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職場のモラルハラスメントとは?企業がすべき防止策と事後の対処法

いじめや嫌がらせを意味する「ハラスメント」。「パワハラ」や「セクハラ」という略語も浸透し、社会問題として取り上げられる機会も多く見られますが、「モラルハラスメント」は「職場いじめ」ともいえるハラスメントです。会社組織を円滑に運営するには、早期の実態把握と対策、防止策徹底が求められます。

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いじめや嫌がらせを意味する「ハラスメント」。「パワハラ」や「セクハラ」という略語も浸透し、社会問題として取り上げられる機会も多く見られますが、「モラルハラスメント」は「職場いじめ」ともいえるハラスメントです。
会社組織を円滑に運営するには、早期にモラルハラスメントの実態を把握して対策を行い、防止策を徹底することが求められます。
今回は、職場のモラルハラスメントについて、特徴や対処の仕方などをお伝えします。

 

モラルハラスメントとは?

モラルハラスメントがどのようなことを指すのか、まずは定義やパワハラとの違いなどを知っておきましょう。

モラルハラスメントの定義

モラルハラスメントは「モラハラ」とも略されます。モラルハラスメントの概念を提唱したのは、フランスの精神科医・マリー=フランス・イルゴイエンヌ博士です。1990年代後半のことでした。

主に言葉や態度、文書などにより特定のターゲットを攻撃し、人としての尊厳や人格を傷つける嫌がらせのことです。たいていの場合、周りの人にはわからないように、陰湿かつ巧妙に行われます。「精神的な暴力や虐待」と言っても良いでしょう。

職場でモラルハラスメントの実態をつかむのは、なかなか難しい部分があります。
陰湿に行われるという点も実態をつかみにくい理由の一つですが、被害を受けた側が「自分が悪い」と感じてしまうケースがあるためです。
逆に、行為者側が指導や教育のつもりで行っていても、被害者が不快に感じているとモラハラになる可能性があります。

モラルハラスメントか否かは、被害者が受けた行為をどのように受け取るかに左右されますが、そこに悪意があるか、客観的に見て必要かどうかが、指導や教育と異なるポイントと言えるでしょう。

モラルハラスメントとパワーハラスメントの違い

ここで、概念が似ているパワーハラスメントとモラルハラスメントの違いについて確認しておきましょう。

パワーハラスメントは、職務において上位にいる者が権限をふりかざし、部下に身体的あるいは精神的苦痛を与える行為のことです。周囲の目にもわかりやすく、表面化しやすい傾向にあります。

一方のモラルハラスメントは、職務上の立場や男性・女性に関係なくなされる行為です。例えば、部下が上司の命令に対してわざわざ聞こえるように皮肉を言ったり、舌打ちしたりして上司に精神的苦痛を負わせたという事例もあります。
モラルハラスメントは被害が表面化しにくいため、事実が発覚しづらい点が厄介です。

職場でモラルハラスメントが起こった場合の影響

モラルハラスメントは、ターゲットとなった被害者に精神的な苦痛を与えます。継続して行われれば被害者の心身に影響が及び、社内の雰囲気も悪くなるでしょう。
また、身も心も追い詰められた被害者が退職してしまうと、被害者が担当していた分の仕事は別の社員の負担になることが考えられます。
万が一訴訟などに発展すれば、企業イメージの悪化は避けられないでしょう。

職場で起こるモラルハラスメントの例

モラルハラスメントは周囲にわかりにくいだけでなく、本人ですら気付いていないこともあります。職場でよくある具体的な事例についてご紹介します。

無視や仲間はずれをする

あいさつをされても返さなかったり、職場の仲間の集まりに呼ばなかったりするなど、被害者を排除するような行動です。回覧などの社内で必要な文書や、連絡メールを送らないというケースもあります。

理不尽な言動をとる

きちんと話を聞くことなく、頭ごなしに否定するといった行為です。
「資料を整理しておいて」と命令したのに、相手が資料整理を始めた途端に「資料なんかよりデータ入力が先」と言ってみたり、必要事項を教えずに仕事を頼んでミスを誘い、ネチネチと絡んだりする行為も当てはまります。

業務上必要な情報を与えない

相手が仕事をする上で必要な資料や情報を与えず、困らせることもモラルハラスメントの一種です。
書類作成に必要な資料や情報を渡さなかったり、会議に関する連絡を一人にだけしなかったり、業務を遂行する上で必要な電話機やPCを与えないといったことが例として挙げられます。

能力より下の用事を言いつける

対象者の能力より、わざと低いレベルの仕事を与える行為です。
例えば、本来は仕事がデキる人に対して、コピーやお茶くみ、電話番といった雑務を言いつけるケースもあります。

陰でひそひそ話をする、本人の前で嫌みや暴言を吐く

陰で行われる誹謗中傷以外に、あえて目の前で言うケースもあります。
数人で集まり、ちらちらと目線を送りながら「え~、信じられない」「何それ~?」などと聞こえるように陰口を言い、ターゲットを嫌な気持ちにさせる行為です。
あえて目の前で言うケースには、会話中に呆れたようにため息をついたり、鼻で笑ったりといった相手を見下すような態度が含まれます。

プライベートに首を突っ込む

必要以上にプライベートに首を突っ込んだり、仕事に関係のない連絡を頻繁に寄こしたりする行為もモラルハラスメントの一例です。
休日に不必要に連絡をしてくるケースも該当します。

もしも職場でモラルハラスメントが起きたら

ターゲットとなっている人からの相談や、内部通報という形で職場のモラルハラスメントが発覚した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

事実を確認する

ハラスメントに関する相談や報告を受けたら、速やかに事実関係の確認を行うことが第一です。その際、必ず行為者と相談者の双方から話を聞きます。
もしも双方の言い分に食い違いがあった場合は、第三者にも話を聞くなどして、できる限り事実関係を正確に把握するよう心がけましょう。

話を聞く際は、中立・公平の立場を保ちます。感情的にならず、事実を冷静に把握する姿勢が大切です。

解決の手段を決定する

確認の結果、モラルハラスメントの事実が判明したときは、解決手段を定めて実行します。
解決手段はモラルハラスメントの実態や状況によってケースバイケースですが、可能であれば、行為者と相談者の関係が改善されるようにサポートすることが求められます。
そのほかには、職場の配置転換や加害者の懲戒処分といった対処も考えられます。

相談者のプライバシーを保護する

直接の被害者と第三者のどちらにしても、相談を持ち込んだ人のプライバシーを守ることには細心の注意が必要です。相談内容を不用意に漏らさないよう徹底しましょう。

職場のモラルハラスメントを防ぐには

職場におけるモラルハラスメントは、あらかじめ防止し、発生させないことも大切です。その手立てについて考えてみましょう。

企業としての姿勢を明確にする

企業としてモラルハラスメントを許さない姿勢であることを明らかにし、社員全員に認知させましょう。
同時に、ハラスメント行為が発覚した場合、行為者(加害者)にどのような処分を課すかも明確にしておきます。モラルハラスメントをした場合の不利益が明らかになっていないと、抑制につながらないからです。

就業規則など社内規定にモラルハラスメントに関する事項を盛り込み、周知徹底をはかると良いでしょう。

相談窓口を設置する

相談窓口を設置するのも防止策の一つです。モラルハラスメントに限定せず、仕事上の悩みを広く相談できる場として機能させたほうが、社員も相談しやすいかもしれません。可能であれば複数の担当者を置き、対応方法をマニュアル化しておきます。
また、社内では相談しにくいケースも考慮し、外部機関や専門家の利用も検討しておきましょう。

アンケートで実態調査をする

モラルハラスメントについて、匿名でアンケート調査を行う方法も有効です。相談窓口では把握できていない事例が浮上する可能性があるほか、ハラスメントの行為者に対してくぎを刺すことができます。

社員研修を実施する

「モラルハラスメントを受けた場合は、メモで良いので記録を残す」といったモラルハラスメントに関する知識を社員が学び、意識を高めることも防止する上で有効です。外部機関が実施していて、基礎知識や対応方法を学べる研修もあります。

社員それぞれが意識できるよう周知徹底を

モラルハラスメントは陰湿に行われるだけに、社内で起こったとしても状況をつかみにくいという特徴があります。まずはモラルハラスメントを認めない姿勢を明確にし、違反した場合は相応の処分があることを周知徹底させましょう。
もしもハラスメント行為が発覚した場合は厳格に対処し、再発防止策を講じる必要があります。風通しの良い人間関係を築き、ターゲットとなった人が孤立しない組織を目指しましょう。

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