インタビュー・導入事例
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伊予市が取り組む「ますますい~よ健康ポイント」事業

伊予市では健康ポイント事業開始にあたり、ドコモ・ヘルスケアが提供する健康ソリューション「健康マイレージ」を採用。ウォーキングを楽しく続けることにこだわったスマホアプリを導入しました。
ウォーキングによる健康増進はもちろん、特定健診受診率アップも狙う取り組みについてお話を伺いました。

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楽しく歩いてポイントも貯まる!一石二鳥の健康アプリ「健康マイレージ」を導入

伊予市では健康ポイント事業開始にあたり、ドコモ・ヘルスケアが提供する健康ソリューション「健康マイレージ」を採用。ウォーキングを楽しく続けることにこだわったスマホアプリを2019年3月に導入しました。

「健康寿命の延伸のためには、若いうちから日々の健康づくりを意識して欲しい」と呼び掛ける伊予市では、健康寿命延伸対策の一つとして、「ますますい~よ健康ポイント」事業をスタートさせました。アナログ式のポイントカードと共にスマホアプリ「健康マイレージ」を導入することで、高齢者だけでなく若年層の参加、ウォーキングによる健康増進はもちろん、伸び悩む特定健診受診率アップも狙っています。

今回は伊予市民の健康づくりに取り組む、下岡裕基さん(市民福祉部健康増進課 課長)、平井隆雄さん(同課 係長)、松浦あずささん(同課 主任歯科衛生士)、小倉直子さん(同課 保健師)にお話をうかがいました。

 

市民の健康意識アップに向け、健康ポイント事業を実施

愛媛県のほぼ中央に位置する伊予市。南は道後平野から西は風光明媚な瀬戸内海に面しており、県都松山市から約10km、南予の玄関口となっているエリアです。

伊予市で健康ポイント事業を導入したのは、3年ほど前の2016年。
伊予市長が表明する「市民の健康寿命の延伸に向けた予防・健康づくりの推進」を背景に始まりました

当初は、市の指定管理施設で、歩いた距離やスポーツ教室などへの参加状況に応じてポイントを付与する事業を行っていました。貯まったポイントは同施設の利用券や健康グッズと交換できるというものでした」(平井さん)

健康づくりの新しい一歩を踏み出す施策として約1年実施した結果、要望として挙がってきたのは、このモデルを伊予市全域で実施して欲しいというものでした。

「当初のモデルは、結果として大変好評をいただきました。ただ、施設から距離が離れたエリアからの参加数は伸び悩んでいたこともあり、今後は伊予市全体で参加できる内容に刷新しようという方向が見えてきました。また、高齢者が中心になっていたので、若年層にももっと参加できる仕組みづくりも課題になりました」(松浦さん)

伊予市全地域で若年層の参加も狙い、スマホアプリ導入を決定

こうした課題を受け、健康増進課では新たな事業構想を練る中で、様々な自治体での事例をリサーチ。
ヒントになったのは、宇和島市が取り入れていた、市民参加型のスマホアプリを活用したモデルだったそうです。

スマホアプリなら、健康づくりのために市民が特定の施設に出向く必要がなく、伊予市全体での実施が可能です。ウォーキング推進においても、歩数計を用意することなく通勤や移動など日常活動の歩数が換算でき、若年層にも呼び掛けられます。当初のモデルでは高齢者の参加が中心でしたが、スマホアプリ導入により若いうちから健康づくりを意識してもらえると感じました」と、平井さんは『健康マイレージ』導入の決め手を語ってくれました。

一方、伊予市は高齢化率の高いエリアでもあります。
「スマホを持たない人にも健康ポイント事業に参加していただけるよう、冊子タイプのポイントカードも用意しました。」(平井さん)

アプリの “楽しさ”でモチベーションを上げ、ウォーキング継続・特定健診受診率アップを狙う

トライアルを経て、新たな構想を練り直してスタートした「ますますい~よ 健康ポイント」。18歳以上の伊予市在住の方ならどなたでも無料で参加可能です。

アプリをダウンロードし、スマホの歩数計測機能を使って歩数を記録すると、歩数に応じてポイントが付与されます
ポイントを累積すると500円相当の「達成券」がもらえ、市内の協力店で使用できるという流れになっています。

健康ポイント事業を刷新するにあたり、まずこだわったのは「ネーミング」と松浦さん、小倉さんは言います。

「保健センター内でネーミングを募集し、その中から候補を絞って投票を行ったところ、『ますます伊予市』という市のキャッチフレーズを活用したネーミングに決まりました」。


伊予市のご当地キャラ「あじの五勇士」

アプリ画面には、伊予市の伝説の食材をモチーフにしたご当地キャラ「あじの五勇士」(ミカン丸・おタイ・ビワひめ・クリべえ・ハモのすけ・)がデザインされています。
歩数に応じて「あじの五勇士」のバッジやスタンプをコレクションできる楽しみも。


スマホアプリTOP画面

「他の自治体が行っているアプリを見ていると、エリアを代表する街並みなどが背景になっていました。伊予市のイメージは?と考えたとき、市の特産物をキャラクターにした「あじの五勇士」を前面に出すことで、皆さんに親しみを持ってもらえるかなと考えました。伊予市らしく親しみやすいイメージが出来上がったと思っています」(平井さん)

さらに、「毎日の目標達成ポイント」を設けるという点も工夫しました。
「自分で1日の目標を決めてもらい、目標をクリアすると1ポイントが付与されます。これによりモチベーションを上げると同時に、毎日アプリをチェックする習慣づけをし、継続につながる仕組みをつくりました」(松浦さん)

また、伊予市では“特定健診の受診率が低い”という課題解決のために、2019年度から40歳以上の国民健康保険加入者の特定健診無料化を実施。この施策と健康ポイント事業とをリンクさせ、受診率向上を目指します。

「具体的にはがん検診受診や特定健診受診でポイントが付くようにし、受診率アップを図る仕組みをプラスしました。さらに特定健診を毎年連続受診するとボーナスポイントが付きます。」(小倉さん)

導入にあたって苦労した点については、「前例がなかったこと」と言う平井さん。
「スマホアプリを使った健康増進事業の前例がなく、戸惑いながらも上司に確認を取り企画・実行してきました。そのような中でもドコモ・ヘルスケアやドコモの営業担当の方がスケジュールの管理ややるべきことをひとつずつ明確にしてくれたので、精一杯取り組み、遂行できました

本プロジェクトは、平井さんを中心に3、4名で進めてきたそうです。

さらなる拡大に向け、1300人登録を目指す

導入にあたり、市民への周知にも力を注いでいます。
市の公式ホームページや広報誌、啓発チラシにアプリ登録用のQRコードを掲載しつつ、アプリ登録会の実施や市役所窓口でも随時説明するなど、サポート体制への配慮は欠かせません

「こちらが広報に力を入れても、自ら登録してくださる方は多くはありません。誰かが参加し始めると、私も一緒に!となりやすいので、市民が集まる施設での周知や登録のお手伝いをすることで、仲間で一緒に始めてもらえるような流れをつくっています」(小倉さん)

実際の登録者からの声を伺うと、保健センターの健康教室やサークルなど、仲間からの口コミの影響が大きいと、平井さんは感じているそうです。
「今後はこうした口コミを活用して上手く拡散していくなど、今の時代に合った周知を考えていかなければいけないと感じています」

健康寿命の延伸、地域活性

今後は、地域の企業や店舗を巻き込み、健康ポイント事業と地域活性を上手く連動していきたいと考えています

「この事業を行うもう一つの目的に“地域活性”があります。今後は地元の商店街などで、活発に『達成券(500円相当)』」が使用できるよう、協力店を増やしていきたいですね。地元のいつものお店で達成券が使えるなら、もっと歩こう!とモチベーションに繋がりますし、達成券を使ってもっとお買い物をしよう!と店舗の活性にも繋がります」(平井さん)

最後に下岡さんは、「我々が目指す最終目標は健康寿命の延伸です。その施策の一つである『ますますい~よ健康ポイント』の登録者が増えれば、より健康な市民が増えることに繋がります。まずはその入り口である登録者を増やすよう皆で知恵を絞り、働きかけていきます」と事業の展望を語ってくださいました。

まとめ

自治体の全域で多世代を対象にした事業を活性化するのは一筋縄ではいきません。
スマホアプリを上手く活用し、ウォーキングを軸にした健康ポイント事業を推進する伊予市の先駆的な取り組みは、今後もますます注目されるでしょう。