組織の活性化

2018/03/28

なぜモチベーションアップが会社に必要?

企業にとって従業員のモチベーションアップがいかに重要であるかということ、そして従業員のモチベーションアップのための要件を踏まえ、会社側ができる方法やポイントを紹介します。モチベーションアップについて理解し実践することで、会社の業績向上やイメージアップを目指しましょう。

今回は、企業にとって従業員のモチベーションアップがいかに重要であるかということ、そして従業員のモチベーションアップのための要件を踏まえて、会社側ができるモチベーションアップのための方法やそのポイントについてご紹介します。モチベーションアップについて理解し実践することで、会社の業績向上やイメージアップを目指しましょう。

モチベーションアップを行うメリット

従業員のモチベーションアップは会社にとってどんなメリットをもたらすでしょうか。

従業員のパフォーマンスが向上する

まず、モチベーションが上がることによって、従業員の仕事に対する姿勢が前向きになり、仕事に対して情熱を注いで取り組むようになります。従業員のモチベーションが高いと会社への忠誠心が高い傾向にあるといわれており、個人の能力の高さとの相乗作用によって仕事のパフォーマンス向上に対してプラスに働きます。その結果、従業員個人の仕事の質が高くなり、会社への定着率と組織全体の士気が向上することも期待できます。

従業員満足度向上で会社の業績向上へとコミット

また、従業員満足度を上げることはモチベーションを上げるひとつの大きな要素になりますが、モチベーションが向上することで仕事の楽しさや意欲が増し、さらに満足度が上がるという好循環を生み出す関係にもあります。従業員満足度の高い会社は従業員のモチベーションが高いという報告もあり、モチベーションと従業員満足度は、相互に影響する密接な関係にあることがわかります。

会社のビジョンや目標への共感がある場合、従業員のエンゲージメント(会社に対するつながりの強さ)も高くなるといわれています。したがって、従業員満足度を高めるためには単に福利厚生を充実させるといった措置よりも、会社や経営者から従業員に対して「人は財産(人材=人財)」というような従業員を大切にする姿勢を示し、環境を整備することが必要です。

一方で、従業員のモチベーションアップや従業員満足度の向上には、質の高い従業員の離職率を低減させる効果もあります。従業員の離職率が低いほど、ノウハウの蓄積や組織成長のさらなる加速が期待できるため、長期的な視点からも会社の業績向上につながると考えられます。

さらに、離職率が低いことは外部からみた場合にも従業員満足度が高い会社であると判断される根拠のひとつとなるため、企業評価が上がって採用倍率が高くなり、さらによい人材を得る機会も高まると考えられます。実際に、従業員満足度向上の取り組みを実施している会社のほうが、従業員満足度が低いままの会社よりも業績向上力が高いという調査結果もあります。

このように、職場環境の整備や社内制度の改善などによる従業員のモチベーションアップに基づき、従業員満足度の向上や離職率の改善などに結びつけることができれば、会社の業績向上にもつながります。

では、逆にこれらの取り組みを行わず、従業員のモチベーションや満足度が低い状態を放置してしまうとどうなるでしょうか。生産性の低下や従業員の離職率の上昇をもたらし、直接会社の業績の低下につながりかねないことは当然ですが、働き方改革などで職場環境に関心が高まっている現在の社会状況にあっては、会社の評価が下がり、採用倍率の低下とともに優秀な人材の確保ができないという状況を招きかねません。

現代社会ではSNSなどの広がりもあり、従業員の不満や不安は離職率以外の形でも外部へ伝わってしまう状況にあります。いつのまにかブラック企業と呼ばれてしまうリスクを避けるためにも、従業員の満足度やモチベーションのあり方に気を配る必要があるのです。

しかし、単純に給料を上げたり福利厚生を充実させるといった施策だけでは、従業員満足度は上がったとしても、新たなモチベーションにつながる欲求や目標が見出せない場合には、従業員の気持ちが現状の満足状態にとどまり、会社内にいわゆる「ぬるま湯」的な文化・風土が広がってしまう恐れがあります。

そうなると、従業員の満足がそれ以上の業績の向上につながることは期待できず、会社にとって十分なメリットがあるとはいえなくなってしまいます。したがって、モチベーションアップのための施策を導入する際には、それが業績向上に寄与するかどうかを精査し、見極めることも必要です。

部下・従業員のモチベーションをアップさせる方法

モチベーションアップにつながるポイント

人は自分の好きなことや得意なことを発揮できる仕事に楽しさや喜びを感じやすく、積極的な取り組みや自発的な努力が期待できます。したがって、その人の自発的なやる気を引き出すための動機付けには、次の3つのポイントを押さえておくことが大切です。

その1.自分が一番得意なこと
その2.自分の大好きなこと
その3.所属している部署から求められていること


逆に、その人の適性や好みに合わない仕事を与えてしまった場合には、十分に実力が発揮されないばかりでなく、仕事へのモチベーションが下がって離職者が増加します。

社員のモチベーションの向上・維持につながるよう、次の5つのポイントを意識して、従業員一人ひとりに合った適切な目標やテーマを設定できるようにしましょう。

やりがいのある仕事

やりがいを感じることは仕事への意欲を引き出し、従業員の積極的で主体的な仕事への取り組みを期待することができます。仕事を割り振るときには、その人がその仕事のどこにやりがいを見出せるかを考えてみましょう。

リーダーシップ

マネージャーの役割は従業員の目標を設定するだけではありません。社員一人ひとりの欲求をヒアリングすることによって、それぞれの目標設定内容に合ったニーズを満たせるような業務指示を出すことが重要です。そのためには、従業員一人ひとりの高い意識につながる業務内容として何が適切なのかを考え、リーダーシップを発揮して従業員の気持ちをくみ取る上司の役割が大切なのです。

成長と機会

会社の中では通常、受け身のスタンスの社員よりもスキルやモチベーションの高い社員のほうがさまざまな成長機会を得やすいという環境があります。このことを社員に認識させ、自身のモチベーション次第で成長の機会が得られると意識させることも有効です。社内におけるキャリア像を構築することで、さらなるモチベーションの向上へとつなげることもできます。

表彰と報酬

すでに仕事の成果に対して何らかのインセンティブを設定している企業は多いことでしょう。しかし、成果ばかりではなく、従業員の士気を高める努力を評価して定期的に報酬を与えることもまた重要です。プロセスが評価され努力が認められることは継続的なモチベーションアップには欠かせません。また、表彰されることで周囲に対する承認欲求が満たされ、自分自身を肯定的にとらえる「自己有能感」を保つことができます。

人に焦点を当てた文化

人材が最大の資産であることを理解している会社にとって、従業員のモチベーションアップは、会社の業績向上を目指す上で重要な経営課題のひとつとなります。社内に強固な信頼関係を構築し、仲間意識を持つことのできる職場環境を作り出すことが、モチベーションアップのために不可欠であるといえます。

モチベーションについて考えるうえでよく取り上げられる考え方に「マズローの欲求5段階説」というものがあります。人の基本的欲求は、低次なものから順に生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求の5つの欲求がピラミッドのように積み重なっていて、低階層の欲求がある程度満たされると次の欲求を求めるようになるという考え方です。これらの欲求が人の行動の動機、つまりはモチベーションになると考えられるのです。

これはあくまでもひとつの説であり、単純にこの順番通りに進むとは限りませんが、モチベーションとは満たされていない欲求の実現を求めて生じる感情であると考えることができます。その人の欲求がどこにあるのか、何に満足して何が不足しているのかを知ることは、モチベーションを内側から向上させるための大きなポイントであるといえます。

たとえば、すでに満たされている欲求に対してインセンティブを与えても、大きな効果は望めないでしょう。逆に、生理的欲求、安全欲求といった低次の欲求が非常に低いレベルでしか満たされていなければ、モチベーションを保つ以前に従業員の気持ちは離れていってしまいます。

また、先ほどの「ぬるま湯」の風土の例では、低次の欲求が満たされた満足感にとどまってしまい、次なる新たな欲求へと従業員の気持ちが自発的に動かない状態にあると考えられます。この信頼関係や仲間意識というものは、まさにマズローの言うところの社会的欲求に相当するものです。強い信頼関係によってこの欲求が満たされていると、高いパフォーマンスを発揮するためのより高次の欲求へとモチベーションを上げることにつながりやすいのです。

社内のコミュニケーションを活性化して、仲間との関係が良好であれば、安心した気持ちで業務に取り組めるだけでなく、互いに評価し合うことで承認欲求に対するモチベーションを上げることにもつながります。ときには、給与や労働条件といった低次の欲求が十分に満たされない状態でも、強い信頼関係に基づく満足度から、より高次の欲求へと感情が向かうこともありえます。

また、組織の中で必要とされていないと感じたり、失敗を繰り返して無力感を覚えるようなときにも、仲間の存在や上司との信頼関係によって救われるという環境は、従業員が職場に定着するためにも非常に大切です。

その逆に、社内に確固とした信頼関係が築けていないとどうなるでしょうか。人は社会的欲求が満たされないと、孤独感や不安を感じやすくなるといわれます。従業員はリストラに対する不安や過度のストレス、ハラスメントによる悩みなどのさまざまな問題を解決するどころか相談すらできずに、パフォーマンスの低下、さらには離職にまで至ってしまうこともあるでしょう。人間関係を直接の離職理由に挙げる人もまた少なくありません。

離職にまでは至らなくても、従業員が不安や悩みを抱えたままでは、会社は従業員の本来持っているポテンシャルを見出すことができずに、業績が低迷したままの状態に陥ってしまうという可能性も出てきてしまいます。

このように、モチベーションをアップして従業員の意欲をより高い意識に向かわせるためには、職場における強固な信頼関係の構築が実に重要なポイントになるのです。繰り返しになりますが、従業員のパフォーマンスの質を上げ、満足度を高め、離職率を減少させることによって、会社としての業績と社会的評価の向上につながるということを理解して、日頃から従業員のモチベーションアップを意識したマネジメントを心がけることが大切です。

従業員のモチベーションアップにつながる施策

1 on 1ミーティングの実施

会社が組織成長のことしか考えなくなると、それは自然と従業員にも伝わってしまい、離職率が高まってしまいます。会社と従業員との間に強固な信頼関係を築いてこそ、モチベーションアップにつながる職場環境が実現します。
社員一人ひとりが安心して自分の目標に向かう内発的動機付けを行うこと、そして成長できる機会と環境を会社が整備することがモチベーションアップには不可欠です。それぞれの従業員に合った適切な目標を設定するためにも、個別のヒアリングや話し合いは非常に重要な役割を担っています。従業員の欲求や希望、不満や不安などをうまく引き出せるよう、1対1の話し合いの中で信頼関係を作っていきましょう。

メンター制度

メンター制度を導入することで、業務内容における改善について、個人に焦点を当てた相談の機会を日常的に持つことができます。このような関係性は、職務上の成長を促すだけでなく、新しいスキルの取得や考え方を学ぶ機会にもなり、従業員のパフォーマンスの可能性を広げることにもつながります。

業務外コミュニケーションの実施

朝礼など業務外の時間を利用して、モチベーションアップにつなげるような工夫をすることも考えられます。たとえば、始業前に「その前日に起きた良い出来事」を共有することで、一日中新しい発見や良いことに視線が向くようになると、職場の雰囲気が向上して、「楽しい職場」という感情が生まれるだけでなく、ポジティブな思考を促してモチベーションアップへとつながります。

モチベーションアップ&キープさせる秘訣

モチベーションアップとともにモチベーションを維持させるためには、正しい目標設定と環境設定がポイントとなります。設定した目標が高すぎるとなかなか実現できず、逆に低すぎると簡単にクリアできて達成感が得られないため、いずれの場合も逆にモチベーションが下がってしまうことがあります。
毎日達成できる程度の小さく細かい目標を設定し、目標を更新しながら毎日の成功体験を繰り返すことで好循環が生まれ、高いモチベーションを継続的に更新することにつながります。

部下のモチベーションを上げるのは実は難しい

モチベーションにつながる成長目標は、個々の従業員に合わせて設定されるべきであり、それぞれの目標に合わせてどのような案件を任せるのがよいのか、上司が的確にくみ取ることも、モチベーションアップのための課題のひとつとなります。

モチベーションアップと報連相との関係

報告・連絡・相談を意味する「報連相」-仕事の基本とも言えるこの報連相の質を高めることは、結果的にモチベーションアップにもつながります。新入社員が最初に教えられることのひとつが「報連相」ですが、新入社員が自ら上司に対して行うだけでなく、先輩社員から上司に報告するときにも必要となる、社内コミュニケーションの基本が報連相であるといえます。

たとえば先輩や上司に相談する場合でも、単に「どうすればよいか」という指示を求めるだけではなく、自分の考えを持ったうえで相談するように心がければ、意思疎通の質がより向上します。報連相を基本としてコミュニケーション能力を高めることは、意思疎通がうまくいかないことによる業務上のミスを防ぐだけでなく、上司が部下の状況を正しく理解・把握することを通じて社員一人ひとりのモチベーションアップにもつながります。

その他のモチベーションアップの方法

ゲームを利用したモチベーションアップの方法

ゲームをする感覚でビジネスをこなす-といっても、遊び半分で仕事をするということではありません。ビジネスなどゲーム以外の分野における課題解決などのために、ゲームデザインの技術やゲームの持つ要素を取り入れて「ゲーム化」する手法をゲーミフィケーション(gamification)といいます。
ゲームの感覚を取り入れることで仕事の中に楽しみが生まれ、それ自体が内発的動機付けにつながりますし、ゲーミフィケーションを通じて、ビジネスのプロセスを楽しむという感覚を身につけることもできます。
ゲーミフィケーションを実践するには、事前に以下の条件を設定しておくことが重要です。

条件1:目標や課題の設定
条件2:タスクの見える化
条件3:業務内容に対するリアルタイムでのフィードバック
条件4:成果報酬の設定

スポーツ選手から学ぶモチベーションアップにつながる秘訣

プロのアスリートにとってモチベーションの維持・向上は死活問題であるといってもいいでしょう。彼らはどのようにしてモチベーションを高めているのでしょうか。
たとえば、自身の仕事によって社会にどのような影響を与えられるか-こうしたことについて考えることがモチベーションアップに結びつくという点では、ビジネスの世界にも大いに通じる部分があるといえます。

アプリを使ってモチベーションを上げる方法

最近では、アプリで生活リズムや食事を記録したり、運動をサポートしてくれるサービスも出てきています。さまざまな健康アプリが使い放題のサービス「dヘルスケアパック」(月額500円・税別)では、ウォーキングやトレーニングの管理に加え、睡眠や食事記録、ダイエットに向けた管理栄養士のアドバイスなどが提供されています。

モチベーションアップできる音楽とは

モチベーションを上げる効果の高い音楽とは、どのようなものでしょうか。曲調としては疾走感・爽快感のある曲を選ぶとよいでしょう。やる気を引き出すためには、アップテンポで力強い曲を流すことがモチベーションアップにつながります。元気が出るようなポジティブな内容・イメージのある曲、たとえばサッカーワールドカップのイメージソングのようなものがよいでしょう

従業員のモチベーションアップは会社の業績向上のためにも重要であり、また従業員のモチベーションが低下した状態では企業のさらなる成長は望めません。しかし、従業員満足度を高める施策によってモチベーションの低下を防ぐことはできても、必ずしも業績アップに結びつくとは限りません。

従業員一人ひとりのモチベーションアップが会社の業績向上につながっていくためには、質の高いコミュニケーションから生まれる信頼関係の構築とマネジメントの視点が必要とされます。

その一方で、気分が上がる、気持ちよく仕事ができる、ゲーム感覚で仕事に楽しみを見出すなどのちょっとした工夫も大切です。モチベーションアップの仕組みづくりに向け、まずはすぐに始められることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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編集部

ヘルスケア通信の編集部

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