インタビュー・導入事例
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国際女性デーに「女性社員の健康とキャリア」を考える!

丸紅株式会社(以下、丸紅)では、国連が定める「国際女性デー」(3月8日)に合わせて、ドコモ・ヘルスケアが提供する「女性の健康向上パッケージ」を導入。女性の健康維持・増進に対する取り組みや、女性社員が活躍しやすい環境づくりについて、お話を伺いました。

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女性の活躍に欠かせない「健康課題」を学ぶ丸紅の取組。

経済産業省「健康経営優良法人2019(ホワイト500)」に認定され、優良な健康経営を実践する丸紅。女性社員の割合は全体の3割ほどで、近年では会社の中枢を担う女性社員の比率が増えています。そうした背景から、「国際女性デー」にヘルスリテラシー向上のため「女性の体のしくみ・健康課題」を産婦人科医から直接学ぶ機会と共に、社内イントラネットで女性のヘルスケアコラムを連動して公開、さらに女性の生理周期・基礎体温管理アプリ「カラダのキモチ」を導入し、社員のセルフケアの習慣化をサポートしています。

ダイバーシティ・マネジメントの一環として、今回の事業を担当してきた、武村良平さん(グローバル・グループ人事課長)、糸矢由香理さん(グローバル・グループ人事課)内藤綾衣子さん(採用・人材開発課 課長補佐)にお話を伺いました。

 

きっかけは、商社初「国際女性デー」への取り組み

丸紅では「多様な個の力を活用・価値創造力を向上」することを目指しています。ダイバーシティ・マネジメントをより一層推進すべく、2009年に専門チームを設立。

従来の延長線上にないビジネスの創出のためには、様々な考え方・価値観・アイディアをもつ人財が必要であるという考えを、本社のみならず丸紅グループ全体で認知し、グループ内のダイバーシティをより一層推進する取り組みの一つとして、「Marubeni International Women’s Day」を開催しているそうです。

国際女性デーに記念イベントを開催し始めた経緯について、「英国から日本に駐在していたスタッフの『日本では国際女性デーを祝う習慣はないのですか?』という一言がきっかけで検討を始めました。日本ではあまり馴染みがありませんでしたが、理念とその歴史を知り、グループ全体でこの記念日を祝おうということになりました。」と内藤さん(写真)

総合商社で初めての取り組みとなった国際女性デーのイベントでは、女性社員のためのキャリアやマネジメントに関する基調講演やパネルディスカッション、グループディスカッションなどが活発に行われ、同じグループで働く女性社員同士のネットワークづくりやモチベーションアップにも有効な取り組みとなりました。

2017年度に続き、2018年度のテーマを検討していたところ、武村さんと内藤さんが注目したのは、経済産業省でも社会課題として取り上げている「女性の健康」です。

「社内で女性の健康課題が具体的に上がっていたわけではありませんが、周囲で不妊治療や女性特有の不調にまつわる話を耳にすることはありました。」と話す武村さんは、会社の中枢で活躍する女性が増えている中で、社員のヘルスリテラシーを向上させる取り組みを早いタイミングで実施する必要性を感じていたそうです。

内藤さんは、経済産業省発表の“女性特有の月経随伴症状などによる労働損失の試算は4,911億円”(※1)という数字を見て、Marubeni International Women’s Dayで「女性の健康」をテーマに取り組みを考えるようになったと言います。

「労働損失という視点や莫大な額の数字はとてもインパクトがありました。このデータを読み解くと社内で顕在化していませんが、同様の問題で悩んでいる女性社員は少なくないだろうと推測できました」。

※1 経済産業省ヘルスケア産業課「健康経営における女性の健康の取り組みについて」平成31年より 

「女性の健康向上パッケージ」導入でヘルスケアの習慣化をねらう

こうして、2019年3月8日「国際女性デー」記念イベントの一つとして、女性の健康に特化した社内プログラムを行うことに決定。具体的な内容を企画する段階では、様々な事例をリサーチしながら、実施方法に悩む場面もあったそうです。「女性の健康に関する企業の取組事例を調べましたが、更年期や生理周期など、女性特有の健康課題に特化してプログラムを実施している例が少ないことを知りました」(武村さん)

「今、世の中には、様々な健康アプリが存在しており、既に個人的に使用している人もいるようだったので、アプリだけを導入しても特徴が出にくいとも感じました」(内藤さん)

そんな課題を抱える中、女性の健康に特化したソリューション実績が豊富であり、専門医によるセミナーと女性の体調管理専用アプリがセットで提供される、ドコモ・ヘルスケアの「女性の健康向上パッケージ」に着目。

「まず、著名である産婦人科専門医の宋美玄先生のセミナーは、社員にも興味を持ってもらうきっかけになると思いました。そして、自分自身も仕事が忙しくなると健康管理がおろそかになったり、女性の健康課題については調べにくい部分もあったりするので、専門医の話しを聞いた上で、アプリやコラムで体調管理を習慣化できることに魅力を感じ、導入を決めました。」(内藤さん)

男性社員にも参加を呼びかけ、職場全体で理解を促す

女性特有の健康課題の一つである女性ホルモンの変動は、月経周期だけでなく、年齢・ライフステージごとに影響を及ぼします。そして、女性ホルモンの変動によって、体調が仕事に影響を及ぼすことも少なくありません。様々なライフステージにいる女性社員本人はもちろん、周囲の同僚も安心して協力しながら働くことができるよう、男性を含む全ての社員に、専門医によるセミナーを通じて、「女性の健康とキャリア」について理解を深めて欲しいと考えました。そのため、東京本社だけでなく、全国の拠点やグループ会社にも案内し、受講できるよう工夫を凝らしたそうです。「内容がセンシティブでもあることや、男性にも参加、理解を促すために、告知の文面には、気を遣いました。また、支社でもインターネット動画をつないでセミナーの模様を同時上映し、より多くの社員に参加を呼びかけました」(武村さん)

セミナー開催と同時に、講師宋美玄先生が監修する『働く女性のヘルスケアコラム(12本)』を社内イントラネットに掲載し、参加者で希望する女性には、女性の生理周期・基礎体温専用アプリ『カラダのキモチ』サービスを3カ月間提供。セミナーに参加できなかった人へのフォローアップや、セミナー内容の復習ができる仕掛けをし、細やかなフォローにもこだわりました。

知っていそうで知らない「女性の体のこと」を理解

セミナーは、平日10~12時に、社員の誰もが参加できる体制で開催。

一般職、総合職、管理職を問わず、男性社員の参加も見られました。

宋美玄先生のセミナーでは、タブー視されがちな「女性の体の仕組み」について、スライドの図説やクイズ形式を取り入れながら、楽しく、分かりやすい解説をいただき、受講者からは大好評。具体的な声としては、「宋先生の歯切れのよいお話に惹き込まれ、女性の身体・健康課題がよく分かり、とても有益だった」、

「職場でも家庭でも女性の接し方を考えるヒントをもらった」、「知識があれば何かあった時にも慌てず対処できることが分かったので、過度に心配する必要がなくなった」など、前向きな感想が寄せられました。

内藤さん自身も、月経にまつわる不快症状は積極的にコントロールしようというお話に、目からウロコだったと言います。「月経トラブル解消のために、ピルが有効であるという話には驚きました。毎月の不快症状は薬を上手に使い、耐えなくてもいいんだと思うと、気分がラクになりました」

また、セミナー開催中はネットワーク上でチャットアプリを使い、匿名で、質問を画面にリアルタイムに書き込みできるというシステムを導入。体の悩みは、なかなか皆の前で発言しにくいことから、チャット形式を取り入れるという配慮をしたところ、寄せられた質問は30件を上回りました。

「予想以上にたくさんの質問が寄せられ、普段から身体に関する疑問や不安を抱える人が多いことを実感しました。その場で質問を分類し、宋先生には数多くの質問に応答していただきましたが、回答に対して、重ねて次の質問の書き込みがあるなど、参加者の意識の高さを感じました」(内藤さん)

武村さんは、「宋先生のセミナー内容や質問で上がった率直な声を聞き、女性の部下を多く持つ身としてとても勉強になった」と、女性の健康課題に対する、職場で必要な配慮などについて理解できたそうです。質問内容は、参加者の年齢層も様々だったことから、月経周期や更年期のこと、中には自分のお嬢さんの身体に関することなど、多岐にわたりました。

「今回セミナーで寄せられた質問や意見は、普段人事に相談しにくいことでしょうし、相談を受けても人事ではダイレクトに対応しにくいものといえます。それだけに、上手く外部サポートを活用し、社員のヘルスリテラシー向上を強化することは、結果として健康維持・増進につながると感じています」(内藤さん)

「女性の健康経営」取り組みの第一歩に

今回、「女性の健康パッケージ」導入で上がってきた社員からのポジティブな声は、女性の健康経営を強化する第一歩になるとして、社内でも上々な反応だったと言います。

「今後の具体的な施策はこれから検討していきますが、今回の取り組みは手ごたえを感じました。引き続き女性はもちろん、男性社員のリテラシー高めることも課題と考えています。仕事のパフォーマンスにも関わる内容にもなるので、企業人として誰もが『女性の健康とキャリア』について理解することを促していきたいです。」(武村さん)

丸紅グループでは、「丸紅グループ健康宣言」を策定しており、丸紅の施策の一つとして、女性の健康維持・増進に向けた取り組みの強化を実施しています。

今後も社員一人ひとりが自律的・積極的に健康維持・増進に取り組むことができる環境づくりを推進することで、社員の活躍を支え、会社の成長につなげる考えです。

まとめ

経済産業省が注目する、健康経営における女性の健康に関する施策として、「リテラシーの向上」が挙げられています。女性にまつわる記念日に、ヘルスリテラシー向上を促す事業を企業として行うは、社会的なインパクトにもなる優良な事例といえるでしょう。