働は社員の健康を損ねる重大な問題です。 昨今、過労死が社会問題となり、ニュースなどでも取り上げられる機会が多くなっていますが、未だ社会全体で解消できたとはいえない状況です。
長時間労働を余儀なくされる状態では、仕事と家庭を両立させるのは難しく、介護をしている人や子育てをしている人などが働きにくくなります。
また、女性がキャリアを築くのも難しくなるでしょう。

労働生産性が低い

いわゆる「仕事人間」が多いとされる日本ですが、労働生産性はあまり高くありません。OECD(経済協力開発機構)のデータによる、2016年の日本の1時間あたりの労働生産性は4,694円です。
OECD加盟国35カ国の中でも20位と低い位置にあり、主要先進7カ国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本)では最下位です。
長時間労働を是正するためにも、労働生産性の向上が欠かせません。

参考:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2017年版」

働き方が多様化している

かつてに比べ、日本人の働き方は多様化しています。
仕事を中心とした暮らしではなく、育児や介護との両立を求める人、1週間に数日だけ働きたい人、副業を始めたい人、起業したい人など、さまざまです。
企業が労働力不足を解消するには、多様な働き方を受け入れる必要があります。

働き方改革実行計画の目的とは?

政府は働き方改革実行計画により上記のような課題を解決し、日本経済の再生を図ろうとしています。
計画には9つの分野の具体的な対応策と、2017年度~2026年度の10年間のロードマップが盛り込まれており、関連法案については国会での審議が続いています(2018年3月時点)。

働き方改革実行計画に伴い企業に必要な対応とは?

企業としては、働き方改革関連法案が施行されるまでに、早めに対策を講じる必要があります。ここでは、まず必要な対応についてご紹介します。

内容について理解を深める

働き方改革関連法案が成立し、施行されれば、企業としての活動にも影響が生じます。
企業にどのような対応が求められるのか、まずは働き方改革実行計画で推し進められている内容について理解を深めることが大切です。
計画で掲げられている9つの検討テーマを以下に挙げます。

1.非正規雇用の処遇改善
2.賃金引上げと労働生産性向上
3.長時間労働の是正
4.柔軟な働き方がしやすい環境整備
5.病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障害者就労の推進
6.外国人材の受入れ
7.女性・若者が活躍しやすい環境整備
8.雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の充実
9.高齢者の就業促進

参考:首相官邸「働き方改革実行計画(工程表)」

対応について検討する

非正規雇用の処遇改善や長時間労働の是正など、一見すると取り組むのが難しいテーマばかりのように感じられるかもしれません。
しかし、きちんと対応してこそ自社を守ることができると考えましょう。
きっかけは何にせよ、職場環境を整備することは、人材の確保や定着にもつながります。

他社の事例に学ぶ

自社が抱える課題に対して何から始めたらいいのか迷ったときは、すでに働き方改革に取り組んでいる他社を参考にすると良いでしょう。
厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」では、実態と課題を把握するための自己診断ができるほか、課題別の対策方法や、企業の取り組み事例なども見られます。

参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

企業が特に重視すべき項目

働き方改革関連法案は、最重要法案と位置付けられながらも紆余曲折をたどっています。
今回は9つあるテーマの中でも、企業として特に取り組み始めたほうが良いテーマを2つお伝えします。

非正規雇用の処遇改善

正規雇用と非正規雇用の処遇の格差は、出産などを契機に休職する女性が復職し、活躍する際の妨げとなり、少子化の要因にもなっているとされます。
働き方改革実行計画には「同一労働同一賃金」の導入が盛り込まれており、有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者と正社員の間の不合理な待遇の差を解消するための法制度とガイドラインの整備が進められています(2018年3月時点)。
また、非正規雇用から正社員となり、キャリアを形成するなど、働く人が自由に働き方を選べるようにすることが求められています。

企業は何をすべきか?

ガイドラインをチェックして、自社で問題になりそうな点はないか、義務化されそうな点はどこかを把握しましょう。
法改正を想定し、自社の現状を確認しておくことが重要です。

長時間労働の是正

昨今の過労死問題などを受けて、法改正による長時間労働の是正が求められており、労使間で取り結ぶ36協定でも超えられない、罰則付き時間外労働の上限規制が見込まれています
ガイドラインでは、週40時間を超えた時間外労働の限度を原則として月45時間、かつ年360時間とするなど、さまざまな上限が設定される見込みです。
勤務終了から次の始業までに一定の時間を設定する「勤務間インターバル制度」の導入も検討されています。

企業は何をすべきか?

もし長時間労働が蔓延している場合、削減するには時間を要するため、法改正の前から動いたほうが良いでしょう。
まず労働時間に関する社員の実態を調査し、現状を正確に把握した上で、課題を洗い出し、必要な対応策の検討に進むのが一般的です。

働き方改革を企業が成長する転機に

働き方改革は、企業の生産性を向上し、企業価値を高めるといわれています。
長時間労働や正規・非正規の格差が改善され、ワーク・ライフ・バランスがとりやすくなれば、社員一人一人が性別や年齢にかかわらず活躍できる企業を目指せます。
ライフステージや希望に合わせた働き方ができることによって社員は意欲的になり、個々の能力を存分に発揮できるでしょう。
そうして生産性が上がり、企業の成長につながる好循環が期待できます。
働き方改革関連法案は未だ審議中ではありますが、今後の動向についても注目し、企業にとって成長するための転機ととらえて対策を考えていきましょう。

編集部

ヘルスケア通信の編集部

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