組織の活性化
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社内コミュニケーションの重要性と活性化へ向けた企業の取り組み

この記事では、社内コミュニケーションにおける課題や、コミュニケーション活性化のためのツールやイベント、実際の事例をご紹介します。
社内のコミュニケーションが良好であることは、働きやすさの問題だけではなく、ミスを減らし労働生産性を向上させるためにも不可欠です。

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この記事では、社内コミュニケーションにおける課題や、コミュニケーション活性化のためのツールやイベント、企業における実際の事例をご紹介していきます。
社内のコミュニケーションが良好であることは、単に働きやすさの問題だけではなく、ミスを減らし労働生産性を向上させるためにも不可欠です。
また、組織が一体となって強みを発揮するためには、社員一人ひとりが十分なコミュニケーションのもとで企業理念や目標を理解する必要がありますよ。

 

社内コミュニケーションに対する企業の認識と課題

社内コミュニケーションに課題を感じている企業は多く、同時に社内コミュニケーションがうまくいかないことは業務を進めるうえで障害になり得るとも感じているようです。

では、企業が抱える社内コミュニケーションの課題にはどのようなものがあるのでしょうか。社員同士の隔たりには、年齢の違いや性別などによって生じるもの以外にも、部署間の隔たり、あるいは経営陣(役員)と社員の間にある隔たりのように、組織の風通しの悪さによるものが挙げられます。

このような社員間の隔たりによって社内コミュニケーションが悪化することにともなう弊害には、さまざまなものがあります。社員のメンタルヘルスに影響が出て離職者が増えることや、あるいは情報漏洩リスクが高まるといったことも考えられます。その結果、会社の業績そのものに影響が及ぶこともあるかもしれません。

風通しのよい環境づくりは企業にとって決して軽視できない課題であるといえるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化で得られるメリット

社内コミュニケーションが活性化し、良好なコミュニケーションが図られることによって得られるメリットには、次のようなものがあります。

第一に、社員同士の情報のやり取りがスムーズになると、報告・連絡・相談など業務の基本となる「報連相」が適切に行われるようになります。また、「誰がどんな情報を知っているのか」ということがわかっていれば、新たなタスクが発生したときにも、「誰に聞けばいいのか」「誰に頼めばいいのか」といったことが明確になります。

個別の業務レベルでは、社員同士の認識のずれが少なくなることで、認識のずれによって生じる業務のミスを防ぐことができるようになり、説明に割く時間も少なくて済むようになります。

さらに、部署や会社全体で考えた場合にも、社員の意識が同じ方向へ向かい、共通のビジョンを持って働くことができるようになります。また、他部署など普段あまり交流のない人と接触する機会が増え、お互いに意見を言いやすい環境になると、クリエイティブな発想が生まれやすくなるともいわれています。

何より職場で社員同士が話しやすくなるということは大きな安心感につながるため、社員一人ひとりの働きやすさが向上します。また、離職する社員が減るということも大きなメリットです。

社内コミュニケーションを活性化する方法

社内コミュニケーションの活性化を促すために社内の制度を整備したり、ITツールなどを導入する際のポイントをご紹介しましょう。

会社が主体となって制度やツールを導入しても、それだけではコミュニケーションが進むようにはなりません。導入の目的を理解したうえで、きちんと目標を設定し、制度やツールにあった工夫も必要になってきます。また、ITツールだけに頼らず、対面でのコミュニケーションも大切にすべきでしょう。

具体的な社内コミュニケーション活性化の手法には、以下のようなものがあります

ビジネスチャットツール・社内SNSの導入

社内でのやり取りをチャットで行うことで、グループ間でのやり取りもより柔軟に行えるようになります。従来のメールやメーリングリストなどよりも気軽に利用できるほか、社内にいるときだけでなくお互いに都合の良いタイミングでコミュニケーションがとれるといったメリットがあります。

フリーアドレス制度

座席を固定せず、好きな場所で仕事をすることをフリーアドレスといいます。日によって、あるいは時間帯ごとに異なる人たちと交流することができるため、部署間や上下間の隔たりを解消することができます。

社内報

社内報で特定の部署や社員を取り上げ、紹介することも有効です。印刷物やPDFファイルなどを社員に配布するだけでは、受け取っても読まない人がいますが、社内の共有スペースや掲示板に貼り出すことで、普段接点のない人のことを知ることができ、社員同士の会話のきっかけづくりにもなります。

社内イベント

社員全員参加のイベントを行うことも、社内コミュニケーションの活性化に役立ちます。研修旅行や運動会、お花見など季節ごとのイベントを実施したり、誕生日会やスポーツ大会などレクリエーションの機会を設けることで、社員同士の交流を深めることができます。

ランチや飲み会

社員同士の交流や親睦を目的としたランチや飲み会を定期的に開催することは、すでに多くの企業で実施されていることでしょう。その際、会社から費用の全額または一部を補助することができれば、社員の経済的な負担が減り、気兼ねなく参加することができます。

また、ひとつの部署内だけでなく他部署も含めて行うとより活性化につながりますし、社員同士がお互いを深く知ることができます。中には一般社員が役員と食事を共にするような場を設ける企業もあり、トップや経営陣の考えに直接触れることができる機会となっています。

ただし、社員によっては参加が難しい場合もあるため、このような場への参加はあくまでも任意とし、一律に全員参加を強制すべきではありません。

社内部活動

学校のクラブ活動のように、勤務時間外に共通の趣味を持つ人が集まり、部活動を行っている企業もあります。

野球、ランニング、フットサルなどのスポーツやアウトドア中心の活動は比較的よく知られるところですが、他にも文化・芸術分野の活動、あるいはボランティアや国際交流、社会貢献活動など、その領域は多岐にわたっています。

共通の趣味や目的を通じて集まった仲間と活動を共にすることで、仕事上のやりとりだけではわからないような意外な一面がわかることがあります。社内でふだん交流がない人たちともコミュニケーションができると信頼関係や一体感が生まれますし、職場に仕事以外の楽しみができることはモチベーションアップにもつながります。

企業の実例と効果

それでは、企業が実際に行なっている社内コミュニケーション活性化の取り組みについて、いくつかの実例をご紹介します。

例1:株式会社アカツキ

モバイルゲームなどを手掛ける株式会社アカツキでは、社内コミュニケーションの活性化のため、非常に多岐にわたる制度を設けています。

「Good and New」

「Good and New」とはアメリカの教育学者ピーター・クライン氏により開発された組織の活性化方法。アカツキでは、毎朝社員が集い、このGood and Newを行っているそうです。具体的には、ランダムに5〜6人の輪を作り、輪に対して1つのボールを用意。ボールを持った人が、24時間以内に起きた「楽しかったこと」「新しい発見」について、発表を行います。発表時間は30秒から1分程度で、発表を終えると全員で拍手して、ボールを次の人に投げます。

「全社員合宿と周年祭」

アカツキでは、半年に一度全社員合宿を行っています。目的は、“緊急ではないが重要なことを話し合う”こと。“アカツキらしさ”やそれぞれのチームでの仕事のスタイルについて、社員同士でじっくりと話しあう機会となっています。
また、年に一度、アカツキの創立を祝う周年祭も開催。社員全員お揃いのハッピや、部署ごとに異なるカラーの手ぬぐいが用意され、会場には焼きそばや焼き鳥、りんご飴やチョコバナナなどなど、お祭りらしい屋台がずらりと並ぶそうです。とても楽しそうな様子が目に浮かびます。

「役員ランチ」

従業員は誰でも月に一回、役員を直接指名してランチの機会を設定することができます。会社として従業員が役員と直接意見交換することを奨励しているため、費用は会社が負担するそうです。

その他にも、居酒屋感覚で社員が気軽に集まっておしゃべりできる「ふらり横丁」を月一で開催したり、誕生日に従業員からの激励や感謝のメッセージをまとめてバースデーカードをプレゼントするなど、様々な社内コミュニケーション活性化の施策に、精力的に取り組まれています。

例2:オムロン株式会社

電子機器メーカーのオムロン株式会社はヘルスケア製品などを展開するオムロングループの中核企業です。オムロンでは企業理念実践の加速を目的に、社員同士の対話を活性化する様々な取り組みを行っています。

「企業理念ダイアログ」

オムロンでは、5月のFounder’s Day(創業記念日)に合わせ、仕事を通じた企業理念の実践について理解を深めることを目的に「企業理念ダイアログ」を実施しています。このダイアログでは、社員が自らの企業理念の実践方法を語り合います。各部門やマネージャーがそれぞれ工夫を凝らし、様々な方法でダイアログを実施することで、参加した社員からは「普段から企業理念を意識しているつもりだが、改めて仕事を通じてさまざまな形で企業理念を実践できていることがわかった」などの声が挙がっているそうです。

また、オムロンでは企業理念の実践強化に向けて、立石文雄会長自らが世界の拠点をまわり、企業理念について世界各地の経営幹部との対話を行う「企業理念ミッショナリーダイアログ」も実施。2017年度は7か国で150名以上と行われたこのダイアログは、各地のマネジメント層にとって企業理念の実践に向けた行動を加速する機会となっているとのことです。経営層が直接社員に会社の方向性を伝えたり、実際に社員が企業理念を考える時間を作ることで、社員が同じ目標を持ち、会話の機会を増やしてコミュニケーション活性化につながることができます。

例3:株式会社カヤック

「面白法人カヤック」の名で知られる株式会社カヤックでは、その名の通り数々のユニークな制度を設けています。

「ぜんいん社長合宿」

カヤックは、経営理念や会社の文化を再確認するための制度として、年2回「ぜんいん社長合宿」を実施しています。その名のとおり、“全員が社長になったつもり”で、会社について真剣に考える合宿。お題は、新しい社内制度を考えるなど、その時によって様々だそうです。チームごとにブレインストーミングを行い、合宿の最後にアイデアを発表します。優勝チームの考えたアイデアが実際に社内制度として採用されることもあるそうです。この合宿を創業期から継続して行っていることもあり、社員が会社のことや業務のことを“自分ごと化する”という文化がカヤックには根付いているのです。

その他にも、「ぜんいんで成長のためのフィードバック」という取り組みも実施されています。これは、社員が成長するための指摘・アドバイスを全社員が相互に行うというもの。社長への指摘を、新入社員が行うこともできるそうです。

「スマイル給&コブシ給」

「スマイル給」とは、毎月、社員同士がよいところを見つけて、言葉にして贈る制度だそうです。一方「コブシ給」とは、社員に直して欲しいところを言葉にしたものです。

例4:株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモでは、ドコモグループ約3万人の従業員に向けた健康経営推進の取り組みとして、スマホやウエアラブル活動量計を用いた「ドコモみんなで歩こう!キャンペーン」を実施しています。

このイベントは全国各地のドコモグループ社員やスタッフが歩いた歩数を競い合うもので、グループ内のコミュニケーション活性化と健康増進を目的として毎年実施されています。回を重ねるにつれて参加者同士のコミュニケーションが活性化し、互いに励まし合うだけでなくメンバー同士で独自にウォーキング対策のミーティングなど、イベントが行われるようになったといいます。

社内コミュニケーションの活性化で企業の活力をアップ

多くの企業ではすでに社内コミュニケーションの活性化のため、何らかの制度を実施していることでしょう。また、新たな制度やツールの導入を検討している会社も多いのではないでしょうか。

しかし、何のために行うのかという目的を明確にしたうえで、しっかりとした目標設定に基づいて実施しなければ、社員の主体的な参加や期待される成果は望めません。各企業における実施例を参考にしながら、自社の文化・風土に合ったコミュニケーション活性化の方法を考えていくことが大切なのではないでしょうか。