自治体 健康増進

2018/03/14

健康寿命を延ばす方法。健康のために地方自治体ができることとは?

健康寿命とは、簡単に言うと、「誰の助けを借りることなく、健康的に日常生活を送れる年齢」のことです。この記事では、健康寿命と平均寿命との違いから健康寿命の重要性、健康寿命を延ばすために効果的な方法についてご紹介します。

健康寿命とは、簡単に言うと、「誰の助けを借りることなく、健康的に日常生活を送れる年齢」のことです。 この記事では、健康寿命と平均寿命との違いから健康寿命の重要性、健康寿命を延ばすために効果的な方法についてご紹介します。
国は健康寿命を延ばすプロジェクトを推進しており、自治体レベルでも取り組みが必要とされています。

健康寿命の長さは真の健康の証し

いくら長生きできても、寝たきりになったり、介護が必要になったりすると、生活の質が大きく低下してしまいます。そうした事態を防ぐためには、健康寿命を延ばすことが大切です。

健康寿命とは

健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を自立して送れる期間のことで、平均寿命とは異なります。いかに延ばしていくかを課題に、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した概念です。 なお、平均寿命とは、死亡する年齢の平均ではなく、0歳児が生存し得る平均余命のことを意味します。

縮まらない平均寿命と健康寿命の差

厚生労働省の「平成28年版 厚生労働白書」によると、2013年の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳ですが、同年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳となっています。つまり寝たきりになったり、介護を受けたりしながら日常生活を送る期間が男性で9.02年、女性で12.40年あるということです。2001年には男性8.67年、女性12.28年となっており、この差はわずかながら拡大しています。

健康寿命を延ばす重要性

医療の進歩とともに平均寿命はさらに延びることが予想されています。そのため、健康寿命が平均寿命以上に延びないと、日常生活に制限のある期間が拡大し、本人の生活の質が低下するだけでなく、介護をする家族らの負担も大きくなってしまいます。
また、医療費や介護給付費など社会保障費の増大に伴う国家財政の圧迫も懸念されており、健康寿命を延ばすことは日本にとって喫緊の課題と言えるでしょう。
※参考:「平成28年版 厚生労働白書」(厚生労働省)

「健康寿命を延ばす」ために必要な取り組み

健康寿命を延ばすために、国は「健康日本21」という取り組みを進めています。どのような内容なのか、具体的に見てみましょう。

国の取り組み「健康日本21」

「健康日本21」とは

国は健康寿命を延ばすために、「健康日本21」と呼ばれる21世紀における国民健康づくり運動を2000年から始めました。第一次は2012年に終了し、2013年から2022年までの10年計画で次のステップである「健康日本21(第二次)」がスタートしています。
「健康日本21」の目的は、生活習慣病の一次予防や重症化の防止、地域間の健康格差の縮小などに取り組むことで、すべての国民が健康で心豊かな生活ができる、活力のある社会を実現することです。
これを実現するためには、国民一人一人が主体的に健康づくりに取り組むことが重要です。そこで、国は「健康日本21(第二次)」で、以下5つの目標項目を設定しました。

1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標
2)主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に関する目標
3)社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標
4)健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標
5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標


また、国民の健康づくりに対する意識を向上させて行動を促すには、国だけでなく社会全体で支援していくことが重要です。そこで、自治体レベルでも地域の健康課題を明らかにして、解決のための手段を考え、目標を設定する健康増進計画の作成と推進をする必要があります。

例えば、病気の予防法、健康診断のスケジュール、健康的で美味しい料理教室など、生活習慣を予防・改善するための情報が、多くの自治体のWebサイトや広報媒体に掲載されています。

Smart Life Project(スマート・ライフ・プロジェクト)

「Smart Life Project」は、「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンとする厚生労働省の国民運動で、人生最後の日まで健康的で、楽しく暮らせることを目標としています。「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」の3分野を中心に、健診(一般的な健康診断)と検診(特定の病気の早期発見を目的としたもの)の受診を加えて、企業や自治体と連携しながら健康寿命の延伸に努めています。

<自治体の取り組み例>
・保健センターで健康のつどいを開き、医師や歯科医師、薬剤師による相談コーナーを設けて健康づくりを支援。
・健康に関する講座を開催し、栄養効果が高くおいしい野菜の食べ方などを提案。
・食生活に関する調査を行い、調査結果を受けたメニューを提案。地域の協力店舗で野菜の増量メニューの割引提供キャンペーンを実施するなど、食生活の改善を指導。
・歩数計やスマートフォンのアプリを無償配布し、歩数に応じたポイントによって抽選で景品を提供することによるウォーキングの推進。

健康寿命を無理なく延ばす方法とは?

健康寿命を延ばすために必要な方法について、Smart Life Projectにおける取り組みを基にご紹介します。自治体で取り組む活動の参考にすると良いでしょう。

Smart Life Projectですすめている行動

適度な運動

適度な運動の代表例として挙げられているのは、毎日+10分間を目安とするウォーキングです。例えば、「はや歩き」です。通勤時に10分間、苦しくならない程度にはや歩きをすることは、生活習慣病の予防に効果的だとして推奨されています。
ほかにも「ひと駅分、歩くこと」「あと10分、歩くこと」「徒歩10分の距離に自転車や車を使わずに歩くこと」「携帯音楽プレーヤー3曲分を歩くこと」など、いずれも10分程度で済むウォーキングが例示されています。毎日取り組むことが大切です。

適切な食生活

厚生労働省は生活習慣病の予防のために、野菜を1日350g食べることを推奨しています。これに対して、日本人の摂取量は1日280gほどで、あと70g不足していると見られています。70gというのは野菜炒めなら半皿分、トマトなら半個分に当たります。生野菜のサラダより温野菜のほうが量を食べやすいでしょう。
また、朝食を取ることもすすめられています。

禁煙

たばこには約4000種類の有害物質が含まれていて、健康面のほか肌の美しさ、若々しさに悪影響を与えるおそれがあります。Smart Life Projectではさらに喫煙に伴う流産の可能性についても言及しています。

健診、検診の受診

日本人の死因の約6割は、がんや心臓病、脳卒中などの生活習慣病が占めています。そのため、生活習慣病の予防に努めるとともに、早期発見・治療をすることは、平均寿命と健康寿命を延ばす効果があります。
予防と早期発見に重要なのが健診・検診の受診です。健康診断や人間ドックを受診するなどして生活習慣病を予防し、病気の早期発見に努める重要性を地域住民に伝えましょう。
一方、検診の代表例はがん検診と歯科検診です。特にがんは早期発見・早期治療ができれば、完治できるものもあります。

ストレスをためない

ストレスをためないことも健康寿命を延ばすために大切です。過度のストレス状態が慢性的に続くと、メンタルに悪影響を与えるだけでなく、飲酒や喫煙量の増加、過食を引き起こして生活習慣病の原因になるおそれがあります。
厚生労働省では、ストレス解消のために以下のことをすすめています。

・リラクゼーション(腹式呼吸、ヨガなど)
・ストレッチ
・適度な運動
・快適な睡眠
・親しい人たちとの交流
・笑う
・仕事から離れた趣味を持つ

健康寿命延伸のために、地域住民への健康増進の取り組みを

超高齢化のさらなる進展が予想される日本において、健康寿命の延伸は国だけでなく、自治体でも本格的に取り組む課題となっています。医療の進歩で平均寿命は延ばせても、健康寿命は国民一人一人が努力をしないと延ばすことは困難です。
地域住民が関心を持ち、参加してくれるような取り組みが今後も求められるでしょう。

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編集部

ヘルスケア通信の編集部

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