健康経営

2017/12/28

【職場環境改善の成功事例】従業員満足度をアップする方法

職場環境改善は労働安全衛生法で努力義務として定められています。快適な職場にすることで、社員がそれぞれの能力を最大限に発揮できるようになり、仕事の効率も向上します。ここでは、職場環境を良くするための改善案を、具体的にご紹介します。

職場環境改善は労働安全衛生法で努力義務として定められています。
快適な職場にすることで、社員がそれぞれの能力を最大限に発揮できるようになり、仕事の効率も向上します。

では、どうすれば職場環境を改善できるのでしょうか。
ここでは、職場環境を良くするための改善案を、具体的にご紹介します。

職場環境が悪いようであれば、なるべく早く改善に向けた取り組みを始めましょう。

なぜ職場環境が悪くなるのか?

悪い職場環境をつくり出す要因はさまざまです。改善するには理由を一つずつ洗い出し、しっかりと向き合うことが大切です。
職場環境が悪くなる理由を大きく分けると、室内環境による物理的なものと、人間関係による心理的なものがあります。

物理的な原因の例として挙げられるのは、「建物が古く不便な面がある」「人が多くて狭い(暑い)」「会社から支給されているパソコンが古く、インターネット接続が遅い」など、比較的対処法がわかりやすいものです。

人間関係による心理的な問題が原因となっている職場環境の悪さは、いくつもの要素が絡み合っているケースが多く見られます。
「ワンマン社長が社員の意見を聞き入れてくれない」「高圧的な上司によるパワハラ」「部下が上司に意見を言いづらい雰囲気がある」といった環境下では、従業員に不満が生まれがちです。もちろん、上下関係だけでなく、同世代の同僚同士で不満が発生する場合もあります。

物理的であれ、心理的であれ、どちらの問題も従業員の不満を改善しないままにしておくと、悪循環が生まれて会社全体の雰囲気が次第に悪くなっていきます。

例えば、上司に対して意見を言いづらい状況を改善しないと、部下は不満がたまる一方です。たまった不満を社員同士で話すうちに「何を言っても話を聞いてくれない」という考えが蔓延し、仕事に対するモチベーションが下がり、部署全体の雰囲気が悪くなる…という悪循環が生まれてしまいます。

職場環境を改善することの重要性

職場環境が悪くなっている理由がどんなことであっても、自然に改善されるケースはあまりないのが現実です。

たとえ有能な人でも、ストレスを抱えている状態では、能力を最大限に発揮するのが難しくなります。また、士気が下がるような職場では、「自分だけが頑張っても仕方がない」と従業員が感じ、本来の力を発揮しない場合もあるでしょう。
職場環境が悪いと、会社自体の業績が下がるケースもあるため、改善することは重要な課題です。

しかし、自身も多くのタスクを抱えていると、従業員が日々感じている不満になかなか気づけない場合があります。そのため、従業員が自分たちの職場環境をどう思っているのか、尋ねる機会を持つことが大切です。

アンケートを採り、従業員が何を不満に思っていて、どんな要望を持っているのか、現状を把握しましょう。要望によっては、すぐに対応できることと時間を要することに分かれるかもしれません。できるだけ意見を汲み取って、反映してください。

すべての要望をすぐに改善できなくても、会社側が快適な職場環境づくりに取り組んでいるという姿勢が従業員に伝わり、そこから不満が軽減していく場合もあります。

なお、部署によっても改善点は異なるので、アンケートは部署ごとに行いましょう。
定期的に実施して従業員とコミュニケーションを持つ機会を増やし、常に新しい意見に耳を貸すことが大切です。

職場環境を改善する方法

自社が抱える問題点が具体的にわかったら、積極的に改善していきましょう。
中小企業など、職場環境を改善するための費用を捻出しにくい場合は、厚生労働省の助成金を検討してみるのも一つの手です。

職場環境の改善方法と成功事例1:従業員の勤務状況の見える化

勤務時間や残業時間を「見える化」することによって、従業員の負担の偏りがわかるほか、従業員自身も労働時間を意識して働くようになるでしょう。
従業員の勤務状況を把握する施策の一つとして、勤怠管理システムを導入するのも有効です。
個人の力量を超えた仕事量や残業時間の多さは、従業員の心身に負担をかけます。従業員全員が最善を尽くしていても仕事量がオーバーするようであれば、派遣やアルバイトなども含めた人員の増加を考えたほうが良いでしょう。
また、無駄な作業を洗い出し、業務の効率化を進めることも大切です。例えば、本当は必要のない作業なのに、「上司の命令だから」という理由だけで行っている場合もあります。

勤怠管理システムの導入するで、従業員の勤務状況の見える化に成功したT社の事例

機械製品の企画・清算を行うT社は、Excelで管理してきた勤怠時間と社員満足度アンケートの回答結果を勤怠管理と人事評価のシステムに統合。ダッシュボードを見ることで、社員一人ひとりが抱える業務上の問題や不満を把握し、個別に対応できるようになりました。
また、勤怠管理データから、36協定を超過する集団の特徴や傾向を把握しつつ、対象者を絞り込んで特定を実現。それにより、上司が素早くフォローできる体制を構築できました。社員間や部署間の業務量格差を可視化し、平準化に向けて取り組んでいます。
こうしたツールは補助金や助成金の対象にもなり、導入するためのハードルは低くなっています。種類や機能もシステムによって異なるので自社にとって使いやすいものを選ぶよう心がけましょう。

職場環境の改善方法と成功事例2:社員同士のコミュニケーション活性化

社員同士のコミュニケーションの活性化は、部署内、部署間、会社全体と分けて対策を行いましょう。
最も密にコミュニケーションを取りやすい部署内であっても、お互いの認識をすり合わせられていないケースがあります。

部署内のコミュニケーションに課題がある場合、1on1ミーティングを行うと良いでしょう。上司または他部署の上長が、部下と1対1で面談を行い、日常の何気ない話題から仕事上の悩みまで聞いていき、フィードバックしていく方法です。
上司と部下の間に信頼関係が築けていないと、部下はあまり本心を話せないので、注意が必要です。まずは信頼関係を築き、どんな目的で面談を行うのか共有したうえで、取り組みましょう。
また、メンター制度やチューター制度をつくり、先輩社員が若手社員の悩みを聞いたり、アドバイスしたりするようなシステムも有効です。1on1ミーティングやメンター制度、チューター制度には、指導する側のスキルアップも図れるメリットがあります。

コミュニケーションの取りづらい新卒社員と経営陣に対話の機会を作ったB社の事例

採用支援サービスを展開するB社では、新卒社員を対象にした経営陣との1on1ミーティングが、月に1回30分行われています。
話す内容は業務への悩みや将来の夢などさまざま。経営陣との対話を通してマインドセットや気づきを促すなどの効果をもたらしています。

社内全体のコミュニケーション

社内全体のコミュニケーションを活性化する方法としては、意見箱(目安箱)の設置が挙げられます。ちょっとした意見でも匿名で投稿してもらい、フィードバックする方法です。改善が必要な内容や、採用したほうが良いアイデアについては、従業員の意見を反映します。投書やフィードバックの内容、改善したり見直したり、アイデアは従業員に公開すると良いでしょう。意見が集まらない場合は、報酬制にしたり、テーマを設けて募集したりするのがおすすめです。

デジタル化した意見箱で簡単に意見ができる環境を作ったT社の事例

コールセンターなどを運用するT社では以前から郵便ポスト型の意見箱を設置していましたが、これをデジタル化してリニューアル。イントラネット経由で匿名性を保ったまま意見や要望を送信できるようになり、コミュニケーションの活性化に役立っています。

職場環境の改善方法と成功事例3:評価制度の見直し

仕事の成果が正当に評価されることは、従業員のモチベーションアップにつながります。反対に、評価制度が不透明だったり、公平でなかったりすると、従業員には不満がたまります。

人事評価制度は、評価する項目や要素を明らかにしましょう。また、どのような行動をすれば評価の対象となるのかといった、評価基準を知らせることも大切です。評価基準が明確になると、社員自身も何を頑張れば良いのかがわかりやすくなります。

評価内容は必ず社員にフィードバックしましょう。具体的に評価された点は、社員自身の励みになります。評価が低かった点については、原因と対処法まで示せるとベストです。アドバイスを参考に、社員なりに改善する努力を促すことができます。

加えて、評価の結果が給与などに反映されるシステムにすると、従業員のさらなるモチベーションアップにつなげられるでしょう。

人事制度と評価制度を多様化させ離職率を下げたサイボウズ株式会社の事例

サイボウズ株式会社は規模の拡大に伴って、次第に歪みはじめた人事制度を見直し、離職率を離職率28%→4%にまで低下させることに成功しました。
規模の拡大に伴い、積極的に人材を採用していた同社ですが、社員の定着率向上を目指し、人事制度を一新。3通りの働く時間×3通りの働く場所=9通りの働き方からなる人事制度を打ち出しました。人事評価は社内の市場価値に社外の市場価値を加えて評価されます。そのうえで、なぜその給与額になったかの説明を徹底的に行うことで、社員からの納得も得られ業績もアップしました。その後も等級制度の廃止など、さまざまな人事改革を行い、現在に至っています。

職場環境の改善方法4:メンタルヘルスケア

ストレスが原因で体調を崩す社員が出ると、欠員を埋めるまでの間、ほかの社員の負担が増えてしまいます。また、一人の病がほかの社員の不安を増長させる可能性もあります。
まずは、社員のストレスチェックを行いましょう。労働者が50人以上いる事業所には、ストレスチェックが義務付けられています。ストレスについての質問票を配って社員に記入してもらい、集計し、分析するものです。

ストレスチェックの結果は、医師などの実施者から社員に直接通知されます。社員本人の同意なしに個人の結果を企業が得ることはできません。「医師による面接指導が必要」と診断された社員から申し出を受けた場合は、医師による面接を依頼し、実施する必要があります。面接指導終了後、企業は医師からの意見を聞いた上で、必要に応じて労働時間を減らすなどの対処を行います。

なお、部署やグループといった一定人数の集団単位であれば、医師などの実施者からストレスチェックの集計・分析結果を提供してもらうことが可能です。集計・分析結果から社員のストレス要因が判明したら、できるだけ早い改善を心がけましょう。タスク量を調整する、コミュニケーションの活性化を図るなどの対応が必要です。

社員の中には、ストレスがたまっていることに気づいていない人がいるかもしれません。ストレスとどう向き合うか、どのように対処すればいいのか、講師を呼んで研修を行う企業もあります。ストレスをチェックした後は、フォローアップが大切です。 また、チェックリストなどを用意したストレスチェックだけではなく、若手社員が新入社員のOJTを担当することにより、ストレスの軽減に成功した実例もあります。

年齢の近い先輩社員によるケアで新入社員のストレスを減らしたの株式会社セントラル情報センターの事例

株式会社セントラル情報センターでは、入社2~3年目の社員が新入社員のOJTを担当することで、新入社員が気軽に何でも相談できるような環境を作り上げました。

これは、会社に馴染んでいない新入社員であれば、年の離れた先輩や上司よりも、自分と年齢の近い先輩の方が、相談しやすいだろうとの考えに基づいたもの。また、同じ理由で、何か間違いを指摘する際には、本人も受け入れやすくなります。担当につく若手社員も指導役を任されることにより、以前、先輩社員に言われて嫌だったことなどを振り返りながら、OJT担当者とはどうあるべきかを考えてもらえます。新入社員を指導することで、スキルの向上という副次的な効果を得られるようにもなりました。
このほか、労働安全衛生総合研究所が公表している職場環境改善に関わるストレス対策の良好事例集などもあります。企業によってどのような対策が適しているか変わりますので、自社にあった対策を考えましょう。

会社の風通しの良さと従業員の満足度は比例する

会社で最も大切なものは人材です。職場環境を改善していくうえでは、従業員自身の意見が欠かせません。意見交換が積極的に行われ、意思伝達がしっかりできている会社は、従業員の満足度が高く、プラスの相乗効果で業績も上がる傾向があります。

どれほど能力のある社員が多くいても、悪い職場環境を放置していると、悪循環を繰り返し、業績の伸びは期待できません。
従業員の満足度をアップし、長く働ける会社にするためにも、働きにくい職場環境は大きく変えていきましょう。

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編集部

ヘルスケア通信の編集部

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