健康経営

2018/03/23

企業の労働生産性を高めるには?生産性の計算方法と施策のアイデア

業種や職種を問わず、日本国内の多くの企業で求められているのが「労働生産性を向上させる施策」です。この記事では、労働生産性をめぐる現状、労働生産性を測るための計算式、労働生産性を向上させるための対策方法について解説していきます。

業種や職種を問わず、日本国内の多くの企業で求められているのが、「労働生産性を向上させる施策」です。 この記事では、労働生産性をめぐる現状、労働生産性を測るための計算式、労働生産性を向上させるための対策方法について解説していきます。 まずは自社の労働生産性を把握し、問題点を洗い出して対策を講じましょう。

労働生産性をめぐる現状

労働生産性とは何なのか、まずはその定義と、世界と比べた際の日本のデータなどをご紹介します。

労働生産性とは

労働生産性は、労働者1人、もしくは労働時間1時間あたりの生産量や生産額のことです。投入した労働力に対して、どれだけの成果が得られたのか、効率性を知るための指標となります。

従業員1人あたり、もしくは1時間あたりの生産量が向上すれば、企業の利益が拡大します。 また、その利益の分配により、従業員の賃金アップにもつながります。

労働生産性にまつわるデータ

日本の国内総生産(GDP)は、2010年に中国に抜かれるまで40年以上も世界第2位でした。
経済成長により世界第二の経済大国として名を馳せてきたものの、労働生産性については世界的に見ると決して高くなく、むしろ低いことが調査結果で判明しています。

「公益財団法人日本生産性本部」が発表している「労働生産性の国際比較 2017年版」によると、2016年の日本の1時間あたりの労働生産性は4694円でした。
これはOECD(経済協力開発機構)のデータをもとにした数値(就業1時間あたりの付加価値)で、OECD加盟国35カ国中でのランキングでは20位と低い位置にあります。

米国と比較した場合、日本の1時間あたりの労働生産性は3分の2程度にとどまります。主要先進7カ国では最下位となっており、1970年以降変わっていません。

※参考:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2017年版」

経済産業省が発表しているデータによると、2000年以降、日本の労働生産性はリーマンショックの影響で全産業において2008~2009年に低下しました。
その後、上昇はしたものの、近年は横ばいの状態が続いています。

国内の産業別に比較をすると、サービス業・製造業・建設業の中では、建設業の労働生産性が近年大きく上昇しています。

これは、アベノミクスによる投資の増大や、東日本大震災後の復興活動により、需要は増えているのですが、建設業に従事する労働人口は減少傾向にあり、必然的に労働生産性が向上したものです。

※参考:経済産業省「各種指数で計測した業種別労働生産性の変化」

労働生産性を測るための計算式

ひと口に労働生産性と言っても、何をどう見るのかによって計算式も数字も異なります。
付加価値生産性と物的生産性の2つの意味合いと算出方法を見てみましょう。

基本的な計算式
労働生産性の基本的な計算式は以下の通りです。

生産量÷労働者数
もしくは
生産量÷(労働者数×労働時間)

上の式の「生産量」を何と捉えるかにより、労働生産性の算出方法は異なります。

①付加価値生産性
新たに生み出した付加価値を「生産量」とするのが、付加価値生産性です。
企業は一般的に、原材料を社外から調達し、手を加えて販売し、売上を得ます。
付加価値生産性見ることで、手を加えたことにより、どれだけの付加価値を生み出せたのかがわかります。
付加価値額は、売上高から原材料費や外注加工費、機械の修繕費など外部から購入した費用を除いて算出します。
付加価値額には、人件費・賃借料などの企業運営費、経常利益、減価償却費などが含まれます。

②物的生産性
生産したものの量を「生産量」とするのが、物的生産性です。
生産したものの価格はそのときどきで変動するため、生産現場における効率を純粋に見るときなどは、物的生産性がよく用いられます。
生産効率の推移を追う場合の指標にもなります。
なお、「生産したものの量」とは、生産した個数や大きさ、重さです。

労働生産性を高める方法

労働生産性の向上というと、「働き手が短時間でより大きな成果を上げられるようにする」といった発想になりがちです。
しかし、職場全体として無駄を省くなど、慣習を見直すことも重要です。
労働生産性を高めるための企業の取り組みについて見ていきましょう。

労働生産性を高めるためには何が必要か?

労働生産性を高めるための施策は数多く存在し、企業によっても必要な対応は異なります。ここでは、「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」が調査した中で、「労働生産性を(さらに)高めるために必要なもの」として多くの企業が挙げた回答の上位をご紹介します。

 1位:仕事内容の見直し
 2位:仕事の進め方の見直し
 3位:既存の商品・サービスの付加価値を高める技術力
 4位:若年人材の確保・定着
 5位:顧客・販路を拡大する営業力
 6位:職場のコミュニケーションの円滑化
 7位:長時間労働の解消(残業の削減等)


上記の中でも1位から3位までについて、詳しくご説明します。

1位:仕事内容の見直し

6割以上の企業が挙げている生産性の向上策です。
現在の仕事の内容を見直して、無駄な業務をカットすることが課題とされます。
慣習として行われてきた作業の中には、省けるものがあるでしょう。

2位:仕事の進め方の見直し

半数近くの企業が効率化のための課題としています。
具体的には、決裁プロセスを簡素化したり、会議を短縮化したりすることなどが挙げられます。
例えば、会議をだらだらと続けないように、参加者が立ったまま行ったり、30分や1時間とあらかじめ時間を決めておいたりする企業も近年は多く見られます。

3位:既存の商品・サービスの付加価値を高める技術力

4割以上の企業が目標に掲げている項目です。
ひと言で表すなら、「現場力の向上」とも言えるでしょう。
現場で働く人々の力量について、長所と短所それぞれ正確に把握した上で、ポテンシャルを高める人材育成を行います。

労働生産性の向上に効果がある取り組みとは?

労働生産性を上げる鍵の一つが、ICT(情報通信技術)です。
活用を増やすと、作業効率や情報収集能力の向上に加え、社内コミュニケーションの円滑・活発化といった効果が得られることが同調査で明らかになっています。
意思決定が迅速かつ正確に行えるようになることも判明しています。

また、従業員の教育訓練に積極的に取り組んでいる企業のほうが、労働生産性は高い傾向にあります。
実態を正確に把握して労働生産性の向上を阻む要因を見極め、従業員の意識改革を行うなどして、状況を改善することが必要です。

※参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構
『「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査」結果および「労働時間や働き方のニーズに関する調査」結果―より効率的な働き方の実現に向けて、企業の雇用管理はどう変わろうとしているのか―』

原点からの見直しでアウトプットを増やす

日本の労働生産性は先進国の中でも遅れを取っています。
職場で業務をいかに効率的に進めるかという原点から見直しを図ったほうが良いでしょう。
個々人の業務スキルに磨きをかけることにとどまらず、生産性に対する意識の向上を図る研修などを通じ、働き方自体を改革していくことが今後も求められます。
まずは自社の労働生産性を把握し、問題点を洗い出して対策を講じましょう。

編集部

ヘルスケア通信の編集部

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