組織の活性化

2018/02/07

タイムマネジメントスキルとは?できる社員を育てるコツや研修例をご紹介

個人の時間管理の質は、ひいては組織として企業の業績アップにも直結するスキルがタイムマネジメントです。現代の企業活動では、何にどれくらい時間を使っているか、そしてそれは成果に繋がっているかをしっかりと吟味することが大切です。ここではタイムマネジメント導入のメリット・デメリット。また、研修の内容などもご紹介します。

タイムマネジメントは個人の時間管理にとどまらず、会社の成長にも影響を与える重要なスキルです。
ここでは、タイムマネジメントを導入する際のメリットとデメリット、実行するコツをご紹介します。社員を育成するための研修やセミナーも、ぜひご参考ください。

タイムマネジメントとは

タイムマネジメントとは時間管理術のことですが、個人のタスクレベルの管理から会社の経営管理に至るまで様々な範囲に影響を及ぼします。
業務スケジュールには記載されていないような会議のための準備、メールのやりとりといった小さなタスクについても細かくタイムマネジメントを行うことによって、本来優先すべき重要なタスクにより多くの時間を割くことができるようになります。

タイムマネジメントスキルの重要性

タイムマネジメントができないと仕事の質が低下する

チームで業務を進める際にタイムマネジメントがなされず、個人のタスクが遅延すると業務全体の進捗に影響します。
また、業務に遅延が生じていないとしても、タイムマネジメントが適切に行われていないと、仕事の質の低下を招き、本来達成されるべき業務水準さえ維持できなくなります。
このようにして、ひとつのチームが機能低下すると組織全体に歪みが生じてしまいます。
最終的には、会社としての成長の鈍化や業績悪化のリスクを高めることにもつながりかねません。
つまり、タイムマネジメントの意識を徹底させる対象は、経営の中枢メンバーから現場のスタッフに至る全ての社員になるのです。

タイムマネジメントのメリット・デメリット

タイムマネジメントの導入には多くのメリットがあるいっぽうで、運用しだいでは、デメリットが生じることもあるので注意が必要です。

タイムマネジメントのメリット

タイムマネジメントのなによりのメリットは、ひとつひとつのタスクの時間が短縮されることで、質を高めたいタスクに集中して多くの時間がかけられることです。
タスクごとに緩急がついた業務のタイムマネジメントを行うことは、チーム全体でタスクの遅延がなくなるだけでなく、チームメンバーのモチベーションを高め、短期間に能力を成長させるという効果もあります。
さらに、社員それぞれの仕事の進め方に無駄がなくなれば、生活に時間の余裕が生まれます。残業も少なくなり、ワークライフバランスが整った状態で日常生活を送ることができるため、社員のメンタル面での健康維持や、リテンション(人材の保持)にも効果を発揮するなど好循環の流れが生まれます。
このように、適切なタイムマネジメントを行うと様々なメリットが生じ、会社全体の成長力を促進する源となります。

タイムマネジメントのデメリット

いっぽうで、タイムマネジメントの導入によって生まれるデメリットもあります。
たとえば、想定の時間より作業時間が長くかかってしまったり、あるいはチーム間での業務の連携がうまく進められなかったような場合には、タスク単位での細かなタイムマネジメントの枠組みが、逆に足かせとなってしまうことがあります。
タイムマネジメントにこだわりすぎると、仕事の進め方に融通を利かせられなくなり、作業工程に遅れが生じてしまったときのストレスや負荷も高まります。
このように、タイムマネジメントにはメリット・デメリットがあるため、機械的に導入することをせず、業務効率と顧客へのサービスの質を担保のバランス、チーム間の連携のためのコミュニケーション、社員一人一人のモチベーションなど様々な要素を考慮しながら、運用することが大事です。

タイムマネジメントする方法

では、実際にタイムマネジメントを行っていくには、どうすればよいのでしょうか。
具体的にはまず次の3点を踏まえて進めていきます。

自分のタスク内容の把握

ある所定の期間内に、タスクの内容がどの程度でどれくらいの量であれば、自分がいつまでに完了できるかという自分の能力や現在の仕事との兼ね合いといった状況を判断することが、タイムマネジメントを行う上でまず大事なポイントです。

どこで無駄な時間が発生しているかを把握する

次に、一日の中で自分にとって無駄な時間が発生しているのはいつ、どのくらいの長さなのかを確認し、パフォーマンスの低い時間帯を特定します。
その上で改善策を講じることによって、より高品質な時間を増やし、サービスやアウトプットの質を向上させることができます。

タスクの中で優先順位をつける

複数あるタスクを緊急性や重要度の高いタスクとそうでないタスクとに分けることで、遅延が起こりにくい体質の業務プロセスへと改善ができます。
また、チームで仕事を進める案件に関しては、情報共有などチームが連携して業務を進めるための時間を余分に見込んでおく必要があります。
他のメンバーのタスクと連携するためには、仕事を依頼する側が、求める仕事の内容や仕事の質の基準を数値化するなどして、より具体的に伝えることがポイントです。
仕事を依頼する側と仕事を受ける側の認識のギャップは、常に生じることなので、自分のタスクは早めに対応し不要な遅延リスクを軽減することが必要です。

タイムマネジメントを実行するコツ

タイムマネジメントにおいて、タスクの優先度を決めるには、まず個々のタスクをその重要度と緊急性によって大きく4つの領域に分類する方法があります。

第1領域は緊急でありかつ重要度が高いもの、第2領域は緊急ではないが重要度が高いもの、第3領域は緊急だが重要度が低いもの、そして第4領域は緊急ではなく重要度も低いものです。
4つの領域のうち、どのタスクから優先して手をつけるべきかというと、第2領域の「緊急ではないが重要度が高い」です。なぜなら、第1領域を優先して常にその中の業務から先に手をつけていると、毎日、緊急のタスクばかりをこなしているような感覚に追われ、ストレスの高い自転車操業のような環境下で仕事をしなければならず、緊張感から疲弊しやすい状態に陥ってしまうからです。
仕事のモチベーションを高めるうえでもこの進め方は有効です。

本来の納期よりも早めに設定しておく

仕事の納期は、本来の完了期限よりも前倒しで早めに設定しておくことが大切です。
納期ぎりぎりまで使って終わらせるように進めていると、予期せぬ事態が発生して、融通が利かなくなることが往々にして起こりがちです。
あらかじめ余裕を持ったスケジュールでタスクマネジメントを行っていれば、期限ぎりぎりになって急に変更やトラブルが生じた場合にも、納期を遅らせることなくタスクを消化することができます。

期日や目標などに具体的な数値をあてはめる

期日や目標に関しては、できるだけ具体的な数値で示すことが大切です。
たとえば、期日が「来年」、目標数値が「前年より売上アップ」といった曖昧な形で示されていると、そこに向けたスケジュールが具体性を欠いたものになってしまいます。
「来年の2月末日まで」、「前年比30%の売上アップ」など、具体的な数値を設定することで目標を明確化すれば、より現実的な計画に基づく細かなタイムマネジメントが可能になります。

タスクに優先度を付ける

他部署との連携や社外とのやり取りが必要なタスク、あるいは内容の確認に時間がかかるものについては他のタスクよりも優先度を上げ、意識して早めに依頼したり、こまめにチェックを入れたりするなど遅延を防ぐ工夫が必要です。

想定時間より少し短く設定してみる

あるタスクを完了するために必要な時間を見積もるときには、現状で想定できる時間よりも少し短く設定してみることが大切です。
現在実行可能な時間より短めに設定することで、業務の処理速度を継続的に向上させることが期待できます。

アプリやツールを使ったタイムマネジメントの方法

スマートフォン用のアプリには「タイムロガー」と呼ばれる、タイムマネジメントを目的としたものがあります。
このようなアプリを活用して日常的にタイムマネジメントを意識することによって、日々の生活の中で時間管理に対する意識付けを行うことができます。
時計やストップウォッチなどを使っているだけでは、タスクごとの細かい時間をそのつど計測・管理するのに手間がかかり、毎日の継続には向いていません。
タイムマネジメントのための専用アプリを使うと、自分の時間の使い方を視覚的に把握しやすくなり、日常的な時間管理を習慣化することができます。
過去に計測したデータの推移などを統計的な数値データとして分析することができるため、今後の目標設定にも活用できます。

タイムマネジメントができる社員の共通点

仕事の進め方と報連相が上手

仕事の進め方が上手な社員に共通した特徴は、報告・連絡・相談が適切にできるということです。
仕事を納期までに終わらせるためには誰に何を聞かなければならないのか、ということを明確に理解しています。
また、完了期日までに変更の指示があるなど、問題が発生しそうなクライアントの案件などをあらかじめ見込んでおり、そのタスクにバッファを持たせています。
実際に問題が発生した場合にはそのタスクの優先度を上げて納期の遅れが出ないように工夫をしています。

タイムマネジメントが上手

タイムマネジメントが上手な人は、重要度だけでなく緊急度も意識しながら仕事の優先順位をつけています。
時間がかかりそうなタスクを後回しにせず、難度の高い案件から先に着手します。

問題意識から業務改善までが上手

タイムマネジメントができる社員は常に問題意識を持ち、業務上改善すべき内容について自覚的です。
どの工程・工数に無理があるのかというボトルネックを見極めることに長け、問題点を指摘するだけでなく、業務改善を提案するところまで意識しているので、すぐに改善につなげることができます。

常に自分に成長するための課題を課している

自分自身の成長を求め、常に自らに課題を課すのもタイムマネジメントができる社員の特徴です。時間設定をする際にも、今の自分が実現可能な時間よりも少し短めに設定することで最速のアウトプットを目指し、更なる成長によって会社に貢献しようと考えます。
また、自分の付加価値を高めるため、日々成長に対する意識を持ち、継続的に勉強する習慣ができています。

タイムマネジメントの研修例

企業向けの研修は数多くありますが、タイムマネジメント研修は新入社員から入社5年程の若手社員をメインターゲットとしています。内容は、タイムマネジメントの基礎として、業務の効率化・生産性の向上について学びます。そして自分の時間の使い方と傾向を把握し、日々の業務の中でのタイムマネジメントの考え方、仕事の進め方、優先順位のつけ方など実践に即したスキルを身につけます。スキルがあるのに今一つ業績が伸び悩んでいる社員は、タイムマネジメントに問題を抱えている傾向があります。そのため、タイムマネジメント研修を実施することで、若手社員の生産性向上が期待できます。ここでは複数の研修事例を紹介します。

基礎から考え方を学ぶタイムマネジメント研修

研修やセミナーでタイムマネジメントを学ぶ際には、はじめに基礎となる考え方から学ぶ必要があります。一例ですが、具体的に下記に準じた内容を学びます。

①タイムマネジメントの目的の理解
②「なぜそんなに忙しいと感じるのか ?」その原因と対策
③タイムマネジメントの基礎

 ・自分自身の業務の棚卸
 ・優先順位をつける
 ・やらないことを決める
 ・どれくらい時間がかかるかを想定して実行する

特に③の項目はPDCAサイクルになっています。そのため、このサイクルを意識しながら業務を遂行することがポイントです。優先順位、重要度を意識することなく、自分に割り当てられた業務を順番に行っていた社員(特に新入社員)にはその効率化・生産性のアップの効果は大きく期待できるでしょう。
セミナー内容の中でもやらいことを決める、というのは目から鱗かもしれません。例えばメールの対応もすぐにやらなければならないと考え、それにより業務が都度寸断し、業務効率が落ちていることが多々あります。便利なメールですが、その付き合い方を学ぶ意味は大きいものがあります。

次にタイムマネジメントができる社員が日々の業務の中でどういったことを意識して業務を遂行しているかを説明し、できない社員との違いを対比的な表現や具体例で示すことで論理的に説得力を持って伝え、共感を得るようにします。
研修の参加者が自分自身の課題として受け止め、「できない社員」が「できる社員」になるためには、具体的にどのような課題をクリアしなければならないかを明確にすることが大切です。

実戦形式で学べるタイムマネジメント研修

若手社員向けのものが多いタイムマネジメント研修ですが、経営者・マネジメント層向けに特化したものは、よりワークに時間が割かれた実践形式となっています。ここで実践形式のタイムマネジメント研修の一例を紹介します。

優先順位の付け方

自分がやりやすい順ではなく、重要度・緊急度からプランニングする方法を学びます。

効率化のため人に仕事を依頼する

時には上司を巻き込み、個人・チームのパフォーマンスを上げるため、他者へお願いする職場全体としてのタイムマネジメントを強化します。

突発的な仕事への対処方法

内容・状況によっては、説明をして断ることも必要です。仕事を受ける場合も、内容をしっかり把握(相手の求める成果物、レベル、内容)し、納期に余裕をもらう等、仕事の受け方も重要です。

中断・妨害への対策

相手は意図していなくても、時には自分の業務の妨げになってしまうことがあります。そこで、生産性の向上を図るため、仕事の中断・妨害への対策方法を学びます。

ほとんどのタイムマネジメント研修が、基礎と実践がセットになったカリキュラムで実施されています。基礎的な考え方も大切ですが、知識を定着させるにはワークを通じて日々の業務の中においてどう活かすことができるかをイメージできるレベルにもっていくことの方が実務に役立ちます。「研修やセミナーに参加して良い話を聞いた」と満足して帰宅しても、次の日からまたいつもと変わらない日常が繰り返してしまっては研修を実施した意味がありません。研修参加後は「明日からは○○の仕方を変える」など具体的な業務のイメージをつかみ実践していくことが求められます。こうした継続的な取り組みが、社員一人ひとりの生産性を向上させていくことでしょう。

タイムマネジメント力をつける社員の育て方

1 on 1ミーティングを実施

1 on 1ミーティングは上司と部下が1対1で行う個人面談です。大人数で行う全体会議などでは、どうしても会社や部門全体といったグループの成長に焦点を当てることが多くなります。
しかし、社員一人ひとりがタイムマネジメント力をつけ、継続的な成果へ導くためには、個人に焦点を絞った「対話」を定期的に行うことが重要です。

実施に伴う障害

ただし、上司が部下の一人ひとりと面談を行うには相応の時間が必要となるため、業務が忙しい中でミーティングを行うことを面倒に感じたり、どうせ改善にはつながらないだろうといった現場の意識があると、実施する上での障害となってしまいます。

実施により得られるメリット

1 on 1ミーティング実施のメリットはタイムマネジメントを進めやすくするだけではありません。
上司と部下との信頼関係が構築されることで早期に問題を発見し対策を講じることが可能になるため、結果として部下からの相談時間が減少することにもつながります。
また、評価査定後に部下が不機嫌になったり、待遇への不満から突然退職するなどの事例が減り、人材のマネジメントがしやすくなるというメリットもあります。

タイムマネジメントは個人の時間管理にとどまらず、組織全体の進捗管理から会社の成長や経営上のリスクにも影響を及ぼす重要なスキルです。経営の中枢メンバーから現場のスタッフに至るまで、タイムマネジメントの意識を浸透させることで、経営の好循環の流れが生まれます。

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編集部

ヘルスケア通信の編集部

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