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男性社員が多い職場でも、 女性の健康課題を理解し合える環境に!

株式会社リンクレアは、男性社員が8割を占めるITシステム企業。2016年には働き方改革を推進するプロジェクトが社内で立ち上がり、2017年度からは女性の活躍を推進するプロジェクトを発足。その一環として、ドコモ・ヘルスケア […]

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株式会社リンクレアは、男性社員が8割を占めるITシステム企業。2016年には働き方改革を推進するプロジェクトが社内で立ち上がり、2017年度からは女性の活躍を推進するプロジェクトを発足。その一環として、ドコモ・ヘルスケアが提供する「女性の健康向上パッケージ」を導入。より多くの女性が女性特有の健康課題によって職場を離れることなく、キャリアを継続できる環境づくりに取り組んでいます。

社内の女性活躍推進プロジェクトで“男女で知っておくべき「女性の健康」”を啓蒙


株式会社リンクレアは、男性社員が8割を占めるITシステム企業。2016年には働き方改革を推進するプロジェクトが社内で立ち上がり、2017年度からは女性の活躍を推進するプロジェクトを発足しました。
その一環として、ドコモ・ヘルスケアが提供する「女性の健康向上パッケージ」を導入。産婦人科医宋美玄先生による「女性の健康とキャリア」セミナーを2019年7月に開催し、女性社員だけではなく、男性管理職も共に女性特有の健康課題について理解を深めました。リンクレアではこれをきっかけとし、女性の健康課題をオープンにできる意識の共有、結婚や出産でキャリアアップを諦めない職場づくりを目指しています。

同プロジェクトを推進する樋口潤子さん(取締役 中部SIビジネス本部 本部長)、西﨑麻衣さん(第2 SIビジネス本部)、鳥海沙矢香さん(経営企画室)にお話しを伺いました。

 

多様な働き方ができるハンサムウーマンを増やしたい!

2020年に創業50年を迎えるリンクレアは、情報システムに関する各種コンサルテーションから、企画・設計・製造・保守まで、一貫したサービスを提供する独立系システム創造会社。創業50年、更なる先にある「100年企業」を目指すために、全社員が働きやすく、長く勤められる職場風土を整備する「L-SMART(エル・スマート)委員会」を2016年から設置しています。この働き方改革全社運動のキャッチコピーは、「人生を粋に、社員が輝く時間を創る」。有給休暇の取得推進、テレワークの推進、水曜日の定時退社やプレミアムフライデーの実施等、様々な観点から働き方を見直してきました。
こうした流れの中で立ち上がったのが、女性に特化した働き方改革プロジェクト「L-HANDSUM(エル・ハンサム)」です。

「もともと、女性社員の割合は2割程と少なく、結婚、出産を機に退職する人がほとんどでした。折角スキルを身につけたのに、こうした事情からキャリアを断ってしまうのは、本当に勿体ないこと。生産人口の減少という大きな社会課題がある中で、なるべく多くの女性たちに頑張ってもらえる環境を創りたいという思いからプロジェクトを立ち上げました。」と、L-HANDSUMプロジェクトリーダーであり、女性取締役でもある樋口さん。

「L-HANDSUM」の「エル」はリンクレアのエル。「ハンサム」は、格好いい女性を指すハンサムウーマン、また、「サム」には色々な働き方、多様な働き方を推進しようという思いが込められています。

同プロジェクトの特徴について、西﨑さんは「各部署の20~30代の若手女性社員が中心になって行うボトムアップの社内改革」と説明します。
最終目的でもある“継続勤務年数を伸ばす”ために、各部署から選出された女性社員たちが「ヘルスケア」「ワーキングマザー」「キャリアアップ」「リケジョ(理系女子)による技術開発」というテーマを持ち、それぞれの立場で女性社員が働きやすい環境をいかに整備するかについて、月1回ほど集まり、検討しています。
これまでの活動として、「リケジョ(理系女子)による技術開発」分科会では、例えばオフィス内の乾燥や悪臭がきつかった場合、生産性が落ちるのではないかという仮定のもと、オフィス内を測定、分析。女性の目線でIoTを取り入れ、社内環境を整える活動をしているという、リンクレアらしい取り組みも見られています。

今年に入り、「ヘルスケア」分科会で話題になったのは、「女性の健康経営」について特集していた、ある新聞記事でした。

働く女性の健康課題は、女性だけの問題ではない!

実際、女性社員が男性社員と共に働く中で、月経周辺の不調を上手く上司に伝えられず、悩む場面もあったと、鳥海さんは指摘します。
「月経痛で体調が悪く出勤できない時に、男性上司に月経痛のことを言い出せず、“サバにあたって具合が悪い…”と連絡した女性社員がいたという声が、本プロジェクトの耳にも入りました。今となっては笑い話ですが、なんとかしなくてはと思いました」

また、このような報告は、男性管理職側にとって対処に困るという声もあったそうです。
「月経痛だと言いにくいから他の理由にしただけかもしれませんが、例えば食中毒なら病院にはちゃんと行けたのか、どのような診断だったのかと、気になります。男性は察することは苦手なので、本当のことを言ってもらった方がいい。仕事の一つとして特有の事情を理解しようとしますから」

こうした背景もあり、「女性の健康経営」というキーワードが胸に刺さったと樋口さんは言います。
「弊社は、まだまだ男性社会。女性が活躍するためには、まずは男性に“女性の健康課題を色々知っておいてもらいたい”と感じたのです。月経前後の不調を口に出せないのは、女性も男性もお互い遠慮し、お互い対処法を理解できていないからではないかと…。女性の健康経営が進み始めた時流に乗り、このような話題を社内に放り込んでみようと思いました」。

そして、L-HANDSUM「ヘルスケア」分科会では、“女性の健康経営”をテーマとして活動することに。
「男性にも女性の健康課題を知ってもらいたい」という思いを叶えられると期待し、プロジェクトメンバーが注目したのは、ドコモ・ヘルスケアの女性の健康向上パッケージでした。

「これまで社外の人を呼んでヘルスケアについて学びの場を設けたことがなかったので、産婦人科医から正しい情報を直接聞けるという点に引かれました」(西﨑さん)

「1回のセミナーで終わりでなく、全12回(月1回)のヘルスケアコラムの配信がパッケージになっているので、ヘルスケアの習慣化が狙えるところも魅力でした」(樋口さん)

セミナー参加者の8割は男性社員。 職場&家庭で女性の健康を考えるきっかけに

樋口さんからこの話を経営陣に伝えると、スムーズに稟議が降り、満を持して社内に告知。ところが、最初は驚くほど反応が鈍かったと、西﨑さんは当時の苦労を語ります。
「まずは、社内イントラでセミナーの詳細を掲示したところ、ほぼ無反応…。そこで、社員の目につきやすい扉付近にポスターを掲示し、男性にも知ってもらいたいこと、宋美玄先生が講演することなどを強調しました。さらに、各部署で同メンバーがセミナーの主旨を説明して参加を促したり、男性管理職にも出席して欲しい旨を再度告知したりして、徐々に反応が出てきました」

「L-HANDSUMの活動だから、最初は先入観で、女性を対象にしている健康セミナーかなと。でも、女性だけでなく、女性の部下を持つ男性管理職が女性の健康課題を知り、スムーズな社内コミュニケーションを目指すという主旨なら、これまで思うところもあったので、参加しようと決断した男性社員もいらっしゃったそうです。

参加は個人の自由としましたが、セミナー当日は全国で約100名が参加。東京で開催し、関西・名古屋・九州オフィスにもテレビ中継をしました。プロジェクトメンバーの呼びかけが功を奏し、参加者の8割は男性社員でした。

この状況に、講演者の宋先生も「今日は男性社員がとびきり多いですね!」と嬉しそうに驚くほどだったと言います。

知っていそうで知らなかった、働く女性とピル、更年期のこと

セミナーのタイトルは、「男女で知っておくべき『女性の健康』」。
イラストやグラフ満載のスライドを使いながら、男女の体の違い、ライフステージごとの健康課題などを分かりやすく解説。

「告知後、女性社員から“自分の体のことは既に知っているし…”という反応もありましたが、受講後には、改めて知ったことが色々あった。想像以上に役立ったという声が多く寄せられました」(鳥海さん)

特に反応があったテーマは、ピルの活用法と更年期の対応について。

「ピルは月経痛を軽くする薬だと思っていたが、将来妊娠に向けても有効という話は、知らなかった」と西﨑さん。不快症状がラクになるだけでなく、妊活にもよい影響があるのなら、自分も検討してみたいと思ったそうです。

鳥海さんの周囲でも、これから結婚・妊娠を考えている人も少なくなく、ピルは話題になったと言います。
「ピルのことをよく分からないまま、副作用の心配があったり、抵抗感があったりしましたが、メリットと共にデメリットも正しく伝えてくれたのがよかったです。働く女性にとって、この情報は大収穫でした」

また、更年期について反応があったのは、女性社員よりも、むしろ男性社員だったという意外な面も。
「男性管理職の年齢層から、自分の奥さんが更年期に差し掛かっている人も少なくなく、更年期による心身の変化を自分事として捉えられたようです。女性の部下と共に奥さんのコンディションの変化も理解しなくては、という感想もありました。主旨は違っても、女性に対しての理解が深まったという点でよかったと思います」

「男性は、論理的に理解すれば、真面目に対応できると思います。変に驚いたりしませんから。だから、女性側も女性特有の健康課題が現れても、普通の事として上司に言えるようになるといいですね。次のステップとして、そうしたやりとりがよりスムーズになる対処方法を知りたいです」(樋口さん)

多様性を理解し、女性の視点を活かした事業展開へ

今回のセミナー導入のねらいだった「女性の健康課題を男性に知って欲しい」という点について、樋口さんは第一ステップをクリアできたと評価します。
「セミナーの内容を多くの男性社員にも聞いてもらえたというのは勿論、セミナー後も講演の内容はどうだった?と日常会話の中で健康課題のことを男性社員と気兼ねなく話せるきっかけになりました」

今後は、月1回、12カ月にわたって、女性のヘルスケアコラムをWEB社内報に掲載していく予定です。
「WEB社内報の“L-HANDSUMコーナー”にコンテンツを配信し、全社員がヘルスケア情報を閲覧できる状態にしていきます。ここでは、閲覧率や“いいね!”の数が確認できるので、反応を見つつ、ヘルスケアの習慣化、セミナーの継続化などを検討していきたいです」(鳥海さん)

また、樋口さんは、男女の特徴を活かし、お互い遠慮なく、働きやすい職場を目指していきたいと語ります。
「もともと女性は女性なりの感性があります。今は社内に向けて働き方やキャリアアップの仕組みを開発していますが、これを次の段階では新たなビジネスにしていきたい。女性のチームは、男性とは違う着眼点がありますし、今の社会に向けて新たな情報を発信する力がありますから。将来ビジネスになった時に何が生まれるか楽しみです」「今回のセミナーやヘルスケアコラムを発信することにより、今まで言い出しにくかった健康課題を表に出しやすくなると思います。“女性の活躍推進”と一口に言っても、新たに何かを変えたり、意識を変えたりするのは時間がかかるので、まずは、お互い遠慮なく感じることを言える環境にしていきたいですね」(樋口さん)。

今後、L-HANDSUMでは、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業として認定される「えるぼし」や、子育てサポート企業として認定される「くるみん」(共に厚生労働省認定)の取得を目指す意向です。

まとめ

経済産業省では、女性の健康経営の施策として、企業研修等で女性の健康について取り上げることを重要視しています。女性特有の健康課題に対する知識不足が女性の活躍の妨げにならないよう、男女ともまずは正しい知識を習得することが重要です。女性社員自らがプロジェクトを組み、男性社員と共にヘルスリテラシーを高める同社の取り組みに、今後も注目と期待が集まるでしょう。