組織の活性化
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従業員満足度(ES)とは?具体的な導入事例も交えてご紹介

従業員満足度(ES)の向上に取り組む企業が増えています。従業員の満足度が上がれば、モチベーション向上につながり、企業の業績アップや企業価値が高まると考えられているからです。ここでは従業員満足度が与える影響と、従業員満足度を向上するために企業が取り組むべき施策を具体例を交えてご紹介します。

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従業員満足度(ES)の向上に取り組む企業が増えています。
企業で働く従業員の満足度が上がれば、モチベーション向上につながり、企業の業績アップや企業価値が高まると考えられているからです。

ここでは、従業員満足度が与える影響と従業員満足度を向上するために企業が取り組むべき施策を具体例を交えてご紹介します。
これからの企業発展のためには、従業員満足度という考え方は欠かすことはできません。

 

従業員満足度(ES)って何?

日本の高齢化と少子化が急激に進む中、労働人口の減少は避けることのできません。これからの経営者にとって大事なことは、社員がパフォーマンスを高めて生産性を上げることにあります。

その重要な鍵が従業員満足度です。

従業員満足度(ES: Employee Satisfaction)は顧客満足度(CS : Customer Satisfaction)と対比される概念です。日本では、顧客満足度の考え方が先に浸透していましたが、従業員満足度を向上させることが、結果的に顧客満足度向上になると考えられ始めました。

たとえば、販売員の場合、従業員満足度が高ければお客様への接客態度がよくなり、それによってお客様が楽しく満足してお買い物をすることができ、売り上げ向上にもつながっていくのです。

顧客満足度とは、企業が提供した商品やサービスを利用した人がどのくらい満足したかを測ったものです。J.Dパワーの定義によると、実際に商品やサービスを使ってみて認知した価値(知覚品質)から顧客が事前に抱く期待値を差し引いたものになります。

顧客満足度の目的は、お客様の本音や欲求をひき出し、商品やサービスの課題や問題点を洗い出して、何を改善すべきかを把握することでお客様に満足していただくものを提供し続けるためです。

お客様は自身が想像するレベルを超えたときに感動します。企業は、お客様の期待値を超えられるような商品やサービスを提供していかないといけません。それによって、何度もお買い上げいただいたり、足を運んでいただいたりとリピーターとなっていただけるのです。

対して、従業員満足度はES(Employee Satisfaction)とも呼ばれ、従業員の満足度を測るものであり職場環境・仕事内容・福利厚生・人間関係・モチベーションなどを定量的に表したものです。

そもそも企業は人で成り立っており、その人が会社で満足して働いてなければいい商品やいいサービスを提供することはできません。よりよい価値をお客様に提供し続けるためには、従業員満足度の向上に取り組む必要があります。

つまり、会社に対する満足度を高めることで企業の業績を向上させることができるという考え方です。

従業員満足度を測るために、従業員満足度調査(ES調査)を実施する企業が増えてきました。ES調査では従業員に直接アンケートをとることで、自社の従業員満足度を数値化して課題を見つけて改善につなげます。

ES調査は社内で実施したり、外部に委託する場合もありますが、どちらにしても現時点での社内の状況を客観的に把握することが目的です。アンケートは正直に答えてもらうことが重要になるので、そのような風土づくりをすることも大切なことになります。

従業員満足度が注目されたきっかけ

さきほどもお話ししたように、従来日本では顧客満足度が注目されており、お客様からの評価を知る指針としても使われていました。

しかし、顧客満足度を重視しすぎるあまり、ひどい労働環境であったり、深夜までの勤務などの過酷な働き方を強いる企業もあり、従業員満足度の重要性が問われるようになったのです。

この従業員満足度を最初に提唱したのは、アメリカの管理学者ロバート・ホポックだと言われています。また、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは、仕事の満足度は、仕事の内容への満足度と職場環境への満足度があり、従業員のモチベーションを上げるにはこの2つは別物であるとした「動機付け・衛生理論」を提唱して従業員満足度の概念の基礎を築きました。

日本においては、経済産業省が2015年より従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を「健康経営銘柄」として選定し、公表することで企業の健康経営の取り組みが株式市場等において、適切に評価される仕組みづくりに取り組んでいます。

ここでは、経営から現場までの各視点から健康への取り組みができているかを評価するため、

  • 健康経営が経営理念・方針に位置づけられているか
  • 健康経営に取り組むための組織体制が構築されているか
  • 健康経営に取り組むための制度があり、施策が実行されているか
  • 健康経営の取り組みを評価し、改善に取り組んでいるか
  • 法令を遵守しているか

などの観点から評価を行っています。このように、国としても健康経営銘柄を通して、従業員の勤務環境や企業としての考え方を評価することで、健康経営の推進しいては従業員満足度向上を啓発しているのです。

従業員満足度が高い企業では、モチベーションも高く仕事への集中力や熱心さも高いといえます。また、ESが高い企業は学生からも人気が高く、就職活動での良いイメージを持つことから、企業を見極めるときの基準にもなっています。今後もより従業員満足度が注目されていくでしょう。


従業員満足度が高いと会社の売り上げも向上!?

従業員満足度が高い会社は業績も高いのでしょうか。

前述したように、もともと企業においては、売上や利益に直接影響のある顧客満足度を重視する傾向がありましたが、それによって過酷な環境下で働く従業員が離職をしたり、パフォーマンスが上がらないという課題を抱えることも少なくありませんでした。
そこで、従業員の立場にたって、魅力ある職場づくりや人間関係を向上することで、従業員の満足度を向上させ、生産性をあげて業績アップを目指す傾向が高まってきています。

厚生労働省による「平成27年度 今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」によると、「従業員満足度と顧客満足度の両方を重視する企業」のほうが、「顧客満足度のみを重視する企業」よりも売上営業利益率と売上高のどちらも増加傾向にあり、業績が向上しているということが示されています。

また、「顧客満足度のみを重視する企業」については、売上高営業利益率も売上高も増加はしているものの、その傾向は低くなっています。

10年前に比べて売上高が増加している企業の割合

さらに、人材確保の面においても、「従業員満足度と顧客満足度の両方を重視する企業」では、「量(人数)・質ともに確保できている」割合が高いことが分かっています。

従業員満足度向上への取り組みは、企業にとって売り上げを向上させ、人材を確保するにも大切な取り組みとなっています。


従業員満足度調査により会社との信頼関係を作ることが大事

離職率が高い会社の特徴

近年、離職率が高いことに悩んでいる企業が増えています。

従業員がなぜその会社を辞めるのか、理由は人それぞれです。人間関係に不満があったのかもしれませんし、給料の納得感がなかったからかもしれません。休日出勤や残業の多さかもしれませんし、評価かもしれません。ほかにも会社を辞める理由はたくさんあります。

社員がなぜ辞めたかを理解しなければ、改善もできませんし、離職率を下げることはできません。社員が何に満足していて、何に不満を感じているのかを把握することを始めるのが第一歩なのです。

実は、離職率が高いということは、従業員と経営者との間に信頼関係が形成されていないことが多いと言われています。信頼関係がないと、経営者が従業員に「不満はあるか?」と尋ねても「ないです。」と答えるのが通常です。

それは、「本当のことを伝えたら、評価に影響がでるのではないか」や「どうせ伝えても改善するわけがない」という諦めがあるからです。

従業員の離職率が高いことによる企業の問題はいくつかあります。
一つは、人材育成が十分にできないことです。数年かけて育成した社員がそこで辞めてしまえば、その数年は無駄になってしまいます。また、人不足にもなります。残った従業員の負担がかかり、過労となり、状況によっては離職の連鎖になります。

さらにはナレッジの蓄積や組織の成長が図れなくなります。こういった状況が続けば、世間からの評判も悪くなり、優秀な人材を獲得できず会社が成長しないことにつながります。

このようなことを避けるために、従業員が企業に対してどう感じているのか、現時点での状況を把握するために、社員の定着率が高くて離職率が低い企業の多くは、「従業員満足度調査」を実施しています。

離職率が低い会社の特徴

離職率が低い会社は、この「従業員満足度調査」によって、問題点を把握し改善に努めています。PDCAをしっかりと回すことで、従業員の信頼関係も得られ、定着にもつながっていくのです。これによって、企業は安定的成長を遂げることができます。

つまり、従業員が長く勤めることが、ナレッジやノウハウの蓄積によって資産価値が向上し、業務へのモチベーション向上にもつながり、結果一人ひとりの生産性もあがってきます。

また、社内コミュニケーションも活発となり、これが業務上の不正の防止にもなります。業績が上がれば会社の認知度も向上し、企業価値も高まってくるのです。

具体的な従業員満足度向上の施策の事例

従業員満足度調査は従業員へのアンケートを実施することが多いです。従業員満足度に影響を与える要素としては、様々なものが考えられます。そのため、指標としても多くの種類がありますが、「仕事内容」「職場環境」「会社へのロイヤリティ」の3つに分けて考えます。

仕事内容

  • やりがい、達成度
    達成したい明確な目標がある
  • 自己成長
    仕事を通じて、自分の成長を感じられる
  • 責任感
    上司や周りから責任のある仕事を任せられている
  • 評価
    実績に対して公平な評価がされている

職場環境

  • 職場環境
    交通の便がよく環境の良い場所に職場があり、社内も仕事をしやすい雰囲気がある
  • 給与
    働いた量や質に対して、納得できる水準である
  • 福利厚生
    従業員が求める福利厚生がある
  • 労働時間、休日・休暇
    適正な休日や労働時間となっている
  • 人間関係
    上司や同僚とよい関係が作られていて、チームワークがよい。風通しのよい環境。

会社へのロイヤリティ

  • 企業文化・ビジョンの共有
    会社の経営方針が浸透されている
  • 将来性
    成長性を感じられる
  • ブランド力
    お客様が信頼や安心を感じて商品やサービスに満足している

法定外休暇の整備

法定外休暇は、年次有給休暇のような法律に根拠のある法定休暇と異なり、それぞれの企業が就業規則に規定を設けることで、取得することができるようになる休暇のことです。

例として、慶弔休暇、病気休暇、リフレッシュ休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇等があります。法定外休暇は、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて企業が労働者のために設ける規定です。

企業が取得しやすい環境を整えることで、従業員は自分の生活も大事にしながら元気に仕事をする、そんないい関係が築けることがお互いを信頼し、コミュニケーションも活性化して、企業の風土も向上します。

表彰制度の整備

従業員のモチベーション向上に向けた施策の一つとして、表彰制度を設けている企業があります。

例えば、長期間就労した人へ感謝の意を込めて、一定年数以上勤務した人や定年到達者への表彰。改善提案や営業優秀者、職務発明・考案、人命救助などの善行、災害時功労など様々な種類があります。

「表彰制度」の多くは、組織への貢献度や業績などを基準に受賞者が決まるため、人事評価や処遇と全く無関係ではありません。だからこそ、受賞の公平性や透明性、納得感がとても大切になります。

まず、受賞の機会が全員に等しく開かれているかどうか確認しましょう。評価基準をオープンにし、公平性を保つことが従業員の納得を得られ、満足度も向上します。逆にマンネリ化したり負担に感じるようになると、モチベーションが下がる可能性もあるので気を付けましょう。


従業員満足度でよくある疑問

従業員満足度を上げることが重要だというのは理解しつつも、何から始めてよいかわからないという経営者も少なくありません。

まずは、最初に行うこととして、給与を上げることが考えられますが、全社員の年収を上げようとすれば人件費が増大し、経営に大きな負担になることは間違いありません。

次に、残業時間を削減することの効果について考えてみましょう。今、ワーク・ライフ・バランスの向上を掲げて、残業時間の削減に積極的に取り組んでいる企業は多いです。体の負担は減るかもしれませんが、残業時間の削減は、社員の満足度向上にあまり効果がないと言われています。

残業の削減が社員の満足度向上につながらない理由としては、残業に対して残業代が支払われることで給料に影響があるのも一つの理由です。

もしかすると、残業時間の削減は企業にとっての人件費削減に捉えられてしまい、従業員の健康を意識した施策であるとなかなか理解しにくいのかもしれません。

福利厚生は充実させた方がいい?

福利厚生の充実は従業員満足度向上のための取り組みとしてわかりやすい事例の一つです。

仕事に対するやりがいや楽しみが会社への満足度向上につながることも多いようです。会社側が一方的に福利厚生メニューを提供したとしても満足するわけではありません。

従業員に福利厚生の充実度を実感してもらうには、従業員の望むメニューを会社で負担することが重要になります。福利厚生によって従業員満足度が向上すると、社員一人一人の能力が伸びて生産性を上げることになります。

そのため会社の特長を生かした素晴らしい福利厚生は、大きな費用対効果を生み会社の発展につながります。

大企業であればあるこそ、すべての社員が満足して働く環境を整えるのは難しいです。ただ、企業が社会に貢献し、お客様が感動し、喜んでいただくものを提供するには、従業員がやりがいをもって働くことが重要です。

「従業員満足の向上」は、単に従業員の不満を解消するということだけではありません。それだけでは、従業員たちは何事もすぐに他人のせいや会社のせいにする、いわゆる他責に陥りがちになります。

会社と従業員との相互信頼のためには何をすべきか」という視点で、会社と従業員双方が真剣に取り組むことが大切になってきます。

経営者と従業員が信頼しあうことは、間違いなく従業員の働きがいにつながっていき、結果として会社の業績の向上、そして日本経済の活性化のためにも重要なことなのです。

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