働き方改革

2017/12/08

生活習慣病の原因と予防策|病気になる前にライフスタイルの見直しを

生活習慣病とは、長年のよくない生活習慣が原因となって発症・進行する病気です。かつては「成人病」と呼ばれていた病気が、成人よりも低い年齢で発症が見られるようになり、生活習慣を改善すれば予防できることから「生活習慣病」という名称に変わりました。 具体的にどのような生活習慣に気をつければ生活習慣病を防げるのでしょうか。今回は、生活習慣病の原因と予防法についてご紹介します。

生活習慣病とは、長年のよくない生活習慣が原因となって発症・進行する病気です。 かつては「成人病」と呼ばれていた病気が、成人よりも低い年齢で発症が見られるようになり、生活習慣を改善すれば予防できることから「生活習慣病」という名称に変わりました。
具体的にどのような生活習慣に気をつければ生活習慣病を防げるのでしょうか。 今回は、生活習慣病の原因と予防法についてご紹介します。

こんな生活習慣が病気の原因になる

日本で亡くなる人の多くは、生活習慣病が死因です。普段の何気ない生活習慣が、病気を引き起こす原因となるかもしれません。

主な生活習慣病

生活習慣病は、 悪性新生物(がん)、心疾患、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、骨粗しょう症、歯周病などの疾患 のことです。

さまざまな生活習慣病の中でも、悪性新生物(がん)で亡くなる人は男女共に多く、平成28年(2016)の死亡原因の第1位で、その数は約37万人にものぼります。死因の第2位が心疾患(約20万人)ということからも、生活習慣病で亡くなる人の多さがわかります。

生活習慣病と間違われやすい病気の一つが、メタボリックシンドローム(メタボ)です。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の増加に加えて、血圧・脂質値・血糖値の2つ以上に数値異常が起こっている状態のことをいいます。メタボリックシンドロームが原因となって発症する生活習慣病もあります。

※参考:厚生労働省「平成28年(2016)人口動態統計(確定数)の概況」

原因となる生活習慣

生活習慣病の原因は、偏った食事や喫煙、飲酒、運動不足、睡眠不足、過労、ストレスなどです。 生活習慣病対策には、よりよい健康状態を目指し、病気を防ぐ「一次予防」が重要です。

では、原因別にそれぞれの予防策を具体的に見ていきましょう。

生活習慣病の原因1:偏った食事

毎日の生活の中で、大きな影響を受けやすいのが食事です。どのような食生活が体に悪影響を及ぼすのか、説明していきます。

偏った食事の例

「肉ばかり」「野菜だけ」といった、栄養バランスが悪い食事は「偏った食事」の代表的な例でしょう。 高エネルギーの食事が多い人や、しょっぱいものが好きな人、外食が多く加工食品をよく食べる人も注意が必要です。
不規則な食生活も、長期に及ぶと生活習慣病につながるおそれがあります。

どんな生活習慣病につながるか?

不適切な食生活の積み重ねで発症するのは、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、歯周病などです。 例えば、高エネルギーの食事を続けていると糖尿病に、動物性食品の摂り過ぎやエネルギー過多は脂質異常症を引き起こしやすくなります。
また、食塩のとりすぎは高血圧症につながります。

生活習慣病を予防するためのポイント

食事は自分の年齢や性別に適した摂取エネルギーを守り、必要な栄養素をしっかりとることを心がけましょう。
1日の適切な摂取エネルギーの目安は、座り仕事が中心となっている 30~49歳までの男性の場合で2,650キロカロリー、女性なら2,000キロカロリー です。

1日の適切な摂取エネルギーの目安(座り仕事が中心の30~49歳までの男女)
・男性 2,650kcal
・女性 2,000kcal

栄養バランスのいい食事は、炭水化物が50~65%、タンパク質が13~20%、脂質が20~30%といわれています。 これに加えて不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維などを組み合わせるようにしましょう。

特に、野菜はビタミンや食物繊維が豊富なので、意識して食べることが大切です。

また、味付けを濃くしないこと、外食の回数をなるべく減らすことも重要なポイントです。不規則な食生活は肥満などにつながりやすいため、食事は3食規則正しい時間にとるようにしましょう。

※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」

生活習慣病の原因2:たばこと飲酒

たばこは健康を損なうリスクが高いことで知られています。では、飲酒はどれくらいの量が適切なのでしょうか。

どんな生活習慣病につながるか?

たばこ

喫煙は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、慢性気管支炎、肺がんなど、さまざまな病気を引き起こします。
たばこには、ニコチン、タール、一酸化炭素をはじめとする多くの有害物質が含まれています。その中でも生活習慣病と関わりが深いのが、ニコチンと一酸化炭素です。ニコチンは血圧の上昇や血流の悪化に影響し、一酸化炭素は血液をドロドロにします。

飲酒

飲酒のしすぎは高血圧症や脂質異常症の原因となります。継続的なアルコールの摂取は血圧の上昇を招くといわれます。
また、多量のアルコール摂取によって、アルコールが肝臓で中性脂肪に合成されてしまうため、血液中の脂質値が上昇してしまいます。

生活習慣病を予防するためのポイント

たばこ

たばこは思い切って禁煙することが大切です。 しかし、ニコチンの持つ依存性は強く、自分の意志だけでは禁煙できないこともあるでしょう。

禁煙する手段の一つとして、喫煙以外でニコチンを摂取する「ニコチン置換療法」という方法があります。 ガムや貼付剤からニコチンを摂取し、イライラやだるさといった禁断症状を軽くし、ニコチンの量を減らしていくという方法です。

飲酒

厚生労働省が定める「節度ある適度な飲酒」は、純アルコールにして1日平均約20g程度です。お酒を少し飲んだだけで顔が赤くなるような人や、女性、年齢が65歳以上の人はさらに少ない量がすすめられています。
純アルコール約20gとは、ビールなら中瓶1本、アルコール度数35度の焼酎なら1合(180ml)、ワインなら1杯(120ml)です。
適量を守って飲酒するのはもちろんですが、毎日の飲酒も肝臓に負担をかけるので、週に2日は休肝日を設けるようにしましょう。

※参考:厚生労働省「健康日本21(アルコール)」

生活習慣病の原因3:運動不足

どんなに忙しくても、心身にとって適度な運動は欠かせません。
運動量が不足するとどのような病気を引き起こすおそれがあるのか、見ていきましょう。

どんな生活習慣病につながるか?

運動不足は、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、肥満などと深い関わりがあり、これらは動脈硬化の原因にもなります。 動脈硬化は脳梗塞や冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)などを引き起こすおそれがある状態です。
運動量が不足するとインスリンの働きが抑制され、血糖値や血圧の上昇を招いたり、中性脂肪の代謝が悪くなったりします。

生活習慣病を予防するためのポイント

日頃運動する習慣がない人は、日常生活の中に適度な運動を取り入れるように意識しましょう。
運動は有酸素運動と無酸素運動の2つに分けられます。生活習慣病の予防には、ある程度長く続けられる有酸素運動のほうが効果的です。 有酸素運動では、たくさん酸素を取り入れながら体に負荷がかかりにくい動きをできるだけ長く続け、体内に蓄えられた糖質や脂肪を燃焼し、エネルギーを産生します。
日々継続して行うことが何よりも大切で、適度な運動はストレス解消にもつながります。

取り入れやすい運動の例

けがの心配や体への負担が少なく、手軽に始められるのがウォーキングです。 忙しい人は、移動する際に目的地の一つ手前の駅で降りて、ひと駅分歩くだけでも立派な運動になるでしょう。 姿勢を伸ばし、できるだけ大股で早歩きを心がけるのがポイントです。

「NEAT(non-exercise activity thermogenesis)」も有効

NEATとは、non-exercise activity thermogenesis(非運動性活動熱産生)の略で、 日常生活で小まめに体を動かして消費されるエネルギー を指します。
特別な運動を取り入れずNEATを増やすだけでも、生活習慣病の予防につながります。例えば、エスカレーターやエレベーターを使わないようにしたり、電車で座らずに立っていたりすると、NEATが増えます。 運動が苦手な人や、忙しくて運動する時間がない人は、NEATを意識して行動するとよいでしょう。

生活習慣病の原因4:睡眠不足とストレス

睡眠不足やストレスの蓄積は生活習慣の乱れにつながり、生活習慣病の原因となります。

どんな生活習慣病につながるか?

睡眠不足

睡眠不足の慢性化は糖尿病や、冠動脈疾患などの原因となります。
睡眠は体内のホルモンの分泌に関与していて、慢性的な睡眠不足はインスリンの働きを抑制します。 寝不足は食欲が増すホルモンを増やすといわれており、肥満のおそれもあります。
また、睡眠は自律神経機能にも影響を与えます。睡眠不足で自律神経が乱れ交感神経が優位になると、血圧が上昇して心臓にも負担がかかります。

ストレス

ストレスが加わると交感神経が刺激され、血管が収縮し血圧が上昇します。
また、抗ストレスホルモン(コルチゾール)の影響で、血糖値が上がりやすくなったり、脂肪が蓄積されやすくなったりします。 こうした体の働きは心身を守ろうとする大切な防御反応ですが、過度なストレス状態が続くと、高血圧や糖尿病、悪性新生物(がん)などの生活習慣病を引き起こします。

生活習慣病を予防するためのポイント

睡眠不足

十分な睡眠時間をとれない人は、質のよい睡眠がとれるようにしましょう。
例えば、寝る前に強い光を浴びると交感神経が刺激され、眠りが浅くなります。 寝る前はなるべくPCやスマホを見ないようにして、部屋の明かりを間接照明に切り替えるなどし、リラックスすることを心がけましょう。
また、最適な睡眠時間については諸説ありますが、6時間以上とるのが理想といわれています。 毎日の生活で十分な睡眠時間を捻出するためには、ライフスタイルを見直し、工夫することも必要です。
寝不足のときは、15~20分程度の昼寝(パワーナップ)でカバーをすることができます。 昼寝では30分以上長く寝ないのもポイントです。 強い眠気を感じたときに昼寝をすると、血圧を一時的に下げることができるので、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の予防にもつながるでしょう。

ストレス

心身の疲労を感じたときは、無理をせず休養をとることが生活習慣病の予防にもつながります。
また、自分で対応できないストレスを抱えたときは、誰かに話し、相談することも大切です。 家族や友人に悩みを相談することで、自分自身の気持ちも整理できるでしょう。
すぐにできるストレス対処方法としては、深呼吸やストレッチなどの気分転換がおすすめです。 景色を眺める、散歩をする、趣味を持つなどリラックスできる時間を持つといいでしょう。

できることからコツコツと続けていくのが大切

生活習慣病は、病気の原因となるライフスタイルを見直し、健康増進に努めることで、発症や進行を予防できる病気です。
しかし、長年の生活習慣を変えるには、努力や根気が必要となります。 日々の積み重ねが大切になってくるので、まずは小さな部分から改めていき、持続することから始めてみてはいかがでしょうか。

※この記事はヘルスケア通信の管理栄養士が監修しています。

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編集部

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