インタビュー・導入事例

2019/03/07

創業300年の企業を急成長に導いた経営者に訊く、社員のやる気を引き出す職場づくりと健康の秘訣

中川政七商店の十三代として経営をリードしてきた中川政七氏。現在は会長として会社を支える一方、JFL奈良クラブの社長としても手腕を振るう中川氏に、ご自身の健康維持の秘訣や、やりがいを持って仕事ができる職場づくりについて伺いました。

中川政七商店の十三代として経営をリードしてきた中川政七氏。現在は会長として会社を支える一方、JFL奈良クラブの社長としても手腕を振るっています。「ゼロから作り上げていくことにやりがいを感じる」と話す中川氏に、ご自身の健康維持の秘訣や、社員がやりがいを持って仕事ができる職場づくりについて伺いました。

地元サッカーチーム「奈良クラブ」の社長として新たな挑戦

中川氏が家業の中川政七商店に入社したのが今から17年ほど前。それまで卸業が中心だった業態を製造小売業に転換するなど様々な改革を打ち出し、生活雑貨部門の売上を就任時の13倍に延ばすほどの急成長を牽引しました。
2018年からは社長職を後任に譲り、自身は地元・奈良県に本拠地を置くサッカーチーム「奈良クラブ」の社長に就任。
新たなフィールドでゼロからのスタートを切りました。

奈良クラブの社長就任に伴い、最初に行ったのが「ビジョン」を設定し、目標設定を明確にすることだったと中川氏。
中川政七商店で掲げた『日本の工芸を元気にする!』というビジョンのように、奈良クラブでも『サッカーを変える 人を変える 奈良を変える』という旗印の下、サッカーを通じた魅力的な街づくりに取り組んでいます。

社員との認識共有で変化に対応できる集団に

中川政七商店では、社員同士はもちろん、社長とも気軽にコミュニケーションが取れるような職場環境を目指しています。

「社長室や会長室は設けずに、私にも誰でも気軽に相談したり提案したりできる環境にしています。名前を呼ぶときも役職で呼ばず『さん』付けで呼ぶというルールもあり、社内の雰囲気は悪くはないと思っています」

その一方、新しい事業を始めるに伴い仕事内容も次々に変わっていき、不安や戸惑いを感じていた社員も少なからずいたようです。
以前行った社内アンケートでは、業績が大きく飛躍していた時期だったにもかかわらず、社員の7割が「会社の先行きに不安がある」と答えていたといいます。

その点について中川氏は多いに反省をし、社員の不安感を払拭するため、事あるごとに、会社の状態や変化の必要性、自分たちの会社が外からどういう見られ方をしているのか、などをできる限り丁寧に説明し、理解してもらうように努めました

「会社が成長していく中で、事業内容も劇的に変わっていきましたが、変化は必ず起こることです。変化を好まない人も多いですが、それでも意識的に取り組むことで社員も変化に対応できるようになっていくと考えています」

上達こそが仕事を楽しむコツ

そのような変化対応も含め、社内勉強会を始めとした様々な方法で、プロ意識の向上、社員のなりたい姿への考慮に注力しているのも中川政七商店の特徴の一つ。
経営者として、皆を退屈させないよう、社員それぞれの成長を願い、常に新しいチャレンジができる場の提供を心掛けてきたと言います。
ただ、時にそのような成長を促す取り組みが、人によってはプレッシャーに感じてしまうこともあったようです。

「社員は基本的にみんな楽しく仕事をしていると思うのですが、ある時期、若手デザイナーがあまり楽しくなさそうにしていたんです。その理由について話をする中で、能力が追いついていないことが一番の原因だと考えました」

中川氏はサッカーに例えて次のように説明します。

「サッカーがうまい中学生でも、Jリーグのチームに入ったら、プロが相手ではボールに触ることすらできないじゃないですか。
デザイナーも一緒で、プロの世界に入ったら周りのレベルが高い。
レベルが高すぎて何もできないから楽しくない、自分はこのチームに向いていない…と考えてしまっていたんです。
先輩達は楽しそうなのに自分だけ楽しくないと、『チームが合わない』と考えてしまいがちですが、楽しくない本当の理由は自分が下手だから。
努力して練習してうまくなれば楽しいのに、そのための苦労や工夫を十分しないまま他のことのせいにしているのでは……と考えたのです」

そのため中川氏は、特に新人などに対して2、3年の間は目の前のことを一生懸命やってみるようにアドバイスしていたそう。
「仕事ができない時はつらいこともたくさんあるけど、上達してうまくできるようになれば色々なことが見え、仕事も楽しいと感じられるはずです」

楽しく働くことが生み出す好循環

現在、新たな環境でこれまで以上に忙しく働いているという中川氏ですが、若い頃よりも今のほうが、健康だと感じているそうです。
「仕事を楽しむこと」が元気の源になっており、だからこそ社員に対しても、楽しみながら仕事ができる環境作りを心がけているそう。

「大事なのは、従業員が仕事を『楽しくやること』。
自分で努力して仕事ができるようになると、楽しくなってモチベーションも上がってきます。

そうして芽生えた社員のやる気にしっかり応えるために、新しいチャレンジができる環境や、やった分だけ還元される環境を用意することは、経営者としての僕の役目だと思っています」

チャレンジ自体が活力になると語り、楽しく働くことの追求に余念がない中川氏。

「社長が楽しんでいないと、きっと社員も楽しくないですよ」

まとめ

自らの能力を高めることで仕事が楽しくなり、それが活力になってまた能力を高めていく。
その好循環が、心身ともに健やかに、社員がやる気を持って働くことにつながっているようです。

編集部

ヘルスケア通信の編集部

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